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さくらんぼの季節は懐古の季節

1番好きなくだものはなんですか? と訊かれたら、さくらんぼ、と答えるかもしれないな……とふと思った。


きっかけは、ネットでたまたま見つけた商品情報。

カフェコムサが5月22〜23日限定でさくらんぼのショートケーキを販売するという内容だ。

さくらんぼがふんだんに使われたこのケーキ。写真を眺めているだけでもテンションが上がってくる。

残念ながら、近くにカフェコムサがないので食べることはできそうにないが、このケーキをきっかけに、さくらんぼへの情熱と思い出が蘇ってきた。



旬の短いさくらんぼは、くだものの中でもレアキャラだと思う。

地域のスーパーに並ぶことは稀だし、私自身ここ数年近くのスーパーでお目にかかったことはない(……はず。近年くだもののアレルギーを発症していて、くだものコーナーを積極的に覗いていなかったので、見落としていた可能性は捨てきれない)。

幼い頃、店頭にダークチェリーが並んでいたりすると、母の袖を引っ張って、「買って買って!」とねだっていた。

アメリカに行く機会があり、日本のスーパーでいつでもリンゴが買えるように、むこうではいつでもダークチェリーが買えると知って、それだけでアメリカに住みたくなった。

好きなサーティーワンのフレーバーはバーガンディチェリーだし、幼き日の遠足のオトモはさくらんぼ餅だった。

母の話では、チェリーのシロップ漬けを買ってくれとねだり、何にのせるでもなく直接食べていた時期もあったらしい。

つい最近も、「ケーキハウス ツマガリ」でチェリーパイを見つけ、ホールの3分の2は1人で食べた。

ツマガリのチェリーパイ。フィリングがぎっしり。



こうやって思い出してみると、なかなかのさくらんぼ好きである。


このさくらんぼ好きは、おそらく味だけが理由ではない。

実は、私が生まれたときに植えられた記念樹がサクランボだったのだ。

私と一緒に大きくなった木は、私が物心ついた頃には赤い実をつけるようになっていて、毎年初夏になると庭で「さくらんぼ狩り」を楽しんでいた。

私にとって、1番関係の深いくだものがさくらんぼだったのだ。


残念ながら、私と同じ年だった木は、10年ほど前に病気で枯れてしまったけれど、毎年この時期になると、口の中に広がる甘酸っぱさを思い出す。

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