会話の書き方

相互性

 ここの部分は大事だ。例えば文を書くときにこの読者の行動、登場人物の行動を読み取れていなければ不自然な文章になる。

女は言った。
「タバコが美味しい。このタバコを辞めるときには人生もやめてるでしょうね」
 男は言った。
「どうしてそこまで煙草を吸う。それは身を亡ぼすジャンキーな品物だ。」


このように。
ここは、ちゃんと相互的にどのような行動をとっているかを書くべきだ。

 煙草をマルボローの箱から鋭い手つきで取り出す。そして、その煙草を唇に付けるとそのままジッポーを取り出し、蓋を開ると、火をつけた。女はベランダから外を見ながらタバコを吸った。そして、ため息交じりに深く息を吐いた。女はタバコの煙を吐いてる途中、口をあけながら僕に対してこう言った。
「このタバコが美味しい。このタバコを辞めるときには、もう既に人生もやめているでしょうね。」
 ため息交じりの言葉、その言葉は悲しげには聞こえなかった。むしろタバコが自分の人生ということをい意味しているようだった。
 自分は彼女の顔を覗き込みながら、ベランダに腕を乗っけ、足を地面でクロスさせながら言う。
「どうしてそこまで煙草を吸う。それは身を亡ぼすジャンキーな品物だ。」

文章を書くときは、できる限り情景表現も交えながら、お互いに会話をしていることを伝えないといけない。
わかりやすく解説すると、例えば「りんごを食べる」という動作は、りんごを食べるという行動もあるが、それ以外にも動く部位がある。
例えばリンゴを食べるときには腕を動かす必要があるし、口を動かす必要もある。もちろん相手も動く。相手がこちらのリンゴを羨ましがっていることもあるだろう。世界も、もちろん動くため世界の情報を書かないといけない

彼女はリンゴを食べている

という簡単な文が、

彼女は腕を動かし、リンゴを口の元へと持っていく。
彼女が大きく口を開けてそれを食べると、男は彼女のリンゴを羨ましそうに見ている。彼女はそれを気にせず、むしゃむしゃと口を動かした。

このようにわかりやすい説明になった。

一人称と三人称


例えば、

「僕はパソコンに向かいながらパソコンをカタカタと動かし、ゲームをプレイしている。」

と、

「僕は指をカタカタと動かして、じっとパソコンを見ている。」

の場合、後者の方が感情移入しやすい文章になっているだろう。
前者と後者に違いは、前者が「情景表現」、後者は「自分の動きの説明」となっている。これは大きな違いだ。
「子供が泣いている。」と、「僕はシクシクと泣いている。」、
では明らかに違うが、わかりずらい違いのため見過ごされたりもする。


発言では書き言葉を書いてはいけない

例えば、

私は言った。
「焼きそばパンを買うと良いでしょう。何故ならば、私は焼きそばパンを食べたいという気持ちが大きいからです。」

私は言った。
「ああ、焼きそばパンが買いたいな。ちょうど焼きそばパンが食べたかったんだよ。」

この二つですが、明らかに後者の方が発言には適している。
実はですね、聖書は前者なんですよ。聖書には口語訳というのがちゃんとあり、そうでないものはおおよそ、書き言葉で書かれている。
一般的には話し言葉で書く。

では、これらを使ってアニメの一部でもいいから、書いてみよう。
「ハッピーシュガーライフ、1st Life 砂糖少女は愛を食む」の、最初の方を書いてみましょう。

下方を見つめ、屋上から地面までのその高さと赤い炎を見つめながらその顛末を悟ったように彼女は言った。
「私は知らなかった。温もりとはどんな感じがするのか、優しさとはどういうものなのか、慈しみとは何なのか。そしてなにより、愛というものが私には理解できなかった。」
さとうはしおの方に目をやり、しおはさとうの方に目をやり、お互いに頷き覚悟を決める。
二人は抱きしめ合いながら屋上を飛び降りる。
そして彼女はしおを見つめながら最高の笑顔でしおを抱きしめる。
しおもそれに答えさとうを抱きしめる。
そして彼女は二人を抱きしめ合いながら言った。
「これは私たちの愛の物語だ。」


どういった会話を書くか。

Aさん:今日、何をしたか覚えていますか?
Bさん:え、えぇ…(困惑)。まあ、あんま覚えてないですけど、
Bさん:まあ、えぇ…そうですね。『エロゲー』を買いに行ったくらいですかね。
Aさん:エロゲー?(笑)
Bさん:いや。まぁ~…そうっすねぇ…(笑)

このような書き方。
対談形式とか、Q&A形式とか呼びます。
このような書き方ももちろんあります。
様々な書き方ごとに良い部分と悪い部分があります。
実際に会話文を書きたい場合は、用途に合わせて使い分けましょう。

美紀
「はい、ちゃんと勉強しておきますね。」
美紀はちゃんとした子のようだ。
昔からこの学校には、厄介な子供が多いが、この子はまだマシなようだ。
美紀
「先生?」
主人公
「ああ、すまない。」
美紀
「そういえば先生、夏休みの間に近くで花火大会があるのしってます?」
主人公
「いや、知りませんでした。みんなで行くのですか?」
美紀
「友達と行くんだからせっかくなら先生も来ないかなって?」

これはエロゲーの書き方。
ト書きのように書きます。

このように会話文の書き方はいろいろありますので使い分けましょう。


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