瘡蓋

放たれた言葉は 取り返すことはできない
その言葉と同じ軽さの 別のものなら受け取れる

形のあるなしは不問 大切なのはその軽さ

傷がついてしまったならば ただ眺める目を逸らさず
時間をかけて変貌していく形
乾燥し熱を帯び 冷めるのを拒む 夜であっても

手を伸ばしてしまったならば また同じ地に立つこととなる
足元から真っ赤な玉がせり上がり
私を強く遠く何日もかけて押し流していった

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