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自分への戒めの話。もしくは、ぶっちゃけたいと切望する話。

「立場があると、何にも言えねぇんだよ」
昔上司に言われた言葉。

どんなに無駄だと思うことがあっても、それを指摘しない。
どんなにおかしいと思うことがあっても、それに異論をはさまない。
それは、社会で必要なスキル。
どんなにカッコ悪かろうとみじめだろうと、それは圧倒的に必要。
きっと誰にも一度は大いなる理不尽の前に心が折れかけた経験があると思う。
社会が円滑に回るように、われわれ社会人はその所属する組織の従順な一員となり歯車となり、決して打たれる杭にはならず、平和な世の中を構成するべく存在するんだ。


...


...なんて言ってられるかー!!
ぼくは言いたい。
思っていることを腹の底から言いたい。
無駄なことを無駄だと、
おかしいことをおかしいと。
そして何より、正しいことを正しいと。
そんな当たり前のことを、大きな声で言いたい。
見えている世界は広くないかもしれない。
思いをのせる言葉も拙いかもしれない。
でも足りなかろうと不器用だろうと思うことを言わなかったらそこにいるのは誰でもいい。
自分がいる意味なんて何もないじゃないか。

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おもに仕事での話だけど、モラルとか正義感とか、ついそういう大義名分を振りかざしてものごとを言いすぎてしまって何度か失敗している自分がいる。
それはたしかに正論だけど、その立場でそれを言ったらおしまいだよ?っていうことでもお構いなし。冷静に一歩一歩、相手を崖っぷちに追いこむような。
そうして、白黒つけたいわけじゃないのに強く出すぎて後悔したら(もしくは干されたら)、つぎは組織のいちパーツとなって、粛々と日々の仕事をこなす。
そんな日々は当然ストレスとなって、ある日爆発する。
ああ、無限ループ。

わかりきった結論は、要はバランスであって、言い過ぎも言わな過ぎもよくないってこと。
”言いたいときにはグッとこらえて、言うべきときにはしっかり伝える”ということだ。
世の中声が大きいほうが勝つみたいなこともあれば、黙して語らず、のスタンスが功を奏することもある。
声を大にしてものごとを言いたければ、もっと勉強し、知識を蓄え、経験し、自分が強くなるしかない。周りからのプレッシャーや批判、いわれのない中傷に負けない精神的な強さ。組織に頼らずひとりになっても生きていける経済的な強さも必要かもしれない。
黙するにもそれは同じ。行動で示せる強さと、自分を律する強さが必要。

程度の差はあれあらゆる分野でオールマイティなんて、ぼくらにはほぼ不可能だ。
だから世の中だいたいは、適材適所、役割分担、お互いさまで回っているんだと思う。
スターは活きる環境があって初めてスターたりえるだろうし、担ぎ上げるスターがいるから裏方も存在できる。あるプロジェクトで脇役だった人が、別のプロジェクトでは一気に主役に躍り出る。
バランスさえ失わなければ、意外に世の中うまく回っていると思えるのかもしれないな。
なんて冷静になればきっと誰でもわかることなのに。

人は誰もが自分や自分の大切な人たちのしあわせのために生きているんだと思う。だからこうして尖ってみたり、打たれて引っ込んでみたりをくり返して、たくさんの努力の結果、何とか社会の一員として存在しているんだ。
そんな無限に続きそうなループの中で、知識や経験、意識のレベルを何とか上げていって、上から見たらループだけど、横から見たら実はらせん階段だった、っていう具合に、ぐるぐるぐるぐる少しずつ上に向かっていけるように努力したいと思う。
きっといつか、登っていった先にドアがあるんだと信じて。

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「立場があると、何にも言えねぇんだよ」
そんな上司の言葉を、ぼくはカッコ悪いとは思わない。
言いたいときにはグッとこらえて、言うべきときにはしっかり伝える。
たくさん勉強して、バランスを失わないことが大事。

忘れてしまいがちだから、ここに書いておこうと思います。
ひと昔前だったらすぐに噛みついて、こんなことまったく思わなかったのにな。

これは、自分への戒めの話。
もしくは、ぶっちゃけたいと切望する話。




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