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サシバ(鷹)のうた

宮古島では、10月ごろ、寒露(カンロ)と呼ばれる季節に、サシバという渡り鳥(ワシタカ科サシバ属)が飛んできます。昔の子どもたちは、サシバを捕まえて遊んだりしていたようです!そして昔は大切なタンパク源だったようで、父が言うには、市場にサシバがずらっと並んで売られていたそうです。

昔はサシバの大群で空が真っ黒になったとも聞きますが、今はたまに見かける程度。絶滅危惧種だとも言われていて、数は少なくなってきているのだそう。

この間、ある録音音源(1983年)で「サシバの歌」を初めて聞きました。旧平良市下里の下地さんの家で録音されたもので、おそらく島尻さんという方が歌っています。この音源をもとに採譜してみました。(歌詞、音楽共に、自分の耳で聴いたものをそのまま譜面にしてます)

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*この歌は、高江洲義寛さんの『沖縄わらべうたの世界』青い海出版社 1979年のp18-20に「うぬ鷹ばが鷹」という見出しで紹介され、楽譜が載っています。歌い手が違うので、旋律に違いがあります。

娘と歌ったりもしてみました。

この歌がどういう意味かというと・・・

どうやらこれは、子どもと鷹が会話している歌みたいです。

子どもが鷹に「家はどこか?」聞いたら、鷹が「多良間の南の大きな木の中に巣があるよ」と答えるという歌です。

『解説付 宮古民謡集 宮古方言(平良)の手引き』平良重信著 の解説は以下の通りです!

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ウーヌターカ(其の鷹)
クヌターカヤー(彼の鷹)
テンゴテンゴ
ウワガヤーヤンザガ(あんたの家は何処ですか)
タラマヌパイカターヌ(多良間の南方の)
ウプギスキ˚ヌナカンドゥ(大きな森林の中に)
ヤーヤツフィ(家を作って)
スサツフィビス˚(巣を作って座っているよ)
ターカヌウイヌウイ(鷹の上の上)
ウヤパニガ(親羽根が)
クツケクツケ(くつけくつけ)

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音源の中で歌っていた方が、「最後の『ウヤバニガクツケ』ってどういう意味なんだろうねぇ」って呟いていました。確かに、この部分が謎です!

この間、『サシバ舞う空』(作 石垣幸代・秋野和子、絵 秋野亥左牟 福音館書店) という絵本にも出会いました。それは、宮古島のサシバと少年の関わりを描いたものなのですが、とても素敵です!!そして、この絵本にも歌詞が少し違いますが、うたが出てきます!

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タカどーい てぃんぐ てぃんぐ
うふわがヤーヤ んざがんざが
多良間ーぬ ぱいぬかーた
やうらぎ すたんぎヨー
まいの まいの
うぬタカ んみごーや ばが むてぃどお
やーにぬさむ さなりーぬさむ

タカだよー
あなたの家は どこ どこなの?
多良間の 南のほう
ヤラブの木の下のほうよ
舞えよ 舞えよ
このタカの群れは 私のものよ
来年も 再来年もよ

『サシバ舞う空』p32
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絵本には、少年と鷹の交流、そして、島の暮らしも描かれていて素敵です。

私の親戚のおじさんは、サシバの季節になると、
「鷹ドーイ デング熱」と叫びながら鷹を飛ばして遊んでいたようです。

ある年齢以上の宮古の人は、心の中にサシバと遊んだ思い出がつまっているのかもしれません!

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