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Taylorの東京ツアーで感じた5つのこと

明けましておめでとうございます。1月の記事を何度も書き直していたら2月になってしまいました。難産が続いているので、ホットな話題を先に公開していきます。昭和のプチおばが平成の巣窟、テイラーの東京公演、初日に行った時の話です。あまりに自分がその場に行くには知識が浅かった、、、というのが正直な感想ですが、私の知ったことや感じたことをテイラートークを交えながら書いていきたいと思います。

Taylor Swift The Eras Tourまでの経緯

本当に海外のアーティストって体力あるなと思います。というかアメリカ人って体力あるんだよな。それはなんとなく私も一緒に学舎を共にしてきた経験から知ってるのだけれど。。。

2023年6月、友人に私はあるLINEを送ったことから全ては始まりました。

「テイラースイフトが日本に来るらしいけど行かない?」

そう言い出しっぺは私。正直知っている曲は数曲、私が社会人手前にデビューした彼女。慣れない社会人生活、アルバイトの学生がテイラーとジャスティンを聴いていた。テイラーとは気が遠くなるほど年齢が離れているわけでもない。それもあってか当時の彼女の音楽はギター片手にカントリーミュージック調で聴きやすかった。今も訳がわらないという感覚はまったくなくて耳障りの良い、自分の恋愛観を歌う姿が印象的だ。もしかしたら今のティーンはもっと違う歌手を好むのかもしれないけれど、アメリカは音楽は良い悪いで判断する国。日本みたいに古い新しいで差別的に曲の良い悪いを判断しないので幅広いファンに指示されているのは間違いなさそう。

それでは感じた5つのことをざっくり話していくよ

#1 海外アーティストの公演は高い

少し躊躇する値段ではある

来日する海外アーティストの公演費は高い

「え、2万円?高くない?」

学生の頃、どれだけ好きなアーティストが来日公演しても行けなかったわ。社会人一年目も口座に5000円とかの生活をしていたので(どんな生活なの?)泣く泣く諦めていた私。物価も高騰しているなか、昨年は妹と急遽なくなったジャスティンビーバーのドームコンサートに行くため払ったチケットもそこそこ高かったと記憶している、、、ということで相場が知りたいので最近来日公演したアーティストの価格設定を見てみた。

Ed Sheeran (公演時間2時間)@東京ドーム、京セラ
SS席 38,000円 / S席 19,800円 / A席 16,800円 / U-20席 13,800円
Queen (公演時間2時間)@東京ドーム、京セラ、名古屋、札幌
GOLD席 48,000円 / SS席25,000円 / S席17,000円 /A席 12,000円
Bruno Mars(公演時間1時間50分)@東京ドーム
VIP SS席 128,000円 / VIP S席38,800円 / VIP バルコニー席29,800円
SS指定席 18,800円 / S指定席 14,800円 / A指定席 & 正面見切れ席 11,800円 / B指定席 & サイド見切れ席 9,800円

こうみるとエドシーランはフレンドリー価格!公演時間も2時間くらいは日本のアーティストの平均時間。Bruno Marsはテイラーと一緒のドームツアーだったので価格帯もとても広い。多分VIPしかアリーナじゃなかったのかなと推測しています。さてここでテイラーはどうかというと。

Taylor Switft(公演時間3時30分)@東京ドーム
VIP1 122,800円 / VIP2 72,800円 / VIP3 52,800円
SS席 30,000円 / S席 22,800円 / A席 18,800円 / ステージサイド席(注釈指定席)14,800円 / U-20席 8,800円
MASU席 50,000円(最低4枚) / THE 3rd PLATINUM BOX席 40,000円(最低4枚)

高いんだけど安くないかい?

むしろこれ見ているとテイラーの人の良さすら感じるんだけれど、気のせい?公演時間が3時間30分というご本人に酷だとも思える長丁場。これは普通のアーティストより1時間も多く、トータル45曲。もう達人としか言えない、34歳ですよ?!アスリート。。。これを4日間もやるって本当ですか??我らはS席にしましたが、S席の幅の広いこと。賃金が安い日本国民は2万も払ったのに!と怒っている人もいましたが、3時間半公演、45曲と考えれば泣く子も黙るわ。私たちは2階席の本当に後ろの後ろでモニターの中心が機材でブロックされており愕然としたものの、肉眼で一応テイラが確認できたよ。

#2 セキュリティー問題が昔より深刻?

