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特撮ヴィラン語り ~その238 脳魂宇宙人ザム星人~

平成に入ってからのウルトラマンシリーズって、TVだけでなくオリジナルのビデオ作品にも結構力を入れてた時期があったんですよね。
「ティガ」「ダイナ」「ガイア」の平成3部作と並行するように作られていた「ウルトラセブン」の平成バージョンに続けて製作されたのが、ビデオオリジナルの「ウルトラマンネオス」。この作品、結構マニアックなんですよね。自分で言うのもアレですが。

というのも「ネオス」がビデオ作品として公開されたのは2000年なんですが、実は「ティガ」がTVで開始されるより前の1995年パイロット版という形で短編の映像が撮影されているんです。
本当は「ティガ」じゃなくてこの「ネオス」がウルトラシリーズ30周年記念作品としてお披露目になる予定だったんですが、まあいろんな事情でお流れになって「ティガ」に企画が切り替わったわけです。

誰が分かるねんっていう話なんですが、
実のところその1995年時点でちゃんとキャラの人形玩具が出てたりします

さて、そんな「ネオス」において代表的な怪獣・宇宙人キャラといえるのが脳魂宇宙人ザム星人。ざっくりとしたシルエットはバルタン星人、蛇腹っぽいデザインはゼットンがモチーフと、初代ウルトラマンオマージュの「ネオス」らしいキャラクターです。
そんなこいつ、パイロット版と2000年の本編でガッツリ設定が変わっております

まあパイロット版では、普通に悪の化身でした。地球征服のためにやってきた邪悪な宇宙人で、首長竜のような姿の宇宙鉱石怪獣ドレンゲランと共に街を破壊しまくり、ネオスとその相棒:ウルトラセブン21の2人のウルトラ戦士と激戦を繰り広げます。
で、2000年の本編ではどうなかったかという話なんですが。

宇宙で観測される強大なエネルギーを秘めた暗黒物質:ダークマター。その波動は惑星の生態系や物質に様々な影響を及ぼし、不可思議な現象を巻き起こします。
そのダークマターの影響によって母星に怪獣が溢れかえり、故郷を追われてしまったザム星人は地球に密かに移住を計画。ところがその地球にもダークマターの影響が及んでいることを知ると、ザム星人は敢えてそのダークマターを研究して一族の進化に活用しようと研究を始めました。
巨大なタワーに拠点を構えたザム星人の下に防衛組織:HEARTの隊員であるカグラ・ゲンキが潜入するも、ザム星人は「地球人に迷惑をかけないように研究は続けていきたい。だがもし何か進化の過程で自分が地球人に迷惑をかけるようなことがあったら、その時は自分を倒してくれ」と懇願。そして研究は失敗し暴走してしまったザム星人を相手に、ゲンキは彼の言葉に従いウルトラマンネオスに変身して戦いを挑むのでした。

何その180度の善玉ターン

そのうえ、後にはそのザム星人の顛末を知らなかった部下たちが私怨たっぷりに復讐にやって来たり(最終的には説得に応じるも自爆)、
母星を追われて逃げてきた生き残りが人類に助けを求めてくるなど、

なんかもう普通に被害者側の立ち位置として本筋に絡んで来ます

そして何より一番問題なのは、

ドレンゲランが本編に出てこねえ

……出してやってよ普通にカッコいい怪獣だったんだよアイツ……!

matthew

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