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【41女の婚活】ヤスダくん(21)会えたものの

楽しみにしまくって、でもまたキャンセルされるかも、期待しないでおこう…、あーでも楽しみ!!!!

と思っていたヤスダくんとの約束は、無事果たされることになった。

電車に乗った瞬間から「これもう本当に本当に会える!!」とうれしくて、心臓飛び出そうなほどドキドキした。
前日、泊まりの仕事で、当日もバタバタしていて、電車では寝ようと決めていたのに一睡もできなかった!

23時前に、ヤスダくんの最寄り駅に着いた。

走ってきたんか!というくらいドキドキして、呼吸が浅くなった。
ここから出れば、車が停まってるのが見えるというところで立ち止まり、呼吸を整えた。

駅から出ると、言ってた通りのハスラーで待っていてくれた。
(色もかわいかった♡)

👩「久しぶり!ありがとう」
👨「遠くまで、ありがとう」

いつも通り、ありがとうの交換。
ヤスダくんといると、お互いいっぱい「ありがとう」を言うのですごく幸せな気持ちになる。

3か月ぶりだし、なんならラインのやり取りなんて超ぎこちないのに、会ってみたら昨日も会ったくらいの安心感があった。

引っ越したばかりのヤスダくんの家へ。

家について明るいところで顔を見てびっくり!
ヤスダくんはすっごく疲れていた。

👩「大丈夫?疲れてる?遅くまで起きててくれてありがとうね」
👨「うん、大丈夫。もう遅いからお風呂入って寝ちゃおうか」
👩「うん、そうしよー」

そしてなんだかんだ、会って1時間以内には一緒に布団に入っていた。

このスピーディーさが、まどろっこしくなくてよい。
ムードも何もなく、とにかくすぐくっつきたいというところでお互い気持ちは一致してる。

一旦落ち着いて、ヤスダくんと手をつなぐと、指が細くなったように感じた。

お腹に手を回すと、前は鍛えていて筋肉もりもりで全身プリッとしてたのに、すこし肋骨が浮いている。

👩「なんか、やせた?いいなー」

軽口風で聞いてみた。

👨「あんまりごはんも食べれてなくて…」
👩「え?忙しくて?」
👨「うん」

聞くと、9時〜18時が定時なのに、早く行くのに加えて残業もしていて7時には家を出て、24時ころに帰ってきていると。
(ちなみに、ヤスダくんの職業は、この労働時間でも違法ではないそう。)

さらに、昼ごはんは1人になりたいという理由で、車に戻って仕事の資料を見ながら食べているそうで、ろくに休息もできていないそう。

そして、

「4月1日に働き出して初めての休みが今日」
「今日を休みにしたのでそのしわ寄せで、来週末は休まず働く」
「ゴールデンウィークも休みはない」

と言っていた。

毎日、24時近くに帰ってきて、短い睡眠をとり、また出かけていくだけの生活をしていると。

周りに簡単に食事を買えるコンビニもないそうで、夜中に帰ってきてお弁当を作り、持っていって食べてると。

食材の買い出しも、遅くまでやってる薬局とかで買っている。

今みたいな生活が、少なくともあと2年続くと。

なんだかんだ寝たり起きたり、3回なかよして朝起きて、

「どこいく?いきたいところある?」

って聞いてくれたけど、今日しかないから!と、お洋服の洗濯、シーツをはぎとりそれも洗濯、布団乾燥機セットして、お風呂掃除、トイレ掃除、はたき、掃除機、クイックルワイパーと、たまってる家事を急いでテキパキやってるヤスダくんに「観光したい!」などとても言えず、「んーあんまり行きたいところないかも。お昼だけどっか食べに行きたいなー」と答えた。

本当はバリバリの観光地だし、一緒に出かけるの楽しみにしてた。
ダムとか、ドライブとか、いちご狩りとか、蕎麦屋さんとか、チーズケーキのお店とか、パン屋さんとか、餃子とか、行きたいところいっぱいあったけど、そんなのどうでもいいやって思った。

「この洗濯が終わったらでれるからねー」

わざわざ1時間30分かかる場所までドライブがてら行ってくれて(ドライブはヤスダくん主導で考えてくれた)ごはんを食べ、駅まで送ってくれた。

いつもドライブ中はずっと手を繋いでくれるのに、両手でハンドルを握っていたり、スマホで道を調べたり、わざと繋がないようにしているように思えて、少し心がチクっとした。