一昔前の海外アーティスト公演の話をすると、彼らは来日するとVIPチケット(大体10万くらい)を対象に、パーティーをしたり会えたりしていたと記憶してるんだけど、最近はそういうファンと近く触れ合うみたいなのは安全上?ないのかも。その代わりサプライズでクラブに現れたりギリギリでインフォームしたりするタイプのアフターパーティーをやる人もいるみたい。

確かに今回のテイラーの公演も、国際線並みの厳しい手荷物規定に戸惑って、海外アーティストはやはり液体爆弾を気にしているのかな。特にテイラーの場合は液体自体がNGで飲料水(紙、缶、ペットボトル)は全てダメで、空のペットボトルすら持って入ることは許されないという初日は徹底ぶりだったよ。※これはあまりにもひどいとなって3日目くらいからはペットボトル可になったという情報もある、イベンターの完全ミスだなと思う、、、

そもそもテイラーは自分の意見をはっきり言うタイプの人、2020年のストーカー被害をはじめ、今もプライベートジェットのハッキング公開の被害を訴えて戦っている。次回の米国大統領選挙で大きな政治影響力のあるセレブリティーでもあり、Political Forceとも呼ばれていて、彼女はそういった意味でもテクノロジー発展の副産物であるテロリズムやハックなどに対し、身の安全を確保することが求められているのだ。テイラーは反トランプで知られていてニュースでも彼女の発言は注目されているよ。

何はともあれ、好きなアーティストの歌が純粋に聴きたいファンと、自分の本業である歌手の醍醐味と言えるテイラー。ただ普通にツアーをしたいはずが年々セキュリティーという側面で自由が効かなくなっているのだなと感じた出来事。

#3 日本公演はアジア公演だと思った方が良き

日本に来たんだから日本のルールに従ってほしい!

When you in Rome, do as a Romans do. でもお馴染みの郷に入れば郷に従え。日本人控えめに言ってこの言葉大好き!何か海外の人が、日本で日本人が好まない行動をするとすぐこれを引き合いに出して大騒ぎするんだけれど、個人的には旅行で来ている人は基本的に郷なんてものはわからないのではないかと思うんですがどうでしょう?ちなみにこのローマの下りは、ローマに住むのならということを前提としているらしい。

旅行者はテイラーを見に来ているだけ

実際我々日本人も、海外旅行に行く時に文化や歴史まで学んで行く人はごく少数派で、ハワイに行くけど昔ハワイで何があったか、パールハーバーって聞いたことある!真珠湾攻撃って何?くらいの若者って少なくないと思うのよね。実際東京ドーム公演をする海外アーティストって多くて、そのアーティスト自体も「施設面(音響など)の良さ」「安全性」「衛生面」「気質」と格安なレンタルフィーを考えてアジア公演に良いと考えているよう。はじかれてしまった他のアジア諸国のファンが仕方なく日本の公演を選んでいる現状があるっぽい。実際にテイラーの場合はお母さまが東京ドームの音響を大絶賛していて、今回もテイラーパパが会場に来てファンサをしていたという情報が。音響設備はやはりパフォーマーにしてみたらとても大事よね。

実際テイラーも冒頭挨拶で

「今日は遠くから来てくれた人もいるよね!」と発言。もちろんテイラーだってわかっているはずだ。テイラーは前回のアジアツアーの際に色々思うこと(ここでは省略だけど社会的に問題になる発言をTVショーで彼女はこの件でしてしまっているので気になる人は調べてみてね)があったようで、今回の開催地はアジアの地区に限っては東京の4日間とシンガポールの3日+3日の追加公演のみ。要するに、アジア界隈の住民で自身のツアーに参加したい人は東京公演かシンガポール公演を選んでねというのだ。こうなると円安も後押ししてアジア中から東京公演に集まることは不思議ではないし、それが彼女やテイラーチームの意図でもある。ちなみに先着順でチケットは買えてリセールも普通にされているシンガポールでは、日本で12万円の場所が100万円するし、本当に後ろのほうの席すら8万前後で取引されている。そもそもの話、抽選販売というシステム自体が日本だけで、申し込み期間に余裕があり、海外の人も時差などを気にせずに申し込みができるフェアっぷり。海外から人が押し寄せないわけがない。それに日本のVIP席は海外の人から見たら破格で、誰でも買えてしまうような値段なのだ。なんだと思う。12万円も出したのに!と憤りを隠せない日本人を横目に日本特有のマナーを知る由もない(興味もない)テイラーファンは自国のスタイルで大好きなテイラーを応援するわけだ。これはテイラーに限ったことではないのだろうけれど、特にテイラーが大好きな年代の方々は社会人が多く、熱狂的で年齢的にもまだまだ大暴れできる体力がある。世界中からこういったお嬢さんたちが集結すれば、一時的に来ている日本のマナー云々への協力をテイラーが壇上で呼びかけてくれでもしない限り収集しないでしょう(多分テイラー陣営も日本のマナーが良いのは分かっていても、それを人に強制するほどプライオリティを置いていないはずなんだよな)。

