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尾瀬の山に登ろう 〜 ススヶ峰

待ちわびた尾瀬の雪どけ。

2021年4月24日(土)

群馬県…片品村/みなかみ町

昨日4月23日(金)に群馬県片品村の鳩待峠へ通じる県道260号線の冬季閉鎖期間が終了となり、尾瀬国立公園への入山が解禁となりました。
今シーズンのラストの雪山山行は尾瀬の最深部となるススヶ峰(すすがみね)1953m を目指します。

🌤晴れ 🌀軽風 🕘9h6m
🐾32,236歩 21.1km ⇅1055m
🚙鳩待峠駐車場 2,500円
♨️尾瀬ぷらり館 戸倉の湯 600円

5:45 鳩待峠⇒山の鼻⇒猫又川⇒岳ヶ倉山⇒
ススヶ峰⇒猫又川⇒山の鼻⇒鳩待峠 14:51

仕事終わりのまま車を走らせて深夜に鳩待峠の駐車場に入るとすでに満車です。
仕方なく駐車場の入り口付近のスペースに車を停めてわずかな仮眠をとりました。

皆が心待ちにしていた尾瀬登山解禁の上、明日から東京都への緊急事態宣言が再々発令となる事も重なっているのでしょう。
早朝にも続々と車が鳩待峠まで上がってきますがその都度係員の方から説明を受けてUターンしていきます。
まだ暗いうちに係員さんが来た時にはすでに百数十台の車で満杯となり大混雑だったそうです、
入り口付近に停めた数台の車は仕方ないのでOKとなりました、ラッキーでしたね。
「ダメだよー戸倉まで戻ってー!」なんて事になったらヤル気もなくなりますよね。

5:45
鳩待峠駐車場

山小屋と休憩舎のある鳩待峠では皆さんクランポンをつけたり準備して続々と入山していきます。
BCスキーヤーがたくさん居てハイカーも至仏山へ向かう人が多かったですね。

鳩待峠からは山の鼻へ向けて下っていきます。

まだ昨日解禁となったばかりです、木道が出ている箇所もありますがトレースが薄く夏道のリボンを探しながら行きます。

川上川のスノーブリッジはすべて消えました。
BCの方は下まで滑った後は川上川を渡渉する事になります、水量が多く深い場所がありますので気をつけましょう。

山の鼻のすぐ近くでは熊棚🧸がたくさんありました。夏道の近くなのですぐ気づくと思います、
時折り上を向いてみるといいですよ。

川上橋を渡ると山の鼻の山小屋が見えてきます。

7:00
山の鼻

今日はいい天気になりそうです☀️
気分が上がってきますね。

ハイカーさんはちらほらで至仏山へ登る人に尾瀬ヶ原へ行く人と皆さんそれぞれの目標に向かって出発していきます。

心配だった積雪量はまだまだたっぷりです、
山の鼻の上田代に広がる尾瀬植物研究見本園は
一面の雪原となっていてひと安心、このくらいの雪が有れば山中は問題無いでしょう。
奥に今日の目標のススヶ峰が見えてきました。
ススヶ峰に登るハイカーさんはいるかなぁ!?

おっ!! 
至仏山ではなくに猫又川に向かって歩く人影が遠くに見えます。

先行者に追いつきました、親子のペアでお子さんはまだ小学生の女の子です、一泊二日で平ヶ岳まで行くそうです。
凄いね、なかなかやるもんだ!!

二人は猫又川の二股から左俣へ進みススヶ峰を目指す予定だそうです、僕は岳ヶ倉山へ登る為に目星をつけていた尾根に取り付きました。

お父さんと一緒なら安心でしょう、
頑張ってねー。

7:36
尾根取り付き

急登してクロベの森を抜けていきます。

猫又川から高度差約200メートルを登ってP1663とP1668の鞍部へ上がりました。

雪のコンディションがバッチリOKでクランポンが心地良く雪の斜面に効きます、ガツガツと登って行けて気分は最高ー♪

8:22
P1663

北側から眺める至仏山が圧巻の眺め!!

さらに西側には浅間山から谷川連峰まで展望が広がります。
ヤッホッホー!!

8:37
P1727

快適な雪尾根が続きます。
天気が良く風も穏やかで雪質から展望から何から何まで良すぎて逆に少し心配になります(笑)

素晴らしい景色に目を奪われるばかり。

8:58
岳ヶ倉山(たけがくらやま) △1816.0m

予定時間よりかなり早く登頂出来ました。
ススヶ峰もかなり近く高度差もないので難所も無さそうです。

眼下には奈良俣ダム、谷川連峰にはちょうど一か月前に歩いた白毛門から赤沢山まで尾根が良く見えます。

もう何も言う事なし。

北方にはこれから向かうススヶ峰と赤倉岳の秀峰がいい眺めです。

今日の山行は時間が読めないのでコンビニのおにぎりを🍙4つとゼリーに行動食を数回に分けて食べる予定にしていました。
これだけ順調に歩けるとのんびりとランチタイムを楽しめますがこの先何が起こるか分かりませんしね、サクサクっとエネルギー補給します。

9:20
さて、軽く腹ごしらえを済ませて出発です。

前から一人きましたよ。
こんな所で驚いた!!

