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イノベーションとは体系的なものである

ドラッカーの名著「イノベーションと企業家精神」からの学びを共有したいと思います。

今回、大学院の講義でドラッカー著「イノベーションと企業家精神」(2007)(※原著は1985年、2007年翻訳版が初版発行)を読んで、レポートとするものが最終課題で出されました。

前置き


前置きさせてもらうと、
他、授業の所感等も含めてA4×7頁ということで、レポート形式上ぎっしり書くものなので、1万文字以上になります。本書は315頁くらいのハードカバー。中々です。

しかし、本業、他課題、あと他の役職?的なものにより、なかなか時間が作れない。本を読む時間がつくれない。
結果、読了が課題提出24時間前となってしまった。24時間で1万文字のレポートを書くのは、まぁまぁ大変なわけですが、、、(院生活で一番ヤバイと思いました)

その前のJCの三役会で
「期日内に出さないことは0点です」「形式に則って、出して初めて点数つく」的なことを言った手前、自分が書かないとか、遅れるとかないので、頑張りました。

ということで無事提出出来たわけですが、今回の課題図書は学びが多すぎたので記したいと思います。


イノベーションの必要性

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
出来るだけ分かりやすいようにポイントを中心に記載していきます。

まず、「イノベーション」とは??という問いです。

イノベーションのイメージは、特にテック分野のイメージや
ハイリスク・ハイリターンのイメージが多くあります。
新しい技術や知識による技術革新とかですね。もちろん、それもあります。

本書では、イノベーションとは、企業家にとっての道具です。

既存の企業は毎日、既存の事業を、日々の業務を行っています。
これは明日食べるために必ず必要なことです。
これをおろそかにしたら、すぐごはんが食べられなくなります。

では、日々の業務をやっていたら、それでいいのか?というと「良い」と答える人はかなり少ないと思います。

そこで必要になるのが「イノベーション」です。

様々な機会からイノベーションの機会を見つけ出し、そしてそこに投資(リスク)を行うことで、成長(リターン)を得ることが出来るのです。

では、日々の業務が衰退しない場合は、別に必要なのか?というと、
短期的にはYESです。
でも長期的にはNOです。
なぜなら、製品やサービスにはライフサイクルがあるからです。
このPLC(プロダクトライフサイクル)は、良く聞くものだと思います。
導入期・成長期・成熟期・衰退期とかそういうものです。

そこで、例えば、
既存の事業のライフサイクルを検討した結果、10年後には衰退しそうだ!
ってなります。

そして、その猶予10年の間にイノベーションが必要です。でなければ衰退するので。最悪、従業員の給与カットとかになります。

※反対にそもそもイノベーションによるリターンは成長ということです。
なので、コンスタントなイノベーションが重要であります。

では、イノベーションってどうやるの?って話になります。

そこで、この本書がすごいのが、イノベーションの方法論が記載してあるのです!
イノベーションと企業家精神とは、原理であり、方法論であるよと。

発明は神秘的なもの

昔、(昔といっても200年くらい前まで?)昨今多く行われている発明は、神秘的なもの、もしくは変わった人が行うものでした。それは天才的なものでした。
しかし、今日では研究開発という形で体系的に行われています。論理的に、必要な「発明」に向けて研究を行い、そこから結論を導きだします。
なんか混ぜたら何か出来るかも、的なことやっているメーカーはありません。

ドラッカー教授は、「実は、イノベーションも同じ体系的なものであるし、そしてこれから、イノベーションは体系的なものでなければならない」と。

これ書かれたのは1985年です。
しかし、現在イノベーションを体系的に使いこなしている企業や団体はどのくらいいるでしょうか?
終いには「なにか妙案はないかねぇ」ってなっていませんか。

素直に、40年近く前に、この本書が出版されていたのスゴイ。

イノベーションの機会

イノベーションは7つの機会から見つけ出し、投資を行うべきと言っています。

その7つの機会の中に、冒頭の新技術(知識)によるイノベーションがあります。
しかし、これが実は最もハイリスクで、成功確率が低く、しかも苦しく、しかしハイリターンであるのです。
ちなみに他の6つのイノベーションは富をもたらしますが、
このハイリスク・ハイリターンのイノベーションは富と名声をもたらします。

だから、6つのイノベーションの機会を活用する方が間違いなく良いです。

では、その6つは何かというと、全部目次に書いてあるんですが。
第3章 予期せぬ成功と失敗を利用する 第一の機会
第4章 ギャップを探す 第二の機会
第5章 ニーズを見つける 第三の機会
第6章 産業構造の変化を知る 第四の機会
第7章 人口構造の変化に着目する 第五の機会
第8章 認識の変化をとらえる 第六の機会
第9章 新しい知識を活用する 第七の機会

めちゃくちゃ雑に言うと、
自分たちの予想と違うこととか、ギャップとか、あれ?っていうこととかに、そのヒントが隠されているよ。ってことです。

そして素晴らしいのは、この7つの機会について、成功させるための条件が設定されています。結構ルールがあります。

だから、イノベーションの機会を見つけ出す仕組みを敷き、そして自らのイノベーションの機会に対する「敏感度」を上げることが重要です。

ちなみにこのイノベーションに対して敏感で、前向きなのがタイトルにある企業家です(ざっくり言うと)。

結果、是非読んで欲しいです。
重たいと感じるかも知れませんが、これは良書です。
そして、ぜひ読書感想会を開きたい。(笑)

非営利組織・公的機関にもイノベーションを!


また、最も驚いたことの一つが
公的機関や団体にも企業家精神は必要だし、イノベーションが必要であり、しかもそれが可能なことは歴史が示しているということ。
(ただ、最も難しい・・・)

ちなみに、著者がすごいイノベーションだ!って言っている、
一つの社会的イノベーションに明治維新があります。

ということで、ぜひ読んでほしいです!

1カ月くらいかけてゆっくりと。

そして意見交換をしましょう。

これはイノベーションをするための、マネジメント論であります。
つまり、個人はもちろん、組織において知っておくべきことの一つなのではないでしょうか。

営利はもちろん、非営利組織の変革を考えるとき、取り入れても良い考え方があるな、と思います。

成長を望むなら、イノベーションを!
イノベーションを望むなら、本書を!

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