見出し画像

マンCが上がって来ない現状に、ロドリとフェルナンジーニョについて考えてみた

引用元:ライブドアニュース


こんにちは。
マンチェスター・シティ大好き松嶋俊です。


プロのチームのコーチをしていて大好きなマンチェスター・シティについて考えたいと思います。


今回は、「ロドリという存在」についてです。


マンチェスター・シティは長年チームを中盤で支え続けているブラジル代表MFフェルナンジーニョの後継者を決めるのに苦労している印象があります。


そんな中、2019年夏にアトレティコ・マドリードから7000万ユーロ(約85億円)もの移籍金を投じて引き抜いた大型アンカーの『ロドリ』を後継者の候補として迎え入れました。

ロドリのプレースタイルは、一言でいうなら、まるでバルセロナで長らく中盤に君臨し続けているブスケツのようなボール捌きができる選手です。


190センチの高身長ながら、プレッシャーをかけられても両足を巧みに操り、相手のプレスを剥がします。


派手さはありませんが、味方最終ラインからボールをピックアップし、味方の攻撃的MFやサイド、隙あらば最前線のFWにまで、ボールを供給できる視野の広さとパス技術を持っています。


攻撃だけではなく、守備に関しても一定の評価を得ており、的確に相手の動きを読んでスッとボールを刈り取ります。


知的で綺麗なボール奪取をすることが特徴でしょう。また、守備に関して独自の哲学みたいなものを持っていて、あるインタビューでは


「僕はタックルに慣れていない。別の方法でボールを奪う他のプレイヤーは常に滑り込んだり、タックルしたりする。でも、僕は身体がとても大きい。地面に倒れれば、もう一度行くのに時間がかかってしまう。だから、別の方法でボールを奪うんだ」



とコメントを残しており、自身の体格と能力を客観視し、自分にとってベストなプレーは何かを常に考えながらプレーしている選手なのではないかと思います。

1.フェルナンジーニョとの比較

画像1

引用元:Qoly


マンチェスターシティで長らく中盤の底、あるいは最終ラインで絶大な存在感を示してきたフェルナンジーニョですが、一番の強みはボール奪取能力の高さです。


過去のシーズンにはなりますが、18-19シーズンでは一時期のボール奪取成功率は80%と驚異的な数字を残しています。


攻撃の起点となるプレイヤーあるいはゴールに関与しそうなプレイヤーを見つけてチェックに入り、潰す作業はトップクラスで、その他にも、危険になりそうなエリアを誰よりも早く察知し埋める作業や、リスク管理、最終ラインのカバーリングなど【守備】と名の付くものであれば、どんな作業でも高い水準でプレーすることができます。


また、本職は中盤のアンカーですが、CBや3バックのサイドでもプレーすることが出来るユーティリティな選手でもあります。


攻撃時においてもビルドアップでしっかりと味方最終ラインと攻撃陣を繋ぐリンクマンとして働き、敵の前線守備の間や、最終ラインに落ちてボールを引き受け、デブルイネに鋭い縦パスを通すなど、攻撃のタスクでも力を発揮することができ、これまでのグアルディオラの指揮するマンチェスターシティの躍進は、フェルナンジーニョがいるからといって過言ではないでしょう。


そんなマンチェスターシティの大黒柱であるフェルナンジーニョも35歳になり、今期は度重なる怪我もあり、なかなか試合に絡む機会が少なく、マンチェスターシティでのキャリアも終焉を迎えつつあります。


そこで、フェルナンジーニョの後継者の筆頭として挙げられるのがロドリなのですが、ロドリはどちらかというと攻撃や、後方からのビルドアップで能力を発揮するタイプの選手で、守備も高い水準で行うことが出来ますが、フェルナンジーニョほど守備に関して『スペシャル』ではありません。