南米や欧米諸国のファンはもっともっと熱狂的

なので当然、彼らのやり方でテイラーを迎え入れる。踊り狂い、歌い狂い、携帯のライトをバンバンに照らし、そして後ろの人のことなど構わない。そう言った側面からすれば、日本という国はとてもManneredされた、躾された国であり、世界から見れば静かでテイラーをウェルカムしていないの?ということになるようだ。スペインやブラジルのSwiftie(テイラーを推すガールズ、ボーイズの総称)からは不思議がられているようで、これもまた価値観の差で熱量こそ正義、自分の愛を推しに伝えるこそ至高。みたいな人種からすれば日本はちょっとしらけてしまうのかも?
私が参加した日もちょっとNard(ごめん)なSwiftieがいて、でもオープニングから全てのお作法を周りを気にせず100%で発揮。見ていてとても気持ちが良かったし、途中まで話していた内気そうな日本語が皆無のフィリピーナのおぼっちゃまもこれだけのためにフィリピンから乗り込んできて日本に1月の終わりからいるらしい。あと数公演参加したら一度フィリピンに戻り、今度は3月のシンガポール公演に向かうんだとか。完全にSwiftieだ!と言ったらはに噛むようにしてFrienship Brecretとかは恥ずかしくて持っていないんだけれどねと言っていた。要するに日本公演はもうアジア公演であり、日本のイベント運営会社は世界公演の中のアジア公演だと思ってセキュリティーや人を雇った方が良さそうなのだ。アルバイトでなんとなく日本人を相手にするというのは、もう一部日本のアーティストでもだいぶ難しくなっている。最近でいえばYOASOBIはもう日本のアーティストではなく、世界のアーティストなのでアジアから集客するだろうし、2024年は来る我が宇多田ヒカルも日本公演を発表している。こういった熱狂的な海外ファンが日本にこれからも押し寄せてくるんだよね。

#4 Swiftieという存在と影響力

謎な文化を学ぶ昭和女子の顔、もはや新世界

今回の東京公演、正直私は舐めていた

誰しもが知るTaylor Swiftが東京に4年ぶりに来るし楽しそうだから行ってみようよと友人を誘った。でも蓋を開けてみればグラミー賞を取るくらいの大物シンガーソングライターが今の若い世代に与える影響はとても大きく、私の若い時みたいに海外公演をただ指を加えて見ているような熱烈なファンはもういない。今の時代、格安飛行機で世界と世界は格段に近くなった。だからこそティーンでも簡単に国際線に乗って日本にやって来れる。新宿のグランドハイアット近辺に宿を取って東京ドームに向かうアメリカンキッズはとてもワクワクしていた。日本語などわからない、けれどもテイラーに会える!という興奮が、車内にいる日本のファンの子に話しかけて動画を撮ったりお互いのブレスレットを交換したりと楽しそうだ。ブレスレットを作って交換する文化は世界共通で、今回は恵比寿のウェスティンホテルでそういうブースが専用にできているらしい。5つ星ホテルのウエスティンもテイラーにブースを貸し出す世界だ。会場に行くまでもキラキラのスパンコールのついたテイラーのアイコニックなドレスにメイク、ウエスタンハットを被ってファン同士が作った文化を楽しんでいる。SNSでばかり人と交わる時代が今の若者だとするなら、Swifties達は自分たちの推しを全力で同志とともに世界を跨いで応援し合う。チャンツをテイラーと決めて、歌う場所と掛け合いの言葉を作って全世界が共通でそれをやる。どの国の公演が一番テイラーとの掛け合いの記録を伸ばせたかをSNSで報告し合う。お互いが応援しあっているという、私の時代のアイドルオタクのワールドワイドバージョンで人と人がSNSではなく繋がる素敵な文化を見てほっこりしてしまった。

彼らの愛は本当に強い

それはテイラーをアーティストとして応援するだけではないようだ。実際、テイラーの政治に関しての意識に共鳴したりすることで先にも言ったとおり社会が彼女の発言を注目している。そういう悪い注目や悪意から彼女の安全を守ろうとテイラーの滞在するホテルなどのプライベート情報がSNS上に流れることを本気で警戒する。大好きなTAYが大変な思いをしないためにと悪用されそうなハッシュタグを多用して情報が混乱するように全力で彼女を守ったりする。このように彼女が世界にもたらす経済効果と影響力は、本当にすごいものなのかもしれない。実際、彼女が渡り歩く先に大きな経済効果が生まれ、そして今回も渋谷の街がテイラーで染まり、日本大使館がテイラーが日本公演を終わったあと、無事にアメリカのアメリカンフットボールの祭典であるスーパーボウルに到着することができることを公式で表明する書面を出して話題となったのが新しい。しかしこれ、彼女がアメフト選手の彼氏の試合に間に合うのかという完全にプライベートな話で、ハーフタイムショーに出演するのはUSHERという他のアーティストなんだよね。そのプライベートな話題に日本大使館が対応するのだから、やはりTAYってすごい人なんだと思う。。。

