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特撮ヴィラン語り ~その270 邪電戦隊ネジレンジャー~

悪の仮面ライダー、悪のウルトラマン。最近の作品ではそういった悪の戦士という概念が随分と定着したものです。
ではスーパー戦隊はどうか。実際いないわけではないんですが、基本的には単独のパターンがほとんどで、チームである戦隊ヒーローに対応した悪の戦隊戦士っていうのは結構珍しいんですよね。

そんな珍しい事例の中で今回紹介するのは、1997年放映の「電磁戦隊メガレンジャー」に登場した邪電戦隊ネジレンジャー。メガレンジャー同様に5人で編成されており、メガレンジャー抹殺のために自分と同じカラーの戦士を標的にするようプログラムされた対メガレンジャーのスペシャリストチームです。

メガレンジャーの敵となるのは、異次元の世界に居を構える邪電帝国ネジレジア。その王であるジャビウス1世の指揮のもと、Dr.ネジラーが司令官となって主な作戦を展開し、地球侵略のために行動します。
ネジレンジャーはそんなDr.ネジラーによって生み出された強力な怪物:サイコネジラーが強化スーツを纏った形態。しかし実は5体とも全員がジャビウス1世の細胞から作り出された存在であり、その生命力はジャビウス1世のエネルギーを吸収することによって保たれています。つまりネジレンジャーが戦えば戦うほどジャビウス1世の力は弱まっていき、ジャビウス1世が完全に力を失ってしまえば、エネルギーの源を失ったネジレンジャーもやがては滅ぶわけです。
強いわりになんか致命的な欠陥だなって感じると思うんですが、

実はこれ全部Dr.ヒネラーの計画の内だったんです

Dr.ヒネラーの正体は、宇宙や別次元への進出を目指していた科学者の鮫島博士。彼はスーツ自体に強力な性能を持たせて人体を強化する理論を推し進めていたものの、人体実験が失敗し被験者となった愛娘を失ったことで「悪魔の研究」と非難を受けて界隈を追放されてしまいました。
その後、旧友であった久保田博士が装着者の意志がエネルギー源になるというメガレンジャーのスーツを開発。似たような研究成果なのに自分が認められなかった嫉妬から、鮫島は自分を評価しなかった人類そのものへの復讐と称し、自らが発見した異次元世界:ネジレジアに逃亡。
そしてうまいことジャビウス1世に取り入ったうえで、最終的には自分がネジレジア全てを牛耳って地球を滅ぼそうと、ジャビウス1世謀殺のための捨て駒としてこのネジレンジャーを生み出したのでした。かつて失敗した「悪魔の研究」を元として。

確かに天才的な発想ではあるけどさ悪者としては

ただ、ネジレンジャーにはもう1点致命的な弱点がありました。それは先に話した「自分と同じカラーの戦士を標的にする」という点。
レッドならレッド、ブルーならブルーと戦いを挑む相手が絞られているんですが、逆を言えば他の戦士はガン無視なので、仲間がピンチになっても助けるという発想がない。つまりチームワーク皆無なんです
ある時、彼らを援護すべく新たな刺客:ネジシルバーが登場。それぞれの標的にしか目がないネジレンジャーのフォローに回るのですが、なんとその正体はメガレンジャー第6の戦士:メガシルバー。敢えてネジレンジャーたちの仲間割れを煽り、まんまと彼らを出し抜いてのけたのです。

いや突然仲間が増えたことは不審に思えよ興味持たなさすぎだろ

matthew

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