【エッセイ】思春期のひとカケラ
今日は、アニメ「カレイドスター」の主人公である苗木野そらの誕生日だそうだ。
この名前を見つけたとき、懐かしさと同時に、宝物を見つけたようなうれしさを感じた。
というのも、このアニメは、中学生の頃の私が強く「推していた」アニメだったからだ。
「カレイドスター」は、2003年に放送されたアニメで、サーカスとミュージカルとマジックショーを合わせたような「カレイドステージ」というショーの世界が舞台だ。
その実力主義の世界で、主人公のそらがさまざまな苦難を乗り越え、「スター」になる様が描かれている。
きらびやかなステージとそこで華々しく技を披露するキャラクターたちに、私の心は躍ったし、その舞台に立つために、キャラクターたちが切磋琢磨し、葛藤し、弛まぬ努力を続けていることに心が震えた。
今思うと、主人公のそらの明るさや前向きさ、ひたむきさへの共感もあったと思う。
当時の私は、いわゆる優等生というやつで、「明るく前向きな頑張り屋」であろうと必死だったように思う。
そんな自分とそらとを重ね、そらの前向きな思考を参考に、現実の理不尽を受け入れていたのではないだろうか……と思うのである。
なぜこんなに推測に満ちているのかというと、中学時代の記憶があまりないからだ。
どうやらつらいことが多かったらしく、中学時代の学校での思い出がほとんど残っていない。
それでも、当時好きだったものや打ち込んでいたこと、友人と遊んだ思い出は残っているから、それなりに充実はしていたと思う。
そんな思春期の私を鼓舞してくれた作品が「カレイドスター」だったというわけだ。
今回、この記事を書くにあたって調べたところ、「カレイドスター」の原案・監督は佐藤順一さんという方で、「美少女戦士セーラームーン」や「おジャ魔女どれみ」のシリーズディレクターを務めた方だった。
どちらも、私の心を鷲掴みにした作品だ。私の心境云々は関係なく、ハマったのは必然だった気もしてきた。
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