Adobe Express の新機能と近況あれこれ

2023年11月23日 07:31

こんにちは！絵を描くAdobe Community Expert の松野美穂（Mipopo）です。noteと連携して見出し画像を作ることができるようになった「Adobe Express」もうお試しになりましたか？　

この記事では2023年夏以降に加わった Adobe Express デスクトップ版の新機能の一部をご紹介します。

Photoshop や Illustrator との連携

Adobe Express では、Adobe Photoshop や Adobe Illustrator で作りクラウドドキュメントに保存したファイルを Adobe Express のプロジェクトに配置することができます。配置後は同期され、Photoshop や Illustrator で編集すると Adobe Express のデザインにも反映されます。

Adobe Express の「プロジェクト」→「ファイル」で表示されるファイルのサムネイルをご覧ください。左下に、小さくアイコンが表示されているのがおわかりでしょうか。アイコンの表示によって Adobe Express 、Adobe Photoshop 、 Adobe Illustrator 、どのアプリケーションによるファイルかがわかります。

また、Adobe Express のホーム画面に直接 Photoshop や Illustrator のファイルをドラッグ&ドロップしてファイルをアップロードすると、編集可能な新しい Adobe Express ファイルとして変換されます。

Adobe Express の「ホーム画面」はこちら。
ブラウザのウィンドウに Photoshop や Illustrator のファイルをドラッグ&ドロップして下さい。

動くチラシを作る

Adobe Express で Photoshop や Illustrator ファイルを使えるようになったときに、私はまず「ポスターやチラシのデータを動かせる！」と感動しました。印刷物向けに作った静的なデザインに、よくあるシンプルな動きを付けるなら、専門的な勉強に時間を費やさなくとも Adobe Express のアニメーション機能で感覚的に行えます。

動画編集をがんばりたくない方の
「このくらいでいいんだよ」ができるアプリhttps://t.co/xsOBxH1HMz

1️⃣AiやPsで作ったデザインデータを流用して
2️⃣部分的にちょこっと動く動画にしたい
3️⃣でも時間も予算もない
4️⃣ #AdobeExpress で一瞬でできます✨@AdobeExpressJp #AdobeExpressAmbassadors #PR pic.twitter.com/tAjPYCxKjd
— 松野美穂💮Adobe Community Expert (@matsunom) August 19, 2023

特に「After Effects を使ってモーショングラフィックにするのが流行っているようだけど、今から始めるのはしんどいなあ〜〜」と１年以上後回しにしているデザイナーさんにおすすめです。ぜひ軽い気持ちで「動くポスター」「動くチラシ」を作ってみて、グラフィックを動かす楽しさを体験してください。

Adobe Firefly による生成

生成塗りつぶし

Photoshopへの搭載が話題になったAdobe Firefly による生成塗りつぶし機能が Adobe Express にも搭載されました。描きたいものを文字で入力して、画像の中にオブジェクトを描き加えたり、画像の一部を別のものに置き換えることができます。また、画像に写り込んでしまっている不必要なものを消して背景を馴染ませることもできます。

生成塗りつぶし機能では、画像のなかの編集したい部分をブラシでざっくりと塗ります。塗った部分は青くなります。私はマウスを使って大まかに塗っています。ペンタブレットなどの絵を描くツールを使って細かくていねいに塗りつぶす必要はありませんので、ご安心ください。

ここでは鍋焼きうどんのイラストのしいたけを塗りつぶしています。
（青さがわかりにくくてごめんなさい）
生成したい内容は「水彩のえのき」としました。

生成したい内容は説明してもしなくても構いません。空欄のまま完了した場合もそれなりの何かが生成されます。アクシデントを楽しむ感覚で遊んでみてくださいね。

テキストからテンプレートを生成する

SNS投稿やチラシなどに使えるテンプレートを生成することができる機能です。生成したテンプレートは編集可能ですから、手を加えて思い通りの形を追求できます。時短をするだけでなく、アイデアの幅を広げ、デザインのマンネリ化を防ぐ効果にも繋がることでしょう。

「メタバースで開催するクリスマスパーティに招待するクリスマスカード」を生成してみます。
アイデアが気に入らなければさらに他の結果も見てみましょう。

ファイル上のテキストを直接翻訳する

Adobe Express のプレミアム機能では、テキストをそのレイアウトの形のまま45の言語に翻訳できます。翻訳したい言語を選択すると、翻訳後のテキストに置き換えられたページが作成されます。外部の翻訳ツールを使いながらテキストをひとつひとつ再レイアウトする煩わしさがなく効率的です。

先ほど生成した「メタバースで開催するクリスマスパーティに招待するクリスマスカード」を世界中のフレンドに送るために翻訳します。一度に20もの言語を選択できるんです。

「複製して翻訳」ボタンを押すとページが複製され、20言語に翻訳されました。
それぞれの文字の大きさやバランスを手動で整えると、さらに素敵な仕上がりとなります。

知る人ぞ知る裏技…？

スケッチ機能

ホーム画面にそれらしい表示がありませんが、実は隠れた場所にお絵描き機能が搭載されています。

「スケッチ」を選ぶと様々なブラシでお絵描きができるスケッチ機能があらわれます。白いキャンバスに描くだけでなく、豊富なテンプレートでも楽しめます。

コラージュを作成

複数の画像や動画をグリッドに追加する機能として「コラージュを作成」が追加されました。

コラージュを作成後の画像の位置の入れ替えや画像サイズの変更、余白や間隔の調整も可能です。この機能は最近追加された新しいアップデートです。

Adobe Express デスクトップ版は、生成AIの搭載や動画編集機能といった大きなアップデートの話題でたいへん期待されています。そして、目立たない部分にも細やかなアップデートが行われ、「いつのまにか改善されている」といったことがしばしば起こる、成長を見逃せないアプリです。

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