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「与える人」こそ成功する時代〜生焼けのホットケーキにならないために〜

フリーアジェンダのPodcastで、いきなり私の話題があった。その時の参考書として紹介されたのがこの本。GIVEandTAKE〜「与える人」こそ成功する時代〜

自分のために書かれた本じゃないかと思うくらい良い本だったので、引用ベースでまとめてみます。

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この本では、人間の思考と行動から、以下の3種類に分けて議論している。

「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」

@hikaruと@yamottyも言ってたけど、私は明らかにギバー。ただ実はギバーには「(テイカーとマッチャーより)成功するギバー」「(テイカーとマッチャーより)成功しないギバー」の2種類いる。

ちなみに私が作るホットケーキには2種類あって、「見た目も良くて、中もちゃんと焼けて美味しいホットケーキ」と「見た目は良いのに、中が生焼けで美味しくないホットケーキ」。後者にならないためのコツは、「弱火でコツコツ焼くこと」と「爪楊枝で事前に状態を確認すること」。

さぁ、このnoteを読んで、美味しいホットケーキを作ろう!いや「成功するギバー」になろう!

1. ギバーがどのようにして成功をおさめるのか

本書の目的は、ギバーの成功例がいかに過小評価されているか、それを知ってもらうことである。「与えること」が一般に考えられれているよりも、どれほど素晴らしいもにになりうるか、驚くべき研究結果とエピソードを紹介していきたい。
「ギバーであることは100メートル走では役に立たないが、マラソンでは大いに役立つ」
一方が得をすれば他方が損をするというゼロサムゲームや、どちらか一歩王が勝つか負けるかという関係では、与えることが利益をもたらすことはまずない。しかし、世の中の大半はゼロサムゲームではない。(中略)確かにギバーが好意と信頼を築き上げるのには時間がかかるが、最後には成功へと導いてくれる評判と人間関係をつくることができる

2. ギバーの才能

キーワードは「ゆるいつながり」・「チーム総力の最大化」・「育てる」・「強さではなく影響力」

ゆるいつながり

人脈には主に3つのメリットがある。「個人的な情報」「多種多様なスキル」、そして「権力」である。強力なネットワークをつくることによって、知識、専門的技術、影響力を利用できるようになるのだ。
強いつながりは「絆」を生み出すが、弱いつながりは「橋渡し」として役に立つ。(中略)だが、ちょっとした難点もある。弱いつながりに助けを求めるのは難しいということだ。しかし、強いつながりの信頼関係と弱いつながりの新しい情報とを、セットで利用できる方法は、「リコネクト(再びつながること)」だ。これこそ、ギバーが最終的に成功する大きな理由である。

チーム総力の最大化

自分の知力にだけ頼った、一見、個人の力が大きい仕事でも、成功するかどうかは自分で理解している以上にほかの人びとの協力にかかっているのだ。
ギバーは、頼り合うことが弱さだとは考えない。それよりも、頼り合うことは強さの源であり、多くの人びとのスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている。

育てる

成績のよくない生徒のスコアを向上させるには、教師が生徒に対し期待を抱くことがとりわけ重要だということなのだ。教育の現場では、自己成就予言(他人から期待されると、それに沿った行動をとって期待どおりの結果を実現すること)は間違いなく生じる。
ギバーは、可能性の片鱗が見え隠れするまで待ったりはしない。他人の意図を疑わず、楽観的に解釈するので、すべての人のなかに可能性を見出そうとする。人をみな「大きな可能性を秘めた人」として見る時点で、ギバーはそもそも、リーダーやマネジャーやメンターの役割を果たしている。

強さではなく影響力

『人を動かす、新たな3原則』のなかで、成功とはいかに人に影響を与えられるかが決め手になると主張している。(中略)研究から、人に影響をを与えるための2つの基本的なアプローチは、優位と信望であることがわかっている。(中略)信望とは、どのようにすれば集められるのか。テイカーの強きなコミュニケーション法の対極にあるのが、「ゆるいコミュニケーション法」である。ゆるいコミュニケーションをする人は、強引な話し方はせず、不明な点があれば明らかにし、人のアドバイスを喜んで受け入れる。弱みを隠さず、弱みをさらけ出し、拒絶や障害や躊躇をうまく利用して、会話を進めていく。(中略)ギバーはずっと楽に自分の弱さを表にだす。それはギバーが、人に力を振るうことにではなく、人を助けることに関心があるからで、だから、自分の弱点をさらすことを恐れないのだ。弱さを見せることで、ギバーは信望を集めているのである。ただし、ちょっとした条件がある。それは、弱さを見せても効果があるのは、周囲の人びとに有能だと認められている場合にかぎることだ。

3. 「成功するギバー」と「成功しないギバー」の差分

自己の利益と他者の利益は、一つの座標の両極端に位置するものと思われがちだが、私は調査を通じて、この2つが完全に別個の動機であることを発見した。2つを同時に目指すことが可能なのだ。ビル・ゲイツが世界経済フォーラムで「人間には2つの大きな力ー利己心、他人を思いやる心ーがある」と主張しているように、人はこの2つをかけ合わせて原動力にするとき、もっとも成功できるのだ。テイカーが「利己的」で、成功できないギバーが「自己犠牲的」なら、成功するギバーは「他者志向的」といっていいだろう。「他者志向」になるということは、受け取るより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのである。

心理学者のブライアン・リトルは、ギバーが人間の第一の天性であったとしても、成功できるか否かは、マッチャーを自分の第二の天性にできるかどうかにかかっていると主張している。成功するギバーの多くが、人はみな善人だという信念から出発するが、同時に、周囲の状況を注意深く観察して潜在的なテイカーを割り出す。そして必要とあらば、テイカーの感情を思いやるのではなく、その思考を分析し、無条件に与える代わりに、より計算されたアプローチ、すなわち、寛大なしっぺ返しで対応するのだ。万一、おとなしく引き下がって自分のことをあと回しにしそうになっても、自分はたいせつな人の利益を代表していると思えば、しっかり自己主張することができるのである。

4. 「成功への道」を切り拓く人たち

ギバーの頭のなかでは、成功の定義そのものがちょっと変わっている。テイカーが成功を、人を出し抜いて優れた成果を達成することだと考えるのに対し、マッチャーは成功を、個人の業績と他人の業績を公正に釣り合わせることだと考える。一方、ギバーは成功を、他人にプラスの影響をもたらす個人的なものだと考えるのだ。この成功の定義は、働く人の雇用スタイル、評価、報酬、昇進のやり方を根本から変えてします。個々の従業員の生産性だけでなく、この生産性が周囲の人びとに与える影響にも注意を払わなければならないということだ。成功のイメージが、「個人の業績+他人への貢献度」で成り立つとすれば、職場でもギバーになる人がふえるかもしれない。テイカーもマッチャーも、個人と共同体両方の利益を高めるために、他者を思いやらざるを得ないだろう。

本は以上です。

私の好きなTEDに著者のアダム・グラントが出てましたので良かったら見てみてください。日本語字幕ついてます。





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