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特撮ヴィラン語り ~その105 アバレキラー/仲代壬琴~

現在放映中の「機界戦隊ゼンカイジャー」で、悪の追加戦士ステイシーザーが登場して、早くもちょっとした盛り上がりを見せておりますが、戦隊シリーズで悪の追加戦隊が出るパターンってあんまりないんですよね。
大体追加メンバーって、最初はちょっと主人公たちと立ち位置が違うために軽く対立はするけど途中から和解して合流するのが主流ではあって、終盤までずっと悪役のまま行くのがだいぶ珍しい。まあチームものですから、団結しない孤独なキャラってなかなか成立しづらいんでしょうね。

そんな戦隊シリーズで、初めて純粋な悪役の追加戦士が現れたのは2003年の「爆竜戦隊アバレンジャー」。
かつて恐竜時代を壊滅に追いやった邪命体エヴォリアンと、恐竜が進化した爆竜と心が通じあった現代人が変身したアバレンジャーの戦いを描くこの作品での追加メンバーは、アバレンジャーのプロトタイプスーツを身に纏ったアバレキラーです。

率直に言ってカッコよさが渋滞してます

まずプロトタイプが一番強いってのがいいですよね。新しけりゃ強いってわけじゃない。試作だから安全性をまだ考慮できていないが故に、危険と引き換えの高性能というね。
実際あまりに高いエネルギーを秘めているが故に、アバレキラーはスーツの限界に達すると大爆発してしまうというとんでもないリスクを背負ってます。

強力過ぎる武器を使いこなす戦士ってまずそれだけで燃える

そんなリスクを背負ってアバレキラーに変身するのは、天才外科医の仲代壬琴。白衣のような白いコートと長髪をなびかせたクールガイで、幼少から多才過ぎて何をしても刺激が感じられず、退屈と孤独に満ちた半生を生きてきた青年でした。
ある日エヴォリアンの侵略に呼応して爆竜の声を聞いた彼は、その導きのままにアバレキラーのスーツを獲得。
大爆発のリスクすらもスリルと捉え、エヴォリアンだけでなく気ままにアバレンジャーにも「ゲーム」と称して戦いを挑み圧倒してしまいます。

どうしようカッコよすぎて厨二病が加速してるよ

そんなアバレキラーの相棒となる爆竜は、翼竜トゥプスクアラが進化したトップゲイラー。あまりに強力過ぎてスーツと共に封印された爆竜でしたが、壬琴の性格を知ると「面白い人間だ、ならばどこまで俺についてこれるか試してやる」と共に戦うことを決めます。
