「ナイトメア・アリー」を観て。-君の名よりも僕の名を教えて-
家を燃やして三千里。実際にそんなに旅をしたのかはともかく、スタンは自分探しの旅に出た。
何故そう思ったのか。
冒頭からスタンは喋らない。無表情でバスに乗り、興味ひいたサーカスに向かい、無感情に獣人を見て、言われるがまま働く。
カメラはスタンを後ろから追う。見ている僕らは「こいつは誰だ?何がしたいんだ?」と疑問に思う。それはスタン自身もそうだ。自分が誰で、何ができるのかもわからない。だから自分を探してる。
クリムからは「お前の素性なんて誰も興味ない」と言われ、何となく雇われる。