連続小説「たぶんいける」:その2

ころしてください

いなくなりたい

ころしてください

はやくきえたい

きえたい

ゆるしてください

きえたい

何度も考えた

ロープがこの手にあって
見るたびに震えてる

怖いけど
あれが一番近い解放

他の手段が見つかりそうにない
その道はあったはずだし
ロープは常に掴んでいた

嬉しかったし 楽しかった

でももう身体が動かない
眠たくて全てがおっくうなの

なんでその力が出ないんだろう
もうつかまなくてもいいなと思っていて

ただ滑り落ちている
ロープと手が擦れてずっといたいから

輪っかを作って
別の世界に、遊びに行くの

そんな世界はないかもしれないけれど
夢を見た方がたのしいし

こうして涙だって流せるのだから


―― 手帳に書かれた言葉 その1


ここにかいたから

もうわたしは
 こころで
このことを思わなくていいから

記憶 から 記録にすれば
脳のメモリを使わなくて良くなるから
そうやって、減らしてみよ?

ねぇ

だからこうやって
書いていくの

小説をね。

たんたか たん と。

ね。

もう 考えなくてもいい。

違うこと 考えてこ。

ね。


そうしてきたでしょ。

良いんだよ。

自分のために、書けばいいんだよ。


ね。


ボクを応援してくれる、だって? ふふっ。酔狂な人だね。 でも、ありがとう。