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【大学講義はこう使え】Vol.1リアクションペーパーは「宝」が眠る

読者の皆様方はリアクションペーパーというものをご存じだろうか?大学に通った経験のある方なら耳にしたことはあるはずだ。講義が終わった後に学生が抱いた講義内容等への感想を書き、講師に提出するというちょっとしたレポートのようなものだ。
大学に通っていた頃を思い出してほしい。リアクションペーパーを書く時の自分の姿勢はどのようなものだっただろうか?真剣に内容の構成を練った上で執筆する学生もいる一方、面倒くさく感じて適当に書く学生もいることだろう。私は別に真面目に書くべきである、と言うつもりはない(そもそも真面目にリアクションペーパーを書くということがどのようなものかわからない)。ただ、リアクションペーパーを書くときには出来る限り自分独自のモノの見方を構築出来るよう意識する方が良いと思う。

 というのも、リアクションペーパーを書く、ということはある学問上の課題に対する自分の考え方を整理することが出来る。大学は一応学問をするという建前上、なにかしらの学問と関連させた上で講義コンテンツが作られる。そしてそのコンテンツに触れた学生が何かしら思ったことをリアクションペーパーに書くという流れだ。つまり学生は学問における論点について自分の見解を構築する機会が与えられる。自分の見解を構築することは、日常生活のレベルにおいても幅広く役立つ。身近な例で言えば、例えば選挙の際にどの政治家や政党を選ぶのか判断する上で逡巡することが減る。複雑化した現代社会においては、政治上の論点が無数に存在する。選挙前になって一々自分の意見を考えていては疲れてしまう。というかそんな時間はないだろう。
 さらに、一つ目の利点とかなり近しいことだが、自分の意見を確立出来ていれば、フェイクニュースや陰謀論に惑わされないという利点もあげられる。現代では色々な情報が溢れかえっている結果、全く関係のない物事に関連性をでっち上げることで、人々が騙されるという現象が数多く発生している。騙される人の多くは日々目にする情報を表面的に理解しているだけで、そうした出来事が起こる原因や背景をわかっていない場合が多い。それに対して、問題の構造を把握した上で自分の意見を構築していればデマカセのどこが間違っているかを看破することが出来るので、こうしたフェイクニュースや陰謀論に汚染されることもなくなるであろう。
 もう一つは、現代では自分のメディアを使って自分の意見を発信すれば、お金や影響力を集めることが出来る。今やSNSを使えば誰であっても情報を発信することの出来で、やり方次第では収益化出来たり影響力を集めたりが可能な時代である。そんな時代においてはもはや世の中に対する浅い意見や人が言っていることをマネするだけの一般論に価値がない。それよりも問題の構造を独自の切り口で把握した上で、そこから自身の見解を導き出すことの方が重要だ。

 こうした様々な側面から、リアクションペーパーを書く際にはただ惰性で書くのでなく、社会問題の構造を把握した上で自分はどのように考えるのかを自問しながら、自分の意見を整理し表明する機会として利用した方が何倍もおトクである。言うなればリアクションペーパーは、現代社会を生きる上で必須のアイテムが手に入る宝の山である。


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