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星野みなみ卒業セレモニー/かわいいの天才のラストステージを振り返る

乃木坂46の1期生、星野みなみが2/12をもって卒業した。

最初期から選抜メンバーのフロントとして、生駒や生田と共に生生星として乃木坂の黎明期を支えてきた星野。

10年という少女が大人へと変わるほど長い時間の中で、彼女は誰よりも自分に悩んだメンバーだったのかもしれない。

他のフロントメンバーとの外仕事の差やアンダー落ちの経験、一括りにされてきた齋藤飛鳥のセンター抜擢。彼女は決して前に立つ機会が多かったわけではない。フロントとしての経験も初期を除けば数える程だし、単独で楽曲のセンターに立ったのはアンダー時代の「初恋の人を今でも」とユニットの「憂鬱と風船ガム」のみ。

乃木坂46をなんとなく知っている、楽曲はよく聴く程度のライトなファン層からは認知度も高くないのかもしれない。

そう、星野みなみという女の子は決して自分から前に立つタイプではなかった。

それでも彼女は乃木坂の”かわいい”の象徴だった。

そんな”かわいいの天才”と呼ばれた彼女のラストステージは、この曲から始まった。

ぐるぐるカーテン

Overtureでの映像に映し出されたのは「可愛いの天才」の文字。

そこから幕が上がると同時に流れ始めた乃木坂の”原点”となる1stシングル表題曲である「ぐるぐるカーテン」。

登場したのは星野をセンターに1期生5人で、昨年のバースデー期別ライブで星野が考案した”大人になったぐるカー”の衣装を身に纏う。

その後、他のメンバーも登場し素晴らしい出だしを決めた。


MC1

MC開始30秒で秋元が泣き出すハプニングに星野は「泣くの早い〜」と宥めるも涙が止まらない。

周りのフォローもありつつ、涙ながらに進行を務めた。

現在の心境について尋ねられた星野は「あまり実感がない」と語りつつも会場を染める純白のサイリウムに、「少しづつ実感が湧いてきた」と語る。

途中、何かに気付くように視線を向けた星野の先には涙ぐむ樋口がいた。

「どうしたの〜?」と声をかける星野に樋口は「泣かないと決めてたけど出てきた瞬間目の前の女の子が泣いてて」ともらい泣きしたことを明かした。

みなみちゃんクイズ前半戦

星野に関するクイズを期別対抗で答える企画を開催。

ここでも星野らしい可愛さが光る。

クイズのご褒美として「これで頑張れるかな?」と少し尻込みしながら紹介したのは熊のグッズ各種。

これには各期から思わず微笑みが溢れつつ、可愛い〜の声が止まらない。

前半戦では、星野と親交の深い1期生や2期生の北野が活躍しつつ、4期生も奮闘。

加入前から星野のファンを公言する向井擁する3期生は0点と不甲斐ない結果に終わる。

基本的に全ての回答に「それも好き!」と微笑ましい姿を見せた。

ここでクイズは一度終了し、1期生とのライブパートに突入する。

指望遠鏡

クイズ企画のお題にもなった指望遠鏡を1期生と披露。

可愛らしい振り付けと会場を右へ左へと移動し1期生ならではのわちゃわちゃ感を見せた。

失いたくないから

指望遠鏡からの流れで披露したのはこれも初期の楽曲の1つである「失いたくないから」

先ほどとは打って変わって湿っぽい空気感が広がった。

Aメロでは各メンバーと肩を抱き寄せ歌う姿。モニターには2人の姿と相方メンバーのメンバーカラーでハート形に縁取られた。

