Cinema 4D S26新機能: クロス・ロープシミュレーション
クロスとスプラインダイナミクスのソルバーが一新され、より自然な結果を高速にシミュレーションできるようになりました。
ロープシミュレーション
スプラインダイナミクスが、ロープシミュレーションになりました。解析方法の変更により、正確で高速に計算が行えます。さらに、スプラインをクローナーで複製したものをそのまま計算することができるので、微調整も簡単です。
コネクタ機能を使うことで蜘蛛の巣や網のようにスプライン同士を接続してシミュレーションも可能です。
破綻の少ないクロスに
クロスシミュレーションも、非常に破綻の少ないシミュレーションが行えます。計算も早いので、パラメータを追い込むことができます。パラメータの曲がりやすさや質量を調整することで、布の薄手や厚手の調整もできます。
パラメータを変えて、右に行くほど厚手の布でシワが出にくく、スカートが動きが抑えらえています。また、右に行くほどシミュレーションのダンピングの値を上げて、揺れが速く収まるようにもしています。
計算は、CPUとGPUを選ぶことができ、ハードウェアスペックに合わせて高速化できます。シミュレーションは、シーン全体を同じ設定で行うだけでなく、オブジェクトに合わせてサブステップ数やフォースを変えることができます。このシミュレーションは、シーン全体に設定するだけでなく、オブジェクトごとに指定も可能なので、一部のオブジェクトだけサブステップの値を上げるといったこともできます。
シミュレーションを破綻させないコツ
シミュレーションの破綻はかなりしにくいですが、クロスが衝突オブジェクトによってめり込むようなケースは当然破綻します。たとえば、下の画像はキャラクターのアニメーションで指が太ももに食い込んでしまっているため、スカートが太ももにめり込んでいます。こうなった場合、スカートはめり込んだままになります。
しかし、アニメーションレイヤーやデフォーマ、ポーズモーフを使って現実と同じように指と足が交差しないようにすると破綻なく計算が行われます。
特にキャラクターアニメーションの場合、脇やひじ、膝などめり込みしやすいところは注意が必要です。
クロスとロープの組み合わせ
クロスとロープの組み合わせも可能ですので、バナーをひもで固定するようなシーンも作成できます。
クロスの破断
クロスの破断も可能です。頂点ウェイトで破断しやすい場所を指定することもできます。
クローナーで複製したものに対してもクロスが適用できます。
塑性変形のパラメータもあり、紙や金属のように一度変形したら、変形状態を残すことができます。シワ表現や金属のへこみなどに使えます。
バルーンパラメータを使うと閉じたオブジェクトを膨らませたり、しぼませたりできるので、ソフトボディの計算にも使えます。
このように新しいクロスシミュレーションは、直感的でありながら高速できれいな結果を得られるツールに生まれ変わりました。