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【Maya モーションデザイン AtoZ】 について

https://www.amazon.co.jp/dp/479805836X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_w6-sEbYBNZN5Z

公式サポートサイト
http://ltks.net/AFP3s/

この本のコンセプト
発売も近いので、今回書いた本についてまとめてみました。
最初にでかいことを言っちゃうと、3Dのアニメーション本を再発明した、と言いたいくらいです、本人の気概としては(笑)。ページ数もそうですが、それは結果でして、講師が25年間教えてきた内容と、元教え子のプロフェッショナルがそれの仕事上での発展・具体例を並べて記し、技法や概念の発達を樹形図として示すというのが、深層に横たわるコンセプトです。そのせいで気がついたら増えていたという感じです。本人たちもビビっているのですが(!)、出版社の判断に感謝しています。

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前半は基本部分
……というコンセプトなので導入部はほとんどを、講師生活25年の私が書きました。ボールのアニメーションから基本概念理解のためのいくつかの練習をへて、リグに慣れる練習、リファレンスを使ったモーション作成と、二種類の歩きモーションの作製法までです。自分の授業だと半年分くらいですが、基本的なところを丁寧に書きました。経験上、一番授業効率のいい(学生が伸びる)方法を書いたつもりです。

それからモーションキャプチャーデータの編集法。モーションキャプチャーがこれほど多用されているのに、MotionBuilder のモーション編集は今まで全くなかった情報なので、キャリアが長くディレクション等もしている執筆者に、これも一冊の本になるくらいに丁寧に書いてもらいました(くれました)。これができる人なら仕事を手伝ってもらってOK、なくらいだそうです。
まぁCG本業界には、キャプチャーデータ自体がなかなか入手困難なので情報も出せない、という事情もあったと思います。練習用のデータは添付されています。そこら辺の垣根もだいぶ低くなっているし。今後数年でどうなるか楽しみな部分ですね。
私の見立てだと、手付とキャプチャーの境はなくなるというか、事実すでにかなりの部分で消えてしまっています。

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後半は具体的作業

必要性が高いにもかかわらず、ある程度体系的な、ゲームのプレイアブルモーションの作成方法も、多分今までまとまった情報はなかったのではと思います。基本的な格闘系ゲームで使用されるようなモーションが五通り載っています。就職を考えている向きは、オリジナルなポーズで各モーションを作成してみると良いです。(デモリール的に)
これも十年選手に書いてもらいました(くれました)

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アニメーションのカット作成は、時間的な都合で少しこじんまりとしてしまいましたが、有能なデザイナーにそれぞれ得意な部分を書いてもらいました。絵コンテから3Dレイアウト、実際のカットまで作成できます。これも、絵コンテを自分で起こすか、良いものを見つけてきて自分のカットとして作成するのをお勧めします。(デモリール的に)
それぞれかなりの実力者に書いてもらいました(くれました)

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それから、ダンスモーションのカメラ設定、演出の具体的な情報が世に出るのもかなり珍しいと思います。オリジナルの曲に合わせたダンスモーションのキャプチャーファイルが添付されているので、解説されているプロのカメラ演出を再現して学習することもできるし、参考にして自分のライブシーンを作成することもできます。キャプチャー編集の最後の仕上げとして取り組むのも良いでしょう。(またまたデモリール的に)
これも実際にカメラ演出をしている元教え子に書いてもらいました(くれました)

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最後に、かなり突っ込んだリグの組み方の一例が載っています。オリジナルのモデルにリグを組みたい向きへの配慮です。ベースになる部分だけですが、ここだけで百五十ぺージくらいあります。
まーてい君がツイートしてくれているので、リンクを貼っておきます。
https://twitter.com/ak8gwc/status/1228584580380160001?s=20

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添付データについて
リグ付きのモデルデータが二種類(実際はソフト間コンバート用に五種類くらいになる)、学生にテストしてもらってますが、モーションがうまくなるとお褒めを頂いてます。他に、本書の作例を作るためのキャプチャーデータと音楽データ、その他シーンデータが用意されています。

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書き終えて
大事なのは概念の全体が1つの世界観にまとまっていることだと思っています。いくら大部な書物でもバラバラな情報を集めただけの本を読むなら、ネットで情報を探すのと大差ないことになるでしょう(それでも本書の情報はネットにもないものが多いですが)。
本書は統一したラインに乗ったエクササイズの集まりでもあります。そして必要な素材は全て用意しました。作業しながらスキルを上げていく過程で、学習者は執筆メンバーと同じプロセスを辿っていくことになります。
そして同じ根(基本)からいかに様々な枝が伸びて色々な花が咲くのか感じていただければと思います。(これは同時に、「教育」に対する個人的なクレドでもあります)

残念なのは、時間とページ数の都合で、本来最終章(第7章)に予定していた就職転職関係の情報を全く入れられなかったことです。これはダウンロードコンテンツにすることも考えましたが、近い将来別の形でスタートさせようかと思っています。

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特徴
-Maya基本
- 基本的なモーションからキャラクターまでのモーション設定のMayaアニメーション設定のエクササイズと解説
MotionBilder 基本
- モーションビルダーでのキャプチャーデータの編集、利用法、Mayaへのコンバート
ゲームモーション
- Mayaでの、ゲームのプレイアブル部分基本モーションの作製法、UE4でのインポート
リミテッド・ダンスモーション
- イメージカット(ジャパニメーション)パート
 - キャラクター設定〜絵コンテ〜3Dレイアウトの基本的考え方の概論
 - フェイシャルについて
 - カット(ショット)の作成
- MV(ダンス)パート
 - ダンスのキャプチャーモーションの編集
 - カメラ設定・演出
- レンダリング


添付データ
添付モデル
- シンプルタイプ
 - 顔面消去可能
- キャラクタータイプ
 - 髪の毛、スカートシミュレーション可能
 - フェイシャル可能
- ※両モデルともMaya、MB、UE4でモーションの移行が可能
 - 移行・編集に使う各種リグファイル、MELファイル添付。使用法は書籍内で詳説

キャプチャーデータ
- モーションファイル
 - モーションキャプチャー編集練習用ファイル 5種
 - ライブエクササイズ用未編集モーションファイル
- 関連ファイル
 - ライブリファレンス用撮影ビデオ
 - オリジナル楽曲データ
 - UE4レンダリング用舞台・各シーンのプロジェクト

DLC
- 各エクササイズのムービーファイル・リファレンスファイル
- ページ数的におさまらなかったもの