私のルール、あなたのルール(「吉祥寺ルーザーズ」第2話)*18

ドラマ「吉祥寺ルーザーズ」から、「ことば」というよりかは、考え方について書き留めます。このドラマは、「ルーザー」(負け組)として選ばれた、ワケありの6人が、激安家賃のシェアハウスで共同生活をする話です。
ある時、大庭桜(田中みな実)が安彦聡(増田貴久)にジャムを貸します。聡が一度ジャムをパンに塗った(触れた)スプーンで、もう一度ジャムを取ろうと、瓶に突っ込もうとしたところで桜が話し始めます。

あなたが謝ることはない。
単にこれは私のルール(補足:「ジャムの二度付け禁止のルール」のこと)だから。
ジャムを貸さなければいいだけの話。
私が神経質なんだってことは認める。だから、これは私の、私だけのルール。ほかのみんなが守る必要はない。でも、そういう人がいるんだってことを知っててほしい。
でないと集団生活は必ず破綻する。それぞれにルールがあるのよね。
でも、6人それぞれにルールを主張し始めたら、それはそれで破綻するのよね…。

「吉祥寺ルーザーズ」第2話

私のルールを守ってほしいと思うので、それぞれ個人のルールを、全体で守るルールにしていくと、何をするにもルールがつきまとい、苦しくなってしまう。このような状況になると、ルールを守らなくなり、関係がギスギスしてくる。
これって、シェアハウスでのことだけだと思っていましたが、日常のいろんなところでも見受けられますよね。私は「個性」が一例だと思っています。みんなが自分の「個性」を主張すると、社会や集団生活が成立しなくなる。桜の主張からすると、自分の「個性」を知っている、周囲の人の「個性」を知っている。その上で、全体のことも考えるバランスが必要なんだと…。バランスでは、何の解決方法も示していないように思えますが、「解決」とはいかないまでも、その足掛かりにはなるんじゃないかと思います。

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