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未来にのこる言葉

未来にのこる言葉を、探している。大げさだと思うだろうか、これはいたって真面目に。あらゆる人の記憶に残るようなもの、それを望んでいるかはわからない。ただあくまで、自分がいつまでも瑞々しく愛することのできる言葉を。そんなものを、自分のなかから出したい。ひと言でも一行でもいい。これ以上ないかもしれない、そんな言葉たちをいつも、探している。
春も夏も秋も通り越して気づけばこうして冬の扉をくぐっている、何が流行ろうと道を阻もうと、今年も精いっぱい感じてきた。歓びの薄桃、漲る生命の深緑、暮れに向かう紅、果てない頭上の、群青。今年も、変わらなかったもの。そう、何も変わってなどいないんだ、ずっと廻る環の今年もその一部を無事に成してついにたどり着いた冬の澄んだ空気を身体に巡らせよう、塗り替えられた日常に立てついてあるいはうまく付き合って、すう、と。この身体に。
未来にのこる、言葉を。
そうしていつも、探していく。

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