最後には涙を堪えながらも笑顔で歌い上げ、各メンバーとハイタッチ、1期生ならではの特別な絆を見せた。

MC2

衣装の話題になりつつ、感想を振られた星野は「みんな大好きだよ〜」と溢すとメンバーからは「(泣いちゃうから)話しかけないでよ〜」と言われ会場に笑みが溢れる。

MCを進める中で秋元が齋藤に「飛鳥ちゃん無理矢理堪えてる」と話をふるとすかさず星野からは「泣いてもいいんだぞ〜」と茶化す声が。

これに対して齋藤は「あんたもやぞ」と返すと「飛鳥が泣くまで泣かない」と幼児のようなやり取りを見せ、会場もほっこりとした空気に包まれた。

みなみちゃんクイズ後半戦

様々な問題が飛び交い、最終的には1・2・4期生が横並びになる展開で迎えた最終問題。

未だに得点のない3期生からの要望により、最終問題はみなみにかけて373点となった。

最後は星野のファンを公言する向井が見事に正解し、お手本のような流れでクイズ企画は幕を閉じた。

そしてここからは、各期とのライブコーナーに突入する。

シャキイズム

4期生と披露したのは星野が乃木坂のpvで一番好きと語るシャキイズム。

生駒が務める相方役には兼ねてより一番可愛いと星野が語っている筒井が抜擢された。

間奏では、昨年卒業した堀の「サイコキネシスの可能性」を彷彿とさせるモノマネダンスを披露した。

ロマンティックいか焼き

向井の「一緒に踊ってください!」の声かけから始まったライブの定番曲でもあるロマンティックいか焼き。

この曲といえば、数年前の乃木坂46時間テレビ内で開催された”好きな乃木坂楽曲ランキング”にて、向井が白石と松村が行うペアダンスを星野と踊りたいと口にしていたことが思い出されるが、最後にその夢を叶えた形になる。

最後には2人で抱き合い、仲の良さを見せた。

Am I Loving?

2期生と披露したのはオリジナルメンバーが星野以外2期生で構成されるAm I Loving?。

曲中のモニターには2期生それぞれに宛てた星野からのメッセージが表示された他、最後には4人で星野の星を表現するなど、星野と2期生ならではの関係性を見せた。

MC3

2期生と星野が務めたMCパートではモニターに映されたメッセージについて触れ、リハーサルの時にはバレていたことが発覚し会場には笑みが溢れた。

2期生との関係について星野が「ほぼ同期じゃん!」と語ると2期生からは本当に嬉しいと歓喜の声が。

次のパートについて尋ねられた星野は迷いながらも、北野の提案したエモいに同意し楽屋のようなトークは終了した。

そしてここから、まさにエモーショナルな展開が続いた。

無口なライオン

事前に撮影された星野によるセレモニーの予想映像から始まる。

その中で、名前を挙げられた向井に対して最後どうしましょう?と尋ねられた星野は、自分が最後のオリジナルメンバーを務める無口なライオンを2人でやりたいと答えた。

メンバーにも人気な額縁衣装を着て登場した星野と向井。

Cメロ周辺までは何とか涙を堪えていた向井もラストのサビで星野と向かい合うとこれまで溜め込んだものを吐き出すように涙が溢れる。

無言で両手を広げる星野に抱きついた向井。慰めるように頭を撫でる星野。さながら2人は本当の姉妹のように見えた。

去り際には星野から一言「泣きすぎ!」の声が入り、会場に笑が溢れた。

Threefold choice

星野が最後に絶対披露したい曲として挙げたのが、卒業した掘・齋藤・星野の3人のユニット曲でありファン人気も高いThreefold choice.

