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伊藤計劃神話解体~『虐殺器官』は何日で書かれたのか?~

※諸々の事情と新規資料入手により、伊藤計劃研究へ本格的に復帰しました。今後も表立ってUPするかどうかは未定ですが、ともあれ一冊を書き上げるまでは続けます。収集済みの未単行本化資料についても可能な限り触れていきますので、よろしければ研究にご支援頂けましたら幸いです。

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 伝説的な作家には、しばしば神話が囁かれる。
 その噂の元は、ある時は記事であり、ある時は風説である。

 本題に入ろう。
 伊藤計劃のデビュー作たる『虐殺器官』の執筆期間は、果たして実質どうだったのか?
 一ヶ月、18日、あるいは10日。
 現状では、伝言ゲームにより錯綜している状態だ。
 没後13年が経つ今、経緯を知る者は極めて少ない。
 まずは具体的に、『虐殺器官』刊行後の記述に当たっていこう。

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