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千葉パワースポット【人気、歌舞伎演目『与話情浮名横櫛』のゆかりの地・木更津を巡る、光明寺、選擇寺】

●『与話情浮名横櫛』の舞台、木更津市

皆さんは、歌舞伎の人気演目『与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)を知っていますか?
通称『切られ与三郎』などと、呼ばれています。この話は実話が元となっており、千葉県木更津市が舞台となっているのです。

●悲しき物語『与話情浮名横櫛』

「主人公となる伊豆屋与三郎(いづやよさぶろう)は、江戸の小物屋の次期跡取り当主。しかし、彼は養子であることを負い目に感じており、実弟に跡を継がせようとわざと体たらくを装っていたのです。ある日、木更津の町で遊ぼうとウロウロしていた与三郎は、浜辺でとある女性、お富と出会い、そして互いに惹かれ合います。
ですが、それは許されない恋のはじまりでした……。
お富は、木更津の町一体をまとめ上げていた、赤間源左衛門(あかまげんざえもん)の妾だったのです……。」

●切られ与三郎の言い伝えが残る土地

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与話情浮名横櫛

今回は、そんな悲恋の物語が舞台となった地であり、木更津のパワースポットとしても知られる「光明寺」と「選擇寺」をご紹介しましょう。
与三郎のモデルは、実在の人物で長唄の家元の跡取りである、芳村伊三郎(よしむらいさぶろう)だといわれています。

●光明寺

木更津駅から徒歩4分ほどの場所に位置しているお寺です。ここには『切られ与三郎』のお墓があり、多くの歌舞伎ファンが訪れることで知られています。

〒292-0067 千葉県木更津市中央1丁目3-5

▪光明寺・薬医門

光明寺・薬医門

このお寺には、千葉県では珍しい「薬医門(やくいもん)」と呼ばれる門があり、参拝者を出迎えてくれます。薬医門とは、二本の本柱の後ろにそれぞれの支えとなる「控柱」が立てられている構造の門です。横から見たときの柱は垂直線上から後方にずれた状態となっています。

その門を『南無妙法蓮華経』と刻まれた題目塔が両脇を固めていて、それがとても目を引きました。

七面堂

▪七面堂
門をくぐって右手側には、七面堂(しちめんどう)と呼ばれるお堂があります。守護神となる「七面大明神(しちめんだいみょうじん)」と、安産と子育ての神様「鬼子母神(きしもじん)」が祀られています。以前は、お寺のそばにある「富士見通り」に構えていましたが、近年の道路拡大に伴い、現在の場所へと移動することになったそうです。

また、このお堂では、信仰会が毎月開催されているようなので、機会があれば参加してみてもいいかもしれません。

●光明寺の3つのおすすめポイント!!
・『切られ与三郎』のお墓

『切られ与三郎』のお墓

歌舞伎の演目『与話情浮名横櫛』の主人公・与三郎のお墓があることで知られています。
歌舞伎界に属している片岡仁左衛門と坂東玉三郎が、立てたとされる塔婆もあります。

・樹齢400年の松の木「舞鶴の松」

舞鶴の松

境内には、樹齢400年を超える立派な松の木がそびえ立っています。そのあまりの勇ましさに、思わず圧倒されてしまうことでしょう!!
また、この松は木更津市の銘木百選にも選ばれたほどだそうですよ。
鶴が羽ばたき、飛び立つように見える様から「舞鶴の松」と呼ばれています。

・浄行菩薩(じょうぎょうぼさつ)

浄行菩薩

この境内には、古くから人々に信仰されてきた菩薩が鎮座しています。人の心や体のどんな病も、清めてくれると言い伝えられており、近年まで非常に大事にされてきました。

境内の彫刻

菩薩が祀られている社は、美しい花の彫刻で彩られており、惚れ惚れしてしまうことでしょう。

与三郎通り

ちなみに、このお寺が面している駅から続いている通りは「与三郎通り」と呼ばれています。

●選擇寺

選擇寺

先ほど紹介した光明寺から徒歩圏内に位置する選擇寺、ここは『与話情浮名横櫛』の主人公・与三郎の相棒・こうもり安のモデルとなった人物の墓が、あることで知られています。

〒292-0067 千葉県木更津市中央1丁目5-6

●選擇寺のおすすめポイント!!

・国の登録有形文化財

本殿

実はこのお寺は一度、関東大震災で全壊してしまい、昭和5年(1930年)に再建されました。その際に、当時では非常にめずらしい災害に強い鉄筋コンクリートを使用して建設することになったのです。出来上がった建造物は、とてもコンクリートを使用したとは思えない木造建築のような美しい外観を備えていたことが評価され、平成12年(2000年)に国の登録有形文化財に登録されました。

・かつての県知事の宿舎

県知事の宿舎

かつて木更津に県庁が置かれた際に、選擇寺は県知事の宿舎として利用されていました。当時の県知事・柴原和(しばはらやわら)は、毎朝ここから木更津市貝渕地区にある県庁へと赴いていたそうです。

・『与話情浮名横櫛』の主人公の相棒である「こうもり安のお墓」

こうもり安のお墓

選擇寺には『与話情浮名横櫛』の主人公の相棒・こうもり安のモデルとなった、山口瀧蔵のお墓があります。彼は、木更津の大きな油屋の次男として生まれ、夜中にふらりと遊び歩いていたことから劇中で「こうもり安」と呼ばれるようになりました。しかし、実際の人物は小悪党とは異なり、日々、女に不自由することのない色男だったのだとか。

●おわりに

今回は『与話情浮名横櫛』と縁がある、光明寺と選擇寺をご紹介しました。
両方とも、たくさんの魅力と歴史があり、ここでは取り上げきれないほどのエピソードがあるお寺です。
歌舞伎に興味のある方はもちろん、無い方でも十分に楽しめると感じました。
是非とも、木更津にお越しの際には、訪れることをおすすめできるパワースポットです。

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