卒業した堀のポジションには昨年の夏に同曲を披露した際のメンバーである山下が入った。

終始かわいい展開が続き、最後のポーズでは山下が考案した星のポーズと南の方角を差すポーズ、齋藤と山下が捏ねたパンを星野が食べるポーズが採用された。

制服を脱いでサヨナラを

山下を見送った2人はそのまま唯一のあしゅみなユニット曲である「制服を脱いでサヨナラを」を披露した。

間奏では、齋藤から星野へのメッセージが送られるかと思いきや、齋藤が堪えきれずに星野に背を向けて歩き出す。

それを追いかけた星野が「泣かないって言ってたじゃん、飛鳥が泣くと泣くんだけど」と声をかけると、「いや、泣いてはない」と否定。するとすかさず星野が「え〜、みなみ泣いちゃったよ〜」と溢すととうとう抑えきれなくなった齋藤も「泣いたら泣くってば〜」と泣き出した。

2人して泣くところを見られたくない、似てないようで似ていると語る2人はファンに涙を見せないよう後ろを向いて呼吸を整える。

仕切り直した齋藤は、「自分が頑張ることができたのはみなみのおかげ」と星野に対しての感謝を述べるも「もうちょっと、あしゅみなで何かやるかと思った」と溢すと星野も「ごめんね、頑張れなかった」と涙ながらに答えた。

最後には星野から齋藤に「友達になろう」と声をかけると齋藤も「わかった」と返し、会場からは自然と惜しみない拍手が贈られた。

全部夢のまま

星野が映像で前の2曲についての予想が繰り広げられる中、次に披露されたのは、星野が最後にフロントを務めることとなった、全部 夢のまま。

与田がセンターを務める同曲について星野は与田ちゃんがとにかく可愛いから大好きと明かし、曲の最後には与田と見つめ合って笑顔を見せた。

そんなバカな・・・

卒業生である堀がセンターを務めた同曲は、星野が4年間パーソナリティーを務めた”らじらー!サンデー”内で星野の定番企画”DJみなみのそんなバカな!”でお馴染みで、星野のらじらー!への思い出が反映された1曲と言える。

楽曲の最後で変顔を披露するタイミングではらじらー!での星野の必殺技である「てへっ!からのうさちゃん」を披露し、おにぃ(らじらー!リスナーの総称)達へ最後の贈り物を届けた。


MC4

これまでのライブを振り返り、ようやく実感が湧いてきたと語る星野。

これに対して秋元や和田は「制服を脱いでサヨナラを」振り返り、涙が止まらなかったと語ると思わず星野が「ママ・・」と溢し、笑いを誘った。

おいでシャンプー

本編最後となったのは、ライブのコールでもお馴染みのおいでシャンプー。

星野は最後にメンバーとぎゅーっとしたいという希望でこの曲を選曲。

ライブ本編を1stシングルの表題曲で始め、2ndシングルの表題曲で締める星野らしい選曲となった。

間奏では、秋元が「みなみのことがー」と振ると「大好きー」とメンバがー叫ぶ演出が見られた。

スピーチ

アンコール明け姿を現した星野が何を話そうと考えながらもまずは卒業衣装である紫を基調としたドレスをくるっと一回転して紹介し、話を始めた。

スピーチでは時折涙を見せながらも10年間を振り返り、自分が悩んでいたことや周りの凄さとの比較に落ち込むことについて語った。

そうした活動の中で最初期の生駒と生田との並びについて、なんでだろうと感じて活動を楽しめなかったことを明かした。

活動を続けていく中での変化についても言及し、ファンからの「どんな場所でも応援するよ」の言葉に1人でも応援してくれるファンがいてくれる自分すごいなと思えるようになったと吐露、その後の活動が楽しくなったと語った。

自分の立ち位置についても、前に行きたいタイプじゃないと話し、後ろからメンバーを見守るのが好きだったと語る。

ファンからの言葉にたくさんのパワーをもらい、自分自身が本当に好きになれた、本当に後悔なく終われたとファンに感謝を述べた。

最後には、ちょっとだけ時間をくださいと1期生の各メンバーに対しての言葉を涙ながらに述べた。

自分にとっては大切で思い入れのある曲を歌いたいとして次の曲に移る。

初恋の人を今でも

星野の10年の乃木坂人生でユニットを除けば唯一の単独センターを務めた同曲では、星野の卒業セレモニーTシャツを着たメンバーが入れ替わり立ち代わり星野の元に寄り添い、最後の時間を噛み締めた。