#5 東京公演の経済効果は341億円

これは経済効果の専門サイト、一般社団法人OASIS JAPANが行ったリサーチ結果で2024年1月31日にリリースされた情報である。

来場者が東京都での宿泊、交通、飲食、買い物、そして警備等で生み出すとされる経済効果は243億7000万。観客一人当たり15万ほどの経済波及効果があると計算されるようだ。確かに遠方から来る人たちはホテルなどがかなり高くなっている印象で、私も東京ドーム界隈のホテルをリサーチしたことがあったが、普段は一泊7千円ほどのホテルも3万円ほどに跳ね上がっていて手を出さずに静かに帰宅した。海外勢が来るということはそれだけお金のレンジが上昇するということ、日本人ファンには厳しい結果になるものの、東京都と他の観光で売上が見込めるということであれば、TAYがもたらした経済効果は大きい。こう考えるとアジア公演の窓口に日本が選ばれていることはとても喜ばしいことで、日本に外人は来ないで、治安が悪すぎるみたいなのをいかに運営側がマネージできる環境を整えて経済効果をもたらすかって今の日本には結構重要案件だったりするのでは?と思う。

アジアの窓口に東京公演を持ってきているアーティスト

私のつなたないリサーチ力で申し訳ないのだけれど、ワールドツアーをするアーティストによるアジア公演=東京公演が必ず入っているのはもう鉄板のようだ。ここに新日アーティストだと大阪や名古屋、福岡、札幌などが入るがこれは新日で来日になれているアーティストであるエドシーランや、Queenも相当な新日家など。東京とセットでシンガポール。これは衛生レベルが非常に高く、アジアの経済特区で多くの欧米企業が入っていることも挙げられる。国が淡路島程度しかなく法律も厳しい、全員が英語を話し、パスポートの安全性も日本の肩を並べる国だ。もちろんアーティストは(観光地としては絶望的に逃げ場がないけれど)安心して滞在できる。次点でタイのバンコクが入る。ここも宗教的には仏教で過激な思想がなく、表現の自由が確保される国だ。そしてイスラム教徒ライト勢のインドネシアのマニラもブルーノマーズが追加公演をすることを発表している。エドやCOLD PLAYはマレーシアのクアラルンプール公演をしていたけれど、ここはイスラム教が少し強めなので同性愛などの表現がNGなこともあり、LGBT系のことを重視するアーティストは外したり、揉めたりしている。こうやってみると残念ながら多くのアーティストが中国と韓国を会場から外している。これもまた近隣国から東京に人が集まりやすい理由なのかも?

昭和女がTAY文化から得た学び

世界の推しレベルは国、人種、宗教を超える

テイラーは今年34歳だという。3時間半のライブを全力で4日間、その後に彼氏のスーパーボウルを見るためにプライベートに飛び乗り、1日明けてアメリカの大イベントに参加する。世界で一番二酸化炭素を排出する女と言われるテイラーことTAYが作り出す「輪」がもし世界の若者から争いや憎しみを取り除く一助になるのなら、アーティストを超えて人として彼女は相当アイコニックな存在だと思う。今世界は憎しみを抱えて生きる人が多い、戦争とか宗教観の誤解とか、それこそSNSが作り出す偏見商法とか、そういった本来の人がどういうものが好きでとかではない部分で区別を意図的に社会にさせられているんだよね。それこそ政治とかに利用される人はとても多いと思う。政治は私には正直よくわからない、政治家が織りなす色んな人綺麗事は本当に綺麗か、彼らは何を裏で企んでいて、本当に私たちが投じる判断基準となった情報は合っているのかもわからない。これから迎えるアメリカの大統領選挙、我々のお爺さんになってもおかしくないような年齢の人たちが、この目まぐるしく変わりゆくIT、AIの社会を引率するアイコンになろうとしている。そこに新しい世代が作り出す人としての権利、趣向の自由を主張するTAYと、そのTAYに賛同する20代のSwiftieたち。こういったアーティストが政治や宗教に声をあげられるような世の中に日本もなったら良いなと思うのだけれど、やはりステークホルダーと呼ばれる利害関係にみんな口を慎まなければならないクローズドなアジア文化はなかなか難しいところだろう。
TAYも人だから、絶対に合っているわけでもないのだろうけれど、少なくとも昭和のプチおばの私よりも多くの人に会って、色んな辛酸を舐めて、世界を見て感じて、ペンシルバニアで育った時のTAYよりも、もっともっと刺激を新しく受けているのでは?と思うのだ。
彼女みたいなアイコニックな人たちがもっと声をあげて、世界で起こる色々な理不尽を、国、宗教、教育、性差、趣向などを超えてトーンアップしてくれたらいいなと感じた東京公演でした。


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