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#4/型破りオヤジのビジョン「世界一の講座をやりたい」

型破りオヤジが提供してくれる3カ月の講義。初回の資料を、今も大事にとってある。

大学院を卒業するまで、私は幾度となく講義(授業)を受けてきた。もちろん好きな科目の授業は楽しかったし、苦手な科目の授業はつまらなかったけど、鳥肌が立つほど感動した講義は何回あっただろう?

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一応ここはビジネススクールで、3カ月後にはビジネスプランを発表する機会が待っている。だから型破りオヤジの資料はビジネスプランの目次にそって作られていた。

私は、初めて聞いた。
講師自ら「世界一の講義をやりたい」と宣言する講義を。
「ありえない体験、ありえない時間を作りたい」と一切の恥ずかしさなくプレゼンするオヤジはブラックホールそのものだった。光さえ逃げ出せない深い穴は、飽き性で冷めがちな若者の心をもまるっと飲み込んだ。

講義後に得られるスキルは「少し」がやたら強調されているが(笑)、全く気にならなかった。スキルより大事なものがあると、まさに目の前で証明されたのだから。
望遠鏡をのぞきコペルニクス説を確信したガリレオの気持ちだ。
それでも地球は回ってるし、ここにありえない時間は流れてる。

講義がある水曜日は、朝起きるのが楽しみになった。遅刻したくなくて全力疾走して階段で転びそうになっても「今日は死ねない!」と心が叫んだ。強烈な講義は、再現性のない舞台の上に聴衆まで引っぱりあげる。


私は今、仕事の合間にいくつかの大学で講義をしている。

きれいに資料作って、プレゼンの練習を20回くらいして、可能な限り同世代の学生さんにリハーサルに付き合ってもらい、フィードバックをもらって精度をあげる。

……ぜーんぜんダメ。悲しくなるくらい、型破りオヤジとかけ離れている。
練習するほどに陳腐なセリフとなり、大根役者にもなれない切干大根のごとき乾きよう。学生さん数十人から90分(1コマ)をもらうことの重みを、私はまだ背負いきれずにいる。

嵐の松本潤さんはコンサートで「俺ら5人で、●万人(その会場にいる人数)幸せにしてやるよ!」と言ってくれるらしい。くぅーかっこいいね💖

型破りオヤジは教壇で「俺一人で、30人(その会場にいる受講生数)幸せにしてやるよ!」と、その熱量で魅了する。
(今これを読んで、安直に松本さんと肩を並べられるのか?と一瞬でも勘違いしたオヤジへ。あゝオヤジよ、君を泣く、君死にたまふことなかれ。)


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