MC5

先ほどメンバーに対しての想いを語った星野に対して各期から代表者が星野への想いを述べた。

4期生からは、先日のバレンタイン企画でも星野にチョコを手渡した掛橋。

「今も寂しいけど、明日からはもっと寂しい」と話しつつも、「明日からはみなみさん自身の幸せの為に生きてくれると思えたので前向きに卒業を見送ろうと思った」と最後にはハイタッチを交わし、笑顔で送り出した。

3期生からは、グループ内で誰よりも星野を慕う向井。

「みなみさんがいなかったら私はここにはいない」と冒頭から涙ながらに語り出した向井。数年前に選抜に入るまで待っていてくださいとの言葉に対して星野が「えー、早くね!」と星野節で返したことを明かし、その飾らない言動が自身の心を救ったと語った。その後、その夢は叶わなかったと謝る向井に、星野は「ごめんね待てなくて」と返しつつ、本当の妹のようだと語った。

最後には星野から「私に憧れて入ってくれるメンバーが出るのが夢だったから葉月が夢を叶えてくれた、本当にありがとう」と向井への感謝を述べた。

2期生からは加入当初から仲が良く、プライベートでも頻繁に遊ぶという北野。

可愛さで星野の右に出るものはいないと言いつつ、強さと優しさでも右に出るものはいないと語る北野。

自身が星野に救われたエピソードを語る場面では、思わず星野が涙ぐむ場面も。

北野はたくさんん星野に助けられ、守られたと語りつつも今では星野を守れるほど強くなったと語ると星野からは「お互いやっつけようね」「世界平和を守ろう」と会場をほっこりさせた。

最後にはこれからもよろしくと言って抱き合った。

1期生からは、同い年でともに走り続けてきた樋口。

冒頭から涙を流しつつ、樋口が語り始めたのは、黎明期に乃木坂と認識してもらえなかったアンダーメンバーを救った星野の「この子達も乃木坂なんですけど」の言葉だった。

それを聴いた樋口は、どんなことがあってもこの人の味方でいたいと思ったと語り、0から乃木坂を作り上げた星野を称えた。

最後には、これからは親友として明日からを迎えると考えると楽しみですと語り、抱き合った。

メンバーからの言葉を受けた星野は「みんながいなかったらダメだった、みんなすごい!」と語ると、秋元は星野の優しさに多くの人が救われたと答えた。

星野は自身が頑張れた理由について”みんなが大好きだから”と言いつつ、泣く予定はなかったのに飛鳥が泣かせたと文句を言うと、私は泣いていないとぼける齋藤に「素直になりなよ〜、まあでもそういう所も好きなんだけどね」と話し、最後は楽しく終わりたいと次の楽曲に進んだ。

あらかじめ語られるロマンス

齋藤・星野の両名がWセンターを務めるライブでも人気のユニット曲。

楽曲中では齋藤・星野の楽しくペアダンスを踊りつつ、最後の時間を楽しんだ。

最後の挨拶では星野は10年間本当に楽しかったし、やり切ったと語り10年間ありがとうございましたと頭を下げた。

頭を上げると、ファンからは「10年間可愛いをありがとう」のフライヤーが、星野の目からは涙が流れ、「本当に嬉しい、大満足です!本当にありがとうございました」とライブを締めくくった。


終わりに

最初から最後まで終始”かわいい”に溢れた星野らしいライブだった。

あまり涙を見せることが多くない星野と齋藤の涙にはつられたファンも多いのではないだろうか?

黎明期をフロントとして支え、乃木坂の可愛いの象徴でもあった星野の卒業。

掛橋や向井、北野といった後輩にも多大な影響を与えた彼女は乃木坂卒業と共に芸能界を引退する。

生生星と呼ばれるユニットも彼女で最後。純白に彩られた会場で、文字通り、”星はいつもよりも美しい”と言えるライブだったのではないだろうか。

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