「地方が輝くために」(観光編)

小磯修二氏の「地方が輝くために」から得たメモ書き

 ※縁があって、小磯さんとお話する機会があり、本書を購入。日頃から地域活動に関わることが多いため、様々と得られるものが多い。内容は順番は本書に沿わない。

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観光という産業

地方振興の戦略として「観光」は大体の自治体や地域、さらに国でも行われている。
この「観光」という産業については簡単に。でも重要性は高い。

観光産業として捉えられるかどうか。

その地域の人々が「観光」をどのように捉えているか。
そもそも前提として、地方としての地域は国からの交付金や都市が負担していると言われる税金がなければ成り立たない
その前提があるときに、どのように地方が自立していくか考えていくのが本書のテーマでもある。
その中で、前回主眼を置いた雇用という切り口があった。

ほとんどの人が観光は地方戦略に置いて重要だと感じているだろう。ではどのくらい重要か。

沖縄県の「域際収支」(※小磯氏:地域における移入・輸入と移出・輸出の収支を表す。国内の他の地域との取引におけるもので、国際収支の地域版)を見ると、
域際収支」 3,900億円の赤字
来訪客消費3,950億円の黒字
これだけ地方にとっては重要だと感じる。
さらに経済効果で言えばより高くなる(雇用の創出、直接・一次・二次効果として)。

地域にとってインパクトのある産業である位置付けになるが、どうしても我が町含めて、その産業に関する戦略やビジョンというものはない。
(※良くよく考えると他の産業もない。基幹産業と言われる農業だけがビジョンがある←進展や共感されているかは別として)
これについては、データ・ファクターに基づく戦略・ロジックが必要で、それを細かに説明していく。もしくはプレゼンしていくことが大事である。
ベンチャーがピッチで市場性や戦略性、成長性を発表しているように、自治体やまちづくりをする人たちが、同様のことを行って、場を設けたり・動画配信したりして応援者や共感者を増やすことで、推進力が増すと思う。

来訪客数<消費を。

都市からの距離があればあるほど、来訪客数を伸ばす事は難しい。近ければその難易度は易しくなる。
その中で、自身の地域をどう捉えるかは上記にあるように「消費」という観点で産業を育んでいく必要がある。

遠方の地域ならば、いかに長く滞在してもらい消費してもらうか。
都市や空港から近場の地域ならば、交流人口の多さを活かした消費へつなげる。(もちろん滞在も重要。優先順位の問題。実際、ここからも近場の優位性は大きいが、沖縄は北海道から遠い事や、JALで直でいけないとかだけど、すごく行きたい人は多い)

そして、この消費、産業という観点で見たときに、その地域で住んでいる人が産業と捉えているかが重要になる。

観光産業とは地域でtoCサービスを行う人、全てが絡んでいる。

スーパーやガソリンスタンド、コンビニ、などなど、顧客と直接関わる職種の人は観光産業の一部と言っていい。
例えば
・ガソリンスタンドで道を聞かれた時の対応。
・スーパーの滞在者が自炊やキャンプをする時の買い出しでの品揃え。

細かなところでそのホスピタリティや対応が変わり、それが観光客のリピート、観光産業自体のブラッシュアップに繋がる。

だからこそ、観光産業の数字のファクターをベースに、説得力あるプレゼンが地域に必要なのである。
もちろん産業や戦略を動かしていくのは、その地域のステークホルダーが重要な位置を占めていると思う。だが、それだけでは地域全体の相乗効果を生み出す事は難しい。
さらに、このステークホルダーを動かしたり、むしろ邪魔されないようにするためにも、地域にとって必要であるという「大義」づくりに。

簡単に、以上。

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