ヤスダくんは余裕がなくなる(例えばトイレ行きたいとかでも)と、スキンシップが減るからやっぱりめちゃくちゃ余裕がないんだ、、こんな遠くじゃなくて近場でいいよって言えば良かったと後悔した。

手を繋いでくれないことが辛い上に、自分の配慮のなさが情けなくなり、その場で泣いてしまいそうだった。

帰り、駅に近付いたところで、ヤスダくんはカーステレオを切った。

なにか言ってくれるのかな?と思ったけど、特に何も言わず車を停めて「じゃあ」と言うので、

「すっごく忙しいのわかったんだけど、さ、今日みたいに遠くに出かけたりしなくていいから、また会おうね〜」

と言った。

スキンシップが減ったことで不安もつのり、また会う意思があることを確認したかったし、具体的にいつとかなくても口約束だけでもしたかった。

このくらいの言い方なら「そうだね」「また時間できたら連絡するね」くらいの素軽い返事が来ると思って、言った。

そしたら、

「もう、できないと思う。時間がないから、構ってあげられないから」

と言われた。

「私が来るよ。ごはんとかお茶だけでもいいし。夜きて朝帰るだけでもいいよ」

と言っても

「朝から夜中まで仕事だから本当に時間ない。構えないから」

と、取り付く島もない。

「会うのは今日で最後にするつもりだった?」

って聞いたら、それについては「そのつもりはなかった」と。

いろいろ混乱してしまって、ちょっと泣いてしまって、

「ごめん。ちょっとまってね、困らせたくないのに」

と、なんとか気持ちを落ち着かせて

「もう少し話したいけど、帰りたいよね?」

と聞くと、

「ごめん、明日の準備もあるし、残りの家事も終わらせたいから」

と本当に困った顔で言うので、これ以上、困らせたくないなと思った。

もう終わり。

真面目で誠実なヤスダくんがそう決めたなら、覆らない。

粘っても無駄だし、嫌な思い出になりたくない、嫌われたくない。

ぐずぐずした姿も見せたくないから、気持ちを切り替えて、

「わかった!」

とできるだけ明るく言ってサッサと車を降りた。

後部座席のドアを開け、荷物をとりながら、

「最後に握手しよ」

と言って、また助手席のドアを開けた。

こんなに大好きだったのに、あっさりともう会えなくなるなんて。

昨日の夜が最後になるってわかってたら、寝ないでずっとくっついとけばよかった、もっと頭を撫でておけばよかった。

せめて最後の最後は、手に触れたいと思った。

「ありがとう!」

と言いながら手を出すと、握手してくれて、

「また」

とヤスダくんが言った。

びっくりして

「また?」

と聞き返してしまった。

ヤスダくんは

「最後に、って言うから…」

と言ってた。

「うん?」と曖昧な返事をして、助手席のドアを閉めて笑顔で手を振った。(気合で泣かずに笑った)

ヤスダくんに拒絶されたって思いしかなくて、頭の中が混乱していて「また」の意味が本当に分からなかった。
けど、いまnote書いててやっとわかった。

「これで最後にするつもりじゃないよ」ってことを伝えてくれてたのか、、、

帰りの電車はずっと泣いた。
(このときは「また」の意味もわからなかったから、悲しみがすごかった。)


日曜日の夕方。観光地から帰る特急列車の指定席は売り切れていて自由席は設定されてなかったので、普通列車で帰ってきた。
2時間30分かかって、ずっと泣いてた。

そんなに混んでなかったのもあり、隣のシートに誰も座ってこない程度には泣いていた。


今日は休みだから、いまから友だちの家に行く。

思考の整理をしなければ。

これからはたくさん会えるのかなぁと思ってたから、悲しくて泣いちゃったけど、「また」の意味が分かってなかった時ですら、滝のように涙を流しながら心のどこかで「でも終わりじゃないもんな」と思えてた。

ふしぎ。

ほんといろんなことある。
私、物語の主人公すぎる!!

(くさらずに頑張って生きてくぞー!!)

ちなみに、朝起きると泣きすぎてはれて、こんな目になってた。
ほんま主人公すぎ!!

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