#2/大学でかくれんぼをしたら型破りオヤジに出会えた
型破りオヤジとの出会いは2009年にさかのぼる。
3月、大学院の卒業論文を提出し、あとは卒業式を控えるのみという時期。大好きな同期と離れる寂しさに9割以上の心を持っていかれたが、かろうじて残る1割弱の脳細胞は「社会人になるための予習した方がいいよなぁ」と、ぼんやり思っていた。その神経発火たるや線香花火よりか細く、蛍より弱々しく。
その日も寂しさを埋めるべく、同期と学内でかくれんぼをしていた(笑)。ディズニーランドよりも広いと言われるキャンパスでかくれんぼをするのは、実に疲れる。卒論に体力の大部分を吸われた身に、かくれんぼはトライアスロン級のインパクトを与える。ちょっとスタバでお茶でも買って、隠れながら休憩しよっと。
こうして普段立ち入らない学部棟に入ったとき、ふとポスターが目に留まった。
画像が小さくて何書いてあるか読みにくいって?
いいんですよ、当時の私も内容は読んでなかったから(笑)。
アントレって言葉も知らないし、とりあえず「ビジネスの基礎」とは書いてあるなと。「サルにもわかるレベルの基礎からぜひ!」くらいのテンションで、ポスター右側のチギリ(横向きの短冊のように1枚ずつ持ち帰れる仕様になっていた)を破りポケットに入れた。
~かくれんぼに明け暮れること数時間~
帰宅し洗濯する段になって、ようやくチギリの存在を思い出した。URLを検索すると「4月以降、毎週水曜の夜、文京区の会議室に集え」と書いてある。会社に入ったあとの生活リズムは想像できないが、まぁ水曜夜くらい早く帰れるでしょと軽い気持ちで申し込んだ。
講義に参加できるかどうかは、面接で決まるという。ちょっとドキドキするが、かくれんぼついでの応募だ。落ちても痛手は深くない。
面接官こそ、型破りオヤジだった。
オヤジ「1週間に20時間くらい講座に使うことになるよ。本当は20時間もかけず効率的に課題を済ませてほしいんだけど、それ以上使ってる子も多くて…。社会人は忙しくて脱落しちゃう人が多いんだけど大丈夫?」
私「はいっ」
新卒(正確には、その予備軍)の「大丈夫」なんて、ぜったい大丈夫じゃない!!そもそも仕事にどのくらいの時間がかかるかもわかっていないから、コントロールのしようもない。
我ながら切なくて笑っちゃうレベルに空虚な返答だった。
オヤジ「じゃ、いいよ」
…受かったらしい。オヤジが空虚に空虚を返してきた。
ここまであっけないとチャラいとも思わないんだね(^^;)
出会ったばかりの私の「はいっ」を信じてくれたこの人を信じてみようと思った(ひそかに脱落だけはしないと心に決めた)。
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