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明日から真似したい NETFLIX and the Culture of Reinvention -NO RULES-

NETFLIXの「脱ルール」カルチャー
・ルールが必要になる人材を雇わない
・社員の意思決定を尊重する
・不要な社内規定を全部捨てよ
・承認プロセスは全廃していい
・引き止めたくない社員は辞めさせる
・社員の休暇日数は指定しない
・上司を喜ばせようとするな
・とことん素直に意見を言い合う

といった「普通じゃない経営手法」で世界一成功している企業と言われるNetflix。あまりにも「普通じゃない」ために、ネットフリックスの人事戦略を真似るな。というnoteに目を奪われたのも事実。とはいえ!「真似したい」と思うような部分もあったので、引用ベースで紹介したいと思います。

フィードバックのガイドライン。大事な「帰属のシグナル」

Netflixは即時のフィードバックを活用する文化に優れていることが本書を読むとすごくわかります。フィードバックが十分に行われているからこそ、評価制度が不要。代わりに社員全員に十分な時間をかけてフィードバックの与え方と受け取り方を教えます。本書ではフィードバックのガイドラインを具体的事項を交えて紹介されています。メルカリでも定期的に色んな人にフィードバックをする機会があるので、この心構えは定期的に見直したいです。

フィードバックを与える側のガイドライン

相手を助けようという気持ちで(AIM TO ASSIST)フィードバックは前向きな意図をもって行う。自分のイライラを吐き出すため、意図的に相手を傷つけるため、あるいは自分の立場を強くするためにフィードバックすることはゆるされない。ある行動を変えることがあなたではなく、相手自身あるいは会社にとってどのように役立つのか、明確に説明しよう。「社外パートナーとのミーテイング中に歯をいじるのは止めろよ、気持ち悪いから」は誤ったフィードバックだ。正しい伝え方は「外部パートナーとのミーテイング中に歯をいじるのをやめれば、パートナーは君をプロフェッショナルとして見てくれるし、会社としても関係を強化できるはずだ」。
行動変化を促す(ACTIONABLE)フィードバックはそれを受けた相手が行動をどう変えるべきかにフォーカスすべきだ。私がキューバで基調講演をしたときの女性社員のコメントとして「あなたが壇上から議論を進めるやり方は、文化的多様性に関するあなた自身の主張と矛盾すると思います」だけで終わっていたら、フィードバックとしては落第だ。正しいフィードバックは「あなたのやり方だと、参加者のなかで意見を述べるのはアメリカ人だけになりますよ」だ。「会場に来ている他の国の人たちからも意見を引き出す方法を見つけられれば、プレゼンの説得力が高まりますよ」と言えば、なおいい。

フィードバックを受ける側のガイドライン

感謝する(APPRECIATE)批判されると、誰だって自己弁護や言い訳をしたくなる。反射的に自尊心や自分の評価を守ろうとする。フィードバックをもらったら、この自然な反応に抗い、自問しよう。「このフィードバックに感謝を示し、真摯に耳を傾け、とらわれない心で相手のメッセージを検討し、自己弁護したり腹を立てたりしないためにはどうふるまったらいいのか」と。
取捨選択(ACCEPT OR DISCARD)ネットフリックスで働いていると、たくさんの人からたくさんのフィードバックを受ける。そのすべてに耳を傾け、検討しなければならない。しかし常にそれに従う必要はない。心から「ありがとう」と言ったら、受け入れるかどうかは本人次第だ。それはフィードバックを与える人、受ける人の双方が理解しておかなれればならない。

本書ではフィードバックの機会に上記を意識すること、そしてさらに「リーダーは頻繁にフィードバックを求めること」そしてそのフィードバックを受け取った際には、「帰属のシグナル」を必ず返すことが大事と説いてます。

