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些細なことを、迎えにいく。

決して怠けるということではなくて、自分へのハードルを下げるっていうのは、こころ穏やかに気持ちよく生きるためにはときに有効な手段だと思っている。

ぼくもどちらかというとそうだけれど、完璧主義の人間であればなおさら。
あれも頑張る、これもやっておこう。
そうやって自分にどんどん課題を出して、どんなに全力でジャンプしても跳び越えることのできないような高い高いハードルを、無意識のうちにつくってしまうんだ。
そうすると、どうなるか。
自分で課したことができないなんて、そんなのおかしい。
受け入れられない。
だから、ヘコむ、落ちる。
そんなときに周りを見れば、努力が実って結果を出している人、輝いている人、見たくもないのにそんなキラキラしたものばかり飛び込んできて、どんどん自信を失っていく。
自分なんて、価値がないのかもしれない。
他人の視線が怖い。
嫌なことがあってもはね返せない。
そんなふうに、気持ちがいっこうに上向かない負のループに陥ってしまう。

こんなふうに書いているくらいだから、そんなループに陥ったときには何かバシッと上手い気持ちの切り替え方みたいなものがあるんだろうな、と期待したみんな、ごめんなさい。
ぼくも大したことはできないし、自力では這い上がるのはむずかしくて、たくさん引きずってしまう。
でもね、有効なのは、そんなときこそ自分へのハードルを思い切り下げてあげること。
何なら跨いだっていいくらいの低い低いハードルを、レーンに沿って並べてあげる。
みんな自分には期待したいから、ついついそれを含めたハードルを課してしまう。
期待値って侮れなくて、自分への刺激になることもあれば、その設定を間違えれば逆に大きなプレッシャーになって自分をつぶしにかかってくることさえある。
目標を下げるのって、つらいよね。
でも、ハードルをたくさん跳び越えた!ってあとで思うために、そこは一旦我慢して。

朝ちゃんと起きました。
面倒な掃除をしました。
人に親切にできました。
笑顔で話ができました。
ごはんがおいしかった!

そう、これでいいんです。
もうハードルを5つも跳び越えた。
そう思えばいいんです。
それだけで幸せ。
頑張った、えらいって、自分を褒めてあげること。
それが大事なんです。

何が言いたいかっていうと、落ちたところから気持ちが上がるとき、そのきっかけってほんの些細なことだったりする。
だから、そんな些細なことをこっちから迎えにいく。
ハードルを下げることで、自分が元気になれる「ふとしたこと」に出会える機会を増やすんだ。

もちろんいつもそれじゃあちょっと甘いかもしれない。
ハードルを下げて元気になったら、あれもできるかな、これもできるかもしれない、そうしてまたすこし、上げていけばいい。

で、大事なのは。
そんな「ふとしたこと」はだいたいの場合、みんながうれしいことだ。

ふとしたことで元気をもらったこと。
たとえば、
ありがとうと言ってもらえた。
道を譲ってもらった。
接客が素敵だった。
笑顔で話しかけてもらった。

ねぇ、とってもうれしかった。
元気をもらった。
じゃあどうしよう。
同じように、人に分けてあげるんだよ。

うれしいことは、たくさん返そう。
そうやって、笑顔の循環をつくろう。
それって目には見えないから、不確かで曖昧なことのように思えるかもしれない。
でもそんなことない。
がんばってつくったものは、そう簡単に壊れることはないから。
そんなふうに、自分できっかけを求めていこう。
そこにいて、笑顔になれる場所を確保しておこう。
ときに自分のハードルを下げること。
それはこうして、人の笑顔をつくることにもつながっていくはずだから。

高すぎるハードルを前にピリピリしていたら、落ち込んでいたら、きっと周りも穏やかではいられない。
だから。
ときには、ハードルは跨ぐものって思っていい。
助走もいらない。
懸命に両手を振らなくてもいい。
それくらいの気持ちでいても、きっとバチなんかあたらないよ。

些細なことを、迎えにいく。

笑顔のコツ、ひとつ書いておきます。





おわりに
ハードルって聞くと、『魁‼男塾』の「刃怒流(ハードル)」を思い出します。
鋭利な刃のハードルが100m10秒台の速さのルームランナー(?)で流れてくるのですが、あのころ(30年以上前)はハードルを漢字でほんとうに刃怒流って書くんだと信じていた自分がいました。
李箸振(り・ばしぶる)っていう人が「リバーシブル」の語源だとか、邊真愚(へん・しんぐ)っていう人が「フェンシング」だとか。
民明書房には散々やられました。

おっと。
こんな話をしたいんじゃなかった。
ハードルを下げること。
ぼくも気持ちのコントロールがヘタなので、ときに何をしてもエラいと思うようにしたり、逆に厳しくしたり、自分のご機嫌をとるのにいまだに四苦八苦することがたくさんあります。
甘やかすのは違うかもしれないけれど、自分の気持ちが「アガる」手段、ひとつ持っておくとだいぶ楽になれるんじゃないか。
そんなことを思っています。
この時期、一年を振り返って反省したり、充実していたとうれしくなったり、人により思うことは違いますが、年末や年度末は落ち込むことも増える時期です。
でも、必要以上に自分を責めないで。
難しいときこそ、元気のきっかけ、些細なことを迎えにいく。
そんなふうに過ごしていけたらいいんじゃないかな。

本日もさいごまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
今年もあと2週間、元気に駆け抜けましょう!

それでは、また。





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