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癒し屋キリコの約束 森沢明夫

歌謡曲を流す純喫茶・昭和堂を営んでいるオーナーの有村霧子。40歳を過ぎているにもかかわらず美しい容姿を保っているのだが、性格は非常にだらしなく、金にがめつい。でも、なんだかにくめない魅力的な彼女に惹かれて、昭和堂は、町の男子高生からおじちゃんまで、皆が集う憩の場となっている。
霧子は、そこそこ繁盛しているお店のことを雇われ店長として働く20代の女性カッキー(柿崎照美)に任せっぱなし。日々、お気に入りのロッキンチェアで漫画片手に昼間からビールを飲みながらくつろいでいる。
そんなお店では喫茶店以外の裏稼業を行っている。それは、町々の人々の相談を聞いて解決するという『癒し屋』。カッキーやお店の常連客が霧子のアシスタントとしてお悩み解決に奔走するのだが、毎回霧子の奇想天外な方法で事件は解決する。そんなある日、お店に霧子の殺人予告が届き……。

あらすじより

第三章のお話が1番心に残りました。夫、妻、息子、娘の4人家族の専業主婦のお話。あるときご主人は病気、娘は交通事故で亡くなってしまう。主婦は「どうして私はこんなに不幸なの」と嘆き、万引きを繰り返す。見かねた息子がキリコに依頼をする。
その主婦に語ったキリコの台詞が、心に刺さりました。

自分の人生に足りないものを数えて悲しんでいても仕方がない。むしろ今あるものを抱きしめて、感謝し、微笑みながら生きていくこと。それが幸せに生きる極意なんだ。

まさしく「吾唯知足(われただたるをしる)」ですね。
足りないものに私たちは目が行きがちですが、今足りているものに感謝して生きていきたいと思いました。

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