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同人誌「横須賀線・総武快速線」試し読み その9:イントロともくじ

はい!みなさんこんばんは、長沢めいです。

いま、冬コミに向けて「横須賀線・総武快速線」の同人誌を制作中ですが、今回のコミケでは会場での立ち読みを不可とさせて頂くことに致しました。そこで、事前に内容をある程度お見せしたい!と思いまして、冒頭部分を中心に何回かに分けてnoteで公開していきたいと思います。

ちなみに、メロンブックスさんでは冊子版の予約受付を開始しています!
(※電子版は後日公開予定です)

今日は、横須賀線・総武快速線の歴史について概説したパートの9つ目、「拡大するネットワーク」、そして冊子全体の「もくじ」をご紹介します!
(※文面は今後、調整する可能性がありますのでご了承ください)

なお、マガジンにまとめてますので、他の記事はこちら↓からご覧ください


拡大するネットワーク

前ページまで横須賀線と総武線の生い立ちと直通運転を開始するまでの歴史をご紹介してきました。しかし、直通運転開始から既に40年以上経過しており、車両やダイヤにも、沿線にも大きな変化が生じています。詳細については別稿に譲るとして、ここでは2つ大きなトピックについて触れておきたいと思います。

■成田エクスプレス登場

総武快速線建設時に「成田財特法」による財政支援があったことは先述した通りですが、成田駅から空港までの距離は遠く、同駅は空港アクセスとしての機能は果たしていませんでした。

状況が一変するのは1987年のこと。建設が途中でストップしていた成田新幹線の設備を転用し、JR成田線と京成線を空港直下まで延伸する、という計画が浮上したのです。結果、1991年に両線揃って開業を果たし、JRは成田エクスプレスの運転を開始します。こうして、「空港アクセス」という役目が、横須賀線・総武快速線に追加されたのです。

なお、成田エクスプレス運転開始時には、内房線特急「さざなみ」・外房線特急「わかしお」が総武快速線経由から京葉線経由に変更されています。

■湘南新宿ライン開業

もう一つ大きな出来事は、2001年の湘南新宿ラインの開業です。総武快速線には直接の影響はありませんが、横須賀線では戸塚-西大井間で線路を共用することになるため、ダイヤに大きな影響がありました。

開業当初の湘南新宿ラインは運転本数も少なく、運転時間帯も限られていましたが、のちに大増発され、現在では欠かせない存在となっています。


さて、ここまで駆け足で横須賀線、総武快速線の特徴、両者の歴史、そして沿線の歴史を追いかけてきましたが、いくつか興味深い点があったかと思います。この先は各ポイントを掘り下げていきたいと思います。

まず横須賀線と総武快速線の間には役割や立ち位置に違いがあり、前者は「湘南新宿ラインと線路を共有している」という特徴があって、後者は房総各線へと枝分かれしていく「房総特急の幹」としての役割を果たしてきました。それぞれ、P.52「湘南新宿ラインと横須賀線」、P.42「BOSO EXPRESS STORY」という形で深掘りしています。

また、横須賀線・総武快速線の沿線には、かつて東海道と成田街道が通っていて宿場町がありました。P.82からは宿場町から発展した戸塚、保土ヶ谷、市川、船橋の4つの街、そして街道から外れた場所に駅が置かれた大船、それぞれのあゆみを取り上げています。

そして、横須賀線・総武快速線の歴史には軍部の影響があったことも見逃せません。P.106からは、横須賀市内から久里浜と田浦の2か所、そして千葉県側から津田沼、さらに逗子を加えた4か所を訪れてみます。

つづいて、「横須賀線・総武快速線が一つのルートになった1980年の前後に大きな変化を遂げた街」として、P.156から、新川崎、武蔵小杉、両国、錦糸町、稲毛、そして横須賀線と意外な関わりを持つ芝浦の様子を紹介したいと思います。

最後に、まとめとして新小岩と横須賀について触れて、トータルで200ページほど横須賀線と総武快速線、そしてその沿線の話題を様々な角度からお話ししていきたいと思います。

「はじめに」が長くなりましたが、いよいよ本文です。それでは、ごゆっくりとお楽しみください。


「横須賀線・総武線(快速)」もくじ

歴史薫る港町で終わることのない円舞曲を ~横浜駅~ 1
はじめに 2
1.2つの路線の地理とダイヤ 7.線路は軍港・横須賀へ
2.横須賀・総武快速線の車両 8.戦後の混乱から通勤地獄へ
3.三浦半島と房総半島の交流 9.五方面作戦、決行
4.発展する軍港と軍都 10.横須賀・総武 直通開始
5.総武鉄道、開業する 11.拡大するネットワーク
6.総武本線は都心を目指す
横須賀線- 総武快速線 28駅めぐり 東京湾を囲む 28 駅の横顔 26
BOSO EXPRESS STORY 42
「房総特急」ではない特急 「千葉あずさ」と「湘南」 50
湘南新宿ラインと横須賀線 52
横須賀線伝統のグリーン車 その座席の変遷 58
横須賀線を走らなかった幻の横須賀線専用車両 60
全国各地を走った「スカ色」電車のはなし 62
よこすか そうぶ公園さんぽ 64
宿場町から発展した街(と、そうでない街)をめぐる
東海道の宿場町から発展した街 戸塚・保土ケ谷 82
成田街道の関所と宿場町から発展した街 市川・船橋 88
横須賀線によって生まれ、交通の要衝となった街 大船 94
横須賀線・総武快速線とモノレールの不思議な関係のはなし。 98
横須賀名物に関するあれこれ 102
競馬場が2 つ。競馬場跡地が2 つ。やたら競馬場が多い船橋・市川。 104
軍部の影響を受けた街をめぐる
軍港・横須賀の2つの街 久里浜・田浦 106
「津」と「田」と「沼」から出来た街 津田沼 112
横須賀から正負両面の影響を受けた街 逗子 118
北鎌倉 東逗子 東戸塚 西大井 請願駅が出来るまで 122
横須賀線と一眼レフ。何故か縁がある不思議な路線。 132
沿線の駅弁に関するあれこれ 134
汽笛一声、だけじゃない。色々なものが旅立っていった街、新橋。 136
新日本橋・馬喰町駅出口攻略ガイド 138
横須賀線・総武快速線 直通運転ゆかりの地をめぐる
農村から工場地帯、そしてタワマン街へ変貌した街 新川崎・武蔵小杉 156
直通運転開始で主役交代 両国・錦糸町 156
不思議と特徴的なスポットが集まる 芝浦 168
海岸線は遠くなりにけり 稲毛 172
明治時代の論文にも登場した都心直通運転構想 178
ふるさと納税 返礼品あれこれ 180
ひときわ目立つオレンジの船体。南極観測船と横須賀との繋がり。 182
横須賀線と総武快速線の次の時代をさがす
貨物線の動向に注目 新小岩 184
軍港・横須賀のいまを追う 横須賀 190
筆者本人が全力で解説する「あとがき」 198


以上、9回に渡って本誌の導入部分をご紹介いたしました。
明日からは本文からいくつか抜粋で、本誌の見どころをお見せしたいと思います!

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