赤倉岳へ登ってきたそうです、世の中には強者がいるものですね。

ススヶ峰から西に伸びる尾根を辿れば赤倉岳へ
登頂出来ますが距離がかなり長くなるので鳩待峠を深夜にスタートしなければ日帰りでは厳しいと思います。
いつかやってみるかー!!わからんけど(笑)

リンリンと鈴の音!!
親子さんかと思ったら単独の男性が尾根の下に見えます、左俣から上がってきたのでしょう。
おーい!!と声をかけて先にいきます。

思いのほかのっぺりとしたススヶ峰の山頂部。
登頂したかと思ったらまだまだ先がありました。

山頂部にはたくさんの池塘が有りますが雪解けが進まないと見れないでしょう、そうなると下部では薮が出るのでかなり難儀する事になると思います、また植生保護の為にも入山は控えた方が良いでしょうね。

10:28
ススヶ峰(すすがみね) 1953m

ヤッホー♪
やりましたよー!!
ススヶ峰に登頂です。

山頂の北側はシラビソの疎林となっています、山名板を探しましたが有りませんでした。

ぐるり一回り、360度の大パノラマの展望です、
素晴らしいの一言では言い表せません、積雪期の尾瀬の山の中でもススヶ峰まで登りこの景色を見る人は少ないでしょう。
それだけに登頂出来た事は感慨深いです。

少しして単独の男性が上がってきました。
この先のジャンクションピークまで行ってテントを張り明日は平ヶ岳まで登って景鶴山を通って尾瀬ヶ原に下山するそうです。
親子ペアさんとも会ったそうで少し話して彼は先へ歩いて行きました。
いいなぁ、羨ましい限りです。
いつか僕もね、来シーズンまた登っちゃうか!?

立ち去り難い景色ともそろそろお別れです。

11:00
下山しましょう。

山頂を後にするとしばらくして親子ペアが登ってきました。
あとひと頑張りだよー!!

11:28
P1810

ここから左俣に向かって尾根を下ります。
親子ペアと単独の男性、赤倉岳に登った男性は皆この尾根を登りのルートにとっていました。
難所はないという事ですが左俣の右岸に高巻きする箇所があるみたいです。

急な斜面を降りていくとそのうちに傾斜が緩みモッサリとした尾根になります。
ブナ林が広がり美しいです。

このまま尾根通しだと下部の様子が不明で左俣の渡渉がどうなるのか分からず、先の3組のトレースも確認できない為にルートを変えて西側の谷間に向かい高度を落としいきます。
雪解けの岩場に滝が見えてきた所で急斜面を降りて左俣の右岸に出ました。
あとは快適な川沿いの雪原を歩いて進みます。

左俣が狭くなり右岸を大きく高巻きます。
手前から左岸の平坦地を進む事も可能でしたが
川の水量から右岸に戻る事が難しいと判断し高巻きましたがそれで正解だったと思います。

12:18
猫又川二股

ススヶ峰に登らずとも猫又川を奥まで散策するだけでも楽しいハイキングになりますね。
川沿いは美しい雪原となり静寂の森に野鳥のさえずりが聴こえてきます。
ただ人がほとんど入って来ない為に熊さんとの遭遇には気をつけなければなりません。

研究見本園まで戻ってきました。

13:11
山の鼻

疲れちゃったね、かなりしんどかった。
一息入れましょう。

至仏山からも続々とハイカーが下ってきます。

ここからは鳩待峠まで登りルート、脚がすっかり疲れてしまってやる気も出ませんが頑張って歩きますか。

13:30
よし!帰ろ!!

他のハイカーさんも疲れた様子です(笑)
皆さん同じですね、ゆっくりいきましょうね。

少しずつ少しずつ尾瀬に春がやってきます。

14:51
鳩待峠駐車場

ふぅ〜と深呼吸、疲れちゃったね。
今日は好天に恵まれて尾瀬の最深部のススヶ峰まで登る事が出来て最高の山行となりました。
積雪期限定の山を楽しく歩くには天気や風、雪のコンディションなど条件が揃う事が必要です、
悪天候時や雪質が悪ければ自然の猛威の前に成す術なく打ち砕かれることでしょう。
雪山への入山は夏季のハイシーズンに比べて事前の情報収集やビバークの装備など準備する事が多いですがそれだけに登頂した喜びは得難いものとなります。
安全をまず第一にそして撤退する勇気を持って望む事が大切ですね。

#323  《おしまい》

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