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古い随筆の楽しみ方

図書館で借りる本の中に古い随筆を一冊は入れることにした
 今回は『吉村昭』さんの随筆『私の流儀』
25年前に書かれているので、その頃のものの見方・考え方、世相がわかって今と比べてみたりしておもしろい
 例えば
『私の流儀』の中の「鳥肌」というエッセイがあり
「本来は激しい恐怖を表現する『鳥肌が立つ』を芸能人が興奮したという意味でしばしば使っているが、そのうちにそれが日常語として使われるようになると、それこそ鳥肌が立つ思いだ」と書かれている。
 北海道大学大学院文学研究科の『新聞記事データベースを利用した「鳥肌が立つ」の使用実態調査』という論文を見つけた
 これによると、2001年の文化庁「平成13年度『国語に関する世論調査』の結果について」によると若い人ほど感動の意味でも使う割合が高いという結果が出ている
 また、国語辞典の中にも1996年以降の岩波国語辞典など一部の辞典にも興奮としても表記されているそうで
1800年代の古い辞典では『寒さ』、1900年代に『恐怖』が加わり、そしてほぼ2000年代に『興奮』が加わったということになるのでしょうね

 また、本の中に出てくるお店の名前を検索して今も健在で繁盛してるのか、リニューアルしてるのか、閉店してるのか、全く検索に現れてこないなどもあり、それもまた古い随筆を読む楽しみになっている

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