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”口ぐせ”で部下との関係は変えることことができる

この人のこういうところが許せない…!だから、〇〇して欲しい!そう思う部下がいたとします。あなたにも過去にそういった思いが生まれたことがないでしょうか。とはいえ、他人の行動は「こうして欲しい!」と思っても変えることができません。それでも、自分は耐えられないと感じた時に、あなたはどのように行動することで状況を変えることができるでしょうか。例をあげて見ていきましょう。


とある上司の口ぐせ「君のために言っている」

その上司は、仕事ぶりだけではなく、あなたの見た目・言葉遣い、果ては生活にまで指摘をします。お客様の前に出る仕事である以上、他者からどう見えるかを指摘してもらうことは非常に貴重なことです。ただ、2人になるごとに下記のような言葉をかけられます。

「君にこの仕事は向かない」「仕事をなめている」「才能がない」

この言葉をかけられたらどうでしょう。もちろん、誉め言葉はありません。その言葉に、あなたは意気消沈します。その時に、上司は言うのです。

「きみのためを思って言っているのになんだその態度は!」

この君のためというのは、他の面でも使われます。「会社のため」「お客様のため」「社会のため」本当にその気持ちで使っているのであればいいのですが、他人を糾弾する理由を自分以外にする場合、それは相手にバレています。あなたは「私のため」というがそれは「自分のため」ですよね?と。

とある上司の口ぐせ「いつもありがとう」

その上司は、あなたの見た目や生活の機微を感じとりよく声をかけてくれます。仕事以外でも声をかけてくれ、家族のことも覚えていてくれます。2人になると下記のような言葉をかけられます。

「いつも頑張ってくれてありがとう。特に〇〇の際には、〇〇をしてくれて」「君○○をしてくれるから、仕事ができる」「〇〇の件は君がいたから成功した」

この言葉をかけられたらどうでしょう。人は認めてくれる人を信頼する。少なくとも嫌な気持ちはしませんよね。確かに、明らかに表面的でおだてるような褒め方を嫌がる方もいますが、この場合の「褒め」は「変化を褒める」褒めです。つまり、日常から相手を気にしていないと気付くことがない部分を褒めるのです。しかし、この話をすると、

彼(彼女)には褒めるところもないし…

とおっしゃる方がいます。もちろん、仕事のことで褒められることはモチベーションにつながりますが、仕事のことだけじゃなくてもいいのです。例えば、靴をきれいに磨いているだとか、字がきれいだとか。自分を見てくれている、そして、それに気づいてくれているということが重要なのです。相手を気にしてみてください。本当に、昨日と全く同じでしょうか。わずかな進歩もなく毎日変わりなく過ごしているでしょうか。昨日と今日が違うのが分からなくても、1か月前、2か月前で変化を感じとることがとても大事なのです。

とはいえ、「そんなこと(褒める、感謝の言葉は)言わなくても分かるでしょ」という方もいますが、分かりません。分かりませんし、分かっていても褒められたらうれしいものです。その嬉しい気持ちが部下のモチベーションにつながるのなら素敵じゃないですか。(無論その言葉には感情がのっていることが必要です。上辺だけの感謝は意外と受取る側には分かりますし、たとえあなたにその気がなくても言い方が投げやりなものであればむしろ効果はマイナスです)

コンプレックスこそ、褒める

人にはそれぞれ苦手としていることがあります。本人がそれを自覚しているならばなおさら、そのコンプレックスを褒めましょう。人は意識無意識を問わず自分をこういう人間だ!と思って生きています。幼いころからの意識、周りからの評価やそれに伴う実績。特に、かけられた言葉というものは大きく「○○が得意」「○○が苦手」というのは、自分でも他人でもその言葉を使うことでそのコンプレックスに縛られることになります。自分でコンプレックスに気づいている(あるいはそうと思いこんでいる)人ならば、無意識的に「自分は〇〇ができる(できない)」と自分をそうゆうものと考えてしまっているのです。

まわりに目を配り、人とコミュニケーションをとるのを苦手としている人に「君は自信がないというけども、人の話を聞いてマネージメントするのがとても向いているね」と言えば、少なくとも1人は自分をそう認識してくれている!と思い、自分のありたい姿がそれに近ければ無意識に刷り込まれていきます。

これを何度も繰り返すと、本人の認識も自分はマネージメントが得意!という自己認識への変化していくのです。もちろんこれは逆でも同じことが言えます。例え冗談であっても、鼓舞するためであっても、「この仕事は向いていない」と言われ続ければ、自分は何もできない屑野郎だ…その人は思ってしまうでしょう。もし、その人が仕事に関して向いていないと思ったとしても相手の認識を悪い方へ変えることは言わない。そして、いいなと思ったことは褒める。「いいな」と思ったことはどんな些細なことでもいいのです。

仕事のミスは指摘しましょう。でもミスを指摘したときに「向いていない」「仕事が雑」といったミスそのものというより、本人の性格に言及するような言葉は避けましょう。「〇〇はこう修正してほしい。でも、●●はとてもよかったから次も同じようによろしくね!」ミスを伝えることと性格的なことを伝えることは別です。また、昔のミスを掘り下げるのは辞めましょう。「前も言ったのに」は禁句です。気持ちは分かりますがぐっと飲みこみましょう。相手にいい意味の思い込みをさせるためにポジティブな言葉を伝えましょう。

私が独立するとき…

私も独立するときにいただいたすごくうれしかった言葉があります。

「植田さんは絶対に成功する」

という言葉です。正直、私が退職するということは組織にとっては新たな採用コストもかかりますし、今まで育てたのにという気持ちがあり、もっと敵対的な言葉をかけられても仕方ないと思っていました。しかし、かけられた言葉は不安で震えている私を励ます言葉だったのです。私はこの言葉をこれからも忘れないでしょうし、その言葉をかけてくれた人のことをこれからもずっと尊敬していくと思います。

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