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特撮ヴィラン語り ~その335 仮面ライダーマッドローグ/内海成彰~

「仮面ライダービルド」から今回紹介するのは内海成彰。序盤からずっとレギュラーとして登場してはいるんですが、終盤になってようやく仮面ライダーとなり、しかしながら敵側として立ちはだかる道を辿ったキャラクターです。

仮面ライダービルドに変身する天才物理学者の桐生戦兎が生活する東都で、東都首相の息子である氷室幻徳の側近として彼をサポートする内海。
しかし実は彼は、幻徳と共に秘密結社ファウストに所属する科学者であり、ファウストのスポンサーである難波重工で洗脳まがいの教育を受けて来た生粋の秘密エージェント。難波重工は様々な兵器開発を行い日本をはじめとした各国で商売を行っている闇の商人であり、難波の意向に従って日本国内での戦争を引き起こすべく、内海たちが暗躍し続けます。

というすごくアングラでブラックな世界観なのに、
やたらと会話劇が軽妙過ぎてコメディ要素が多めなのが「ビルド」なんですよねこれが

実際この内海もその例外ではなくて。
普段は生真面目で堅物、仕事にどこまでも忠実な人物なんですが、その様子を「サイボーグ内海」と陰で言われていて、

冒頭のナレーションパートでそのイメージ図を数秒出すだけのためにロボットダンスをやってる新規映像を撮影されるという

そんな内海ですが、ファウストの幹部であったブラッドスタークが自ら地球滅亡を企む宇宙人:エボルトであったことを打ち明け、ファウストや難波重工が目をつけていた宇宙由来のオーパーツ:パンドラボックスを独占しようと動き出したことを知ると、難波の命令で組織をあげてエボルトに対抗しようとします。
しかしその時点ですでにエボルトは本来の力を完全に取り戻す一歩手前の段階までパワーアップしている状態。エボルトが変身した仮面ライダーエボルの圧倒的な力の前にファウストの残存勢力は成すすべなく壊滅し、遂には難波本人までもが手にかかってしまいました。
その様子を目の当たりにしてしまった内海は、今までの理知的な振る舞いをかなぐり捨て、難波が愛用していた杖を形見にすることもなく思い切り膝で叩き折り、「あなたに忠誠を誓おう!!」とエボルトの傘下に入ることを宣言。
この発言に満足したエボルトによって与えられたエボルドライバーを使い、仮面ライダーマッドローグに変身を果たすのでした。

この杖を叩き折るシーンがいつの間にか内海の持ちネタみたいに扱われていくんですけどね、別に笑うところじゃないのに

まあしかし、この内海の人間味ある部分って実は好きなんですよね。同じ科学者である戦兎との対比が特に好きで。
飄々としながらも大胆な発想で難題をこなし、それでも平和を願うが故に苦悩する戦兎に対し、
ファウストや難波の命令に忠実で、それ故に争いを引き起こすことになっても淡々と従う内海という。皮肉が効いてるなぁと思うし、敵側ではあるものの内海の去就に注目したくなるし、いいキャラだなぁと思います。

matthew

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