祈りとは

声なき声を聴くこと。

川の流れ、
雲の動き、
葉のせせらぎ、
葉のざわめき、
鳥の鳴き声、
蛙の鳴き声、

地球にある、
すべての生きとし生きるものたちの
声なき声に、耳を澄ませること

声を聴こうとして聴いてはならない。
話しかけようとして話してはならない。

あなたがしなければならないのは、
ただ、たたずむこと。

焦り、不安、恐れ。
自分の中のそういった感情を手放し、
身を委ねること。

あなたの身を、
この世界に、委ねなさい。

ただ、たたずみなさい。
ただ、たたずみなさい。

そして、
目を閉じなさい。
呼吸に意識を向けなさい。

自分の息吹に、
心の鼓動に、
身体の血液の流れに、
耳を澄ませなさい。

そして、
目を開けなさい。
世界に目を向けなさい。

さすれば、
すべてのいきとしいきるものたちの
声が聴こえてしまう。

世界の声に耳を澄ませたら
今度は、あなたの中の声に耳を澄ませること。

自然と湧き上がってきた言葉。
その言葉に注意深く耳を澄ませ、
世界に解き放ちなさい。

あなたの言葉が、
あなたの声となり、
世界に届く、世界に響く、
世界の祈りとなる。

祈ること。

そう、
生きとし生けるものたちの声に耳を澄ませ
あなたの中から
湧いてきた言葉を世界に解き放つ

そして
世界があなたの声に耳を澄ませ、
あなたの声に感応し、
また世界が新たな声を奏でだす。

この一連の、
あなたたちを含めた、
世界の生きとし生けるものたち同士の声のやりとり、
これを
あなたたちは、祈りと呼んでいる。

あなたたちがすべきことは、
ただ、ただ声なき声を聴き、声をだすこと。
ただ、それだけだ。

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