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相続手続き~戸籍収集編~

みなさん、こんにちは。司法書士の植田麻友(うえだまゆ)です。

私については、こちらの自己紹介をご参照ください。

多くの司法書士がそうであるように、私も相続に関する手続きをご依頼いただくことは多いです。そんな中に、たまに聞くのか「司法書士に依頼せずに自分でできるから」という言葉です。実際、ご自身ですることは可能です!資産が預貯金・不動産・有価証券、いずれがあってもご自身での相続の手続きは可能です。しかし、実際は多くの方が専門家や専門機関への依頼をして手続きを進めています。それはなぜなのか。理由は簡単です。相続手続きは非常に面倒くさい手続きであるからです。1つ1つの工程を、市役所や金融機関に聞いて進めていくことは無理ではないでしょう。しかし、その方が持つ資産内容や親族関係によっては、難易度が非常に高くなるのです。

相続手続きはまず何から始めるか

相続の手続きは、亡くなった方の資産が、お金でも不動産でもまず大切なことは「相続人を特定すること」です。例えば、夫婦と子供2人の家族の中で、旦那様が亡くなった時相続人は誰になるでしょうか。この場合の相続人は、おそらく「妻」と「子供2人」です。ただ、それを証明するものはありません。なぜなら、旦那様の子供が「子供2人」だけではなく、その家族が知らない別の子供がいる可能性もゼロではないためです。では、それを証明するにはどうすれば良いか。それが戸籍になります。相続手続きにおいて、相続人が誰かということが非常に重要です。そのため、まず戸籍を集め、相続人を特定する作業から始めることになります。

戸籍の収集が個人では難しい理由

多くの方はこの戸籍の収集で躓きます。そもそも、戸籍とは本籍地の市役所等で取得できるのですが、住所と同市である必要がありません。そのため、住んでいるのが大阪府堺市でも、本籍地は東京であるということは珍しくはないのです。この場合、戸籍の取得は郵送で行うことになるのですが、戸籍の費用は郵便小為替で行うことになります。郵便小為替は郵便局の窓口で16時までの営業時間に購入することができます。

理由その① 本籍地が遠方にある場合、郵送で郵便小為替を使用して請求しなければならない。

また、相続において必要な戸籍とは、亡くなった方、つまりは被相続人(ひそうぞくにん)が「生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍」なのです。戸籍というのは1人につき、1つではありません。結婚をする、離婚をする、本籍地を変える等の理由によって、その都度新しく発行されるのです。また、法律の改正が行われることにより新たに発行されるケースもあります。被相続人の方が生まれてから亡くなるまで、1度も本籍を変えていないケースであっても、戸籍は4~5種類必要となることが多いです。つまり、本籍が変わっていればいるほど、必要な戸籍は増えますし、転籍(本籍地が変えること)をしていれば、さらに別の市役所に請求しなければなりません。そして、そのすべての戸籍がそろっているかは、戸籍の内容を確認する(戸籍を読む)ことをしなければ分からないのです。

理由その② 生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍が必要。

戸籍は、先述したように相続人を特定するために行います。そもそも、その相続人とは法律で決まっているのです。例えば、結婚していれば配偶者(妻または夫)は必ず相続人になります。では、子供がいた場合はどうか?子供があれば子供も相続人です。では、子供がいない場合は?

相続人を特定する手続きにおいては、まず相続人が法律上どのような立場の方が該当するかを知っておく必要があります。専門家はその前提知識をもった上で戸籍を収集し、発行された戸籍の内容を読み解き、その上で不足している戸籍を収集していきます。そうでなくても、相続人に関する戸籍を揃えるのは難しいのです。

理由その③ 相続人に関する法律の前提知識が必要となる

もちろん、その方の親族関係によっては非常に少ない戸籍でスムーズに進めることができる場合もあります。しかし、思わず親族関係が判明した場合に、途中から専門家にお願いする方が以外と費用が高くなったりもするのです。戸籍収集に関していえば、すべて専門家自身で収集した方が内容の把握が早くなるため、結果的に時間の節約にもなります。

今後相続登記は義務化するでしょう

2024年をめどに相続登記は義務化される予定です。今まで放置していた相続手続き、特に不動産について動く必要が出てくるでしょう。もし、長期間放置していればしているほど、相続関係は複雑化し、それこそ戸籍の収集も通常よりも時間がかかることが想定されます。

今はまだ2021年ですが、私は相続手続きで1年以上時間がかかる例も何度も経験しています。少しでもご不安があるのであれば、早めにお手続きすることが必要です。

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