ネットフリックスのマネージャーが部下に率直なフィードバックをもらうためによく使うテクニックのひとつめは、個別面談の課題に常にフィードバックを入れておくというものだ。単にフィードバックが欲しいと言うだけでなく、それが当然だと伝え、実践してみせるのだ。フィードバックは最初か最後にもってきて、業務に関わる他の議題と切り離すほうがいい。フィードバックの時間になったら、部下に自分(上司)に対するフィードバックを求め、それから(必要があれば)お返しにフィードバックを与えよう。ここでカギとなるのが、フィードバックを受け取るときのふるまいだ。あらゆる批判に感謝を述べ、そして一番大事なことは「帰属のシグナル」を頻繁に発することで、部下にフィードバックを与えても大丈夫だと感じてもらう必要がある。
「帰属のシグナル」とはダニエル・コイルが『カルチャー・コード』で言及している概念で、「フィードバックを与えることで、あなたにはこの部族で一段と重要なメンバーになる」「あなたが私に正直にフィードバックを話してくれたことで、あなたの仕事や私との関係がおかしくなることはない。あなたはここの仲間だ」ということを伝えるためのしぐさだ。私は部下が上司にフィードバックしたときには、常に「帰属のシグナル」を示すようにとネットフリックスのリーダー層に口を酸っぱくして言っている。勇気をもってフィードバックを口にする社員は「上司に反感を持たれないか」「これで自分のキャリアに傷がつかないか」と不安に感じているからだ。
「帰属のシグナル」は感謝の気持ちを声音ににじませる、話している相手に物理的に少し近づく、相手の目を親しみを込めてみつめる、といったちょっとした仕草だ。あるいはもっとはっきりした行動でもいい。例えば勇気を出して意見を言ってくれたことに感謝の言葉を伝える、大勢の前でその一件を話題にする、といったことだ。コイルは「帰属のシグナル」の役割を「私達の脳に原始時代から巣くっている『ここは安全だろうか』『この集団にいたら自分は将来どうなるのか』『危険が迫っていないか』といった問いに答えること」と説明する。社内で誰もが率直な意見を受け取るたびに「帰属のシグナル」で応えるようにするち、社員はますます勇気をもって語ってくれるようになる。

私の元上司であるからっちも評価面談の最後にいっつもFB求めていたなぁ。

コントロールではなく、コンテキストを共有

Netflixの有名な言葉に『自由と責任』がありますが、本を読んでわかったのはただルールがないだけじゃなくて、代わりとなるコンテキストがきちんと共有されていること。例えば出張規定を撤廃する代わりに「ネットフリックスの利益を最優先とする」というコンテキストを共有。使いみちは社員に任せておきつつ、定期的にランダムに選ばれた経費申請を監査するといったやり方を実施しています(この監査で指摘されるとクビ)。個人的にこのやり方がいいな、と思った理由は3つ。

・「入り口にコンテキスト、出口にチェック機能」というわかりやすさ
・社員、マネージャー、経理、全ての人の工数を削減
・チェックが必要ないと、信頼されている安心感

メルカリのチームビルディング制度に、すごく近いなと思いました。そして、以前は「自分の財布だと思って経費を使うべし」というコンテキストだったらしいのですが、これだと、人によって価値観や基準が異なるので今のワーディングに変更したとのこと。「ネットフリックスの利益を最優先とする」というコンテキストだと、誰もが客観的に評価できる、という点が良いなと思いました。

最後に

Netflixは今まさに海外展開に注力しており、自国のカルチャーと相手のカルチャーを研究し、サービスだけでなく会社組織をどう融合させるについて語ってあり、メルカリにも参考になるなと思う部分がたくさんありました。そこを読み解くだけでも、この本の価値はあると思います。

ネットフリックス・カルチャーを増え続ける海外拠点に浸透させていく方法について、私たちが学ぶべきことはまだたくさんある。QBRではたいてい少なくとも1つはカルチャーに関する議題を取り上げる。今後の成長の大部分はアメリカ以外からもたらされるので、ネットフリックスの価値観をどうやってグローバルなコンテキストのなかで活かしていくかが話題の中心になることが増えている。これまでに学んだのは、カルチャーを世界中に浸透させるために謙虚さと好奇心が何よりも重要であること、そして自分が話す前に耳を傾け、教える前に学ぶ姿勢が必要であることだ。そうすればきっと、この魅力溢れる多文化の世界で日々着実に向上していける。

社長である進太郎さんも本書の感想書いてるので、リンク貼っておきます。

この文章は、社内でディスカッションが実施されるらしいのですが、お迎えの時間と重なり参加できないので、書きました。いいなと思った方からの♡お待ちしてます。

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サポート頂いた方のことをを思いながら、大好きなアイスクリームを食べます。ハーゲンダッツのストロベリーが好きです。