マンチェスターシティOBのマイカ・リチャーズさんもロドリとフェルナンジーニョについて


「ロドリはフェルナンジーニョのような危機察知能力と守備範囲を備えていない」


と、ロドリとフェルナンジーニョの守備能力の差については厳しいコメントを残しています。

マンチェスターシティはボール保持をベースの戦うため、ロドリに対しても最終ラインからどうボールを引き出し、そこから前線にどうボールを運んでいくのか、どれだけ効果的にパスを通すことができるかをフォーカスしがちですが、そんなシティでも、ボールを失うことも当然あるわけで、その時のロドリの守備能力や仕事ぶりには少し不安があるように私は感じます。


マンチェスターシティがボールを失った際、前線の選手たちはすさまじい切り替えでハイプレッシャーをかけます。


当然敵は苦しくなり、前線へ「放り込む」ようなパスやキックをするのですが、フェルナンジーニョはこのボールを回収するのがとてもうまい!!!


味方最終ラインと敵FWが競り合ってこぼれたボールや、敵が苦し紛れで蹴り込んだボールなどを、初めからそこにボールがくることが分かっていたかのようにフェルナンジーニョは回収し、また前線にボールをつなげる。


このプレー一つで、またすぐにマンチェスターシティの攻撃に時間になります。

「ボールを保持する」ことをベースに戦うシティにとって、このフェルナンジーニョの危険察知能力の高いワンプレーがどれほど助けになっているか。


しかし、ロドリにはまだ危険察知能力について改善の余地があると思います。


フェルナンジーニョであれば回収できるはずのボールが、ロドリでは回収できずに敵に渡ってしまい、マンチェスターシティにとって好ましくない『守備の時間』が始まってしまうシーンが多くあります。


第3節レスター・シティ戦(2-5)ではその課題が顕著に表れ、縦に速く、カウンターを武器に戦うレスター相手に、中盤のフィルター役としては機能していない場面がいくつかありました。


攻撃時のビルドアップの安定と味方最終ラインが敵前線守備のストレスを感じないように助けに入り、前線へのリンクマンとしての役割を期待して、ロドリ起用を続けていると私は考えています。


しかし、グアルディオラ監督は、違う試合ではありますが、守備時でのロドリのウィークポイントの改善策として、サイドバックのカンセロを少し内側のボランチの位置にポジショニングさせ【偽サイドバック】として、ロドリの守備時での負担や、不安を取り除こうと策を講じています。


守備の部分での改善こそがロドリが取り掛からなければいけない最優先事項なのではないでしょうか。


2.まとめ(ロドリらしさ)



フェルナンジーニョとの比較について書いていきましたが、とはいっても、フェルナンジーニョの「コピー」になるのではなく、ロドリにしかできない唯一無二のアンカーへと成長してほしい!!


試合を観ていてもロドリがボールを触る回数はとても多いので、やはり攻撃時での貢献はフェルナンジーニョよりも高い気がします。


そこから、効果的なパスを通すことも出来るロドリですが、実はロングシュートなど「パンチ力」も兼ね備えているので、味方最終ライン付近でプレーするだけではなく、前線にも顔を出して【ゴール】という形でフェルナンジーニョとは違うストロングを発揮してほしいと私は感じます。


ロドリにはそれが出来る能力、スキルがあります。


デブライネや、スターリングに遠慮せずに、もっと自分を出して積極的にゴールを狙いにいって、アンカーからの『ゴールゲッター』として、フェルナンジーニョにはない部分でロドリの色を出していって欲しいですね!!

グアルディオラ監督もロドリに対して


「彼は若く、思考の速い典型的な守備的MFだよ。彼が何年もここにいてくれることを望んでいる。身長もあるが、狭いスペースでも輝ける。とても良い選手だ!!」



と語っているようにロドリに対する期待値はとても高いと思うので、守備面での成長と「ゴール」という形でのフェルナンジーニョとの違うストロングを見せつけて、新たなマンチェスターシティの大黒柱として、チームに君臨してほしいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?