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特撮ヴィラン語り ~その32 悪夢魔獣ナイトファング~

去年2019年に放映された「ウルトラマンタイガ」。
ウルトラマンタロウの息子であるタイガと、その仲間であるタイタス、フーマの3人から成るトライスクワッドの戦いを描いたストーリーです。
「ウルトラマンギンガ」以降のウルトラシリーズ(通称:ニュージェネレーションシリーズ)では、登場する怪獣たちがアイテムで召喚されるパターンがかなり増えているんですが、個人的にはそれだと怪獣たちのバックボーンが薄く感じられてあんまり好きじゃないんですよね。
でも「ウルトラマンタイガ」では基本的に毎回怪獣、宇宙人の設定をしっかり見せてくれる。悪役好きからしたらそこがツボなんですよ。

どちらかというと宇宙人、宇宙怪獣が多かった劇中で、数少なかった地球出身の怪獣として現れたのがこのナイトファング。
ある古い村にて「赤目様」として恐れられていた伝説の怪獣ですが、悪の宇宙人軍団により封印を解かれ暴れ出します。
個人的に、こんだけ禍々しいデザインの怪獣って久しぶりだなあと思いましたが、なんとこいつ海洋生物が全体のモチーフらしいんですよ。

じゃあ海の怪獣にせえよというツッコミは受け付けない!

まず胸は、グソクムシの腹部がモチーフ。虫の足がワキワキたくさん動くのって気持ち悪くて嫌ですよねえ。
体のあちこちから伸びる無数の触手はさながらクラゲのよう。そして太もも部分には巻き貝のようなデザインが。
背中の翼はコウモリグモのイメージらしいです。

あっそこは海の生物じゃないんだ

最大の特徴は、本来とは逆さまについた顔。
魔女の帽子を思わせる頭部で、赤い目の上についている口の中には第3の眼があり、そこから相手に悪夢を見せる超音波を放つファングウェイブが武器です。

口の中に眼……あれ?
ガーゴルゴンと一緒?
あれか、円谷さんのブームか何か?

色んな気持ち悪い生き物の要素をごちゃ混ぜにしたようなナイトファングのフリーキーさ。
久しくウルトラシリーズにはなかったこの感じ、海外のB級ホラーに出てくるモンスターのようでいいなあと思うんです。ゴジラみたいに王道的なシルエットの怪獣を離れたスタイルにこそ個性が活きるもの。またこういう怪獣が見たいなあ……と感じさせてくれた一体でした。
劇中ではタイガの強化形態であるフォトンアースの初陣相手として立ちはだかりましたが、また今後の作品に再登場してくれたら嬉しいなあ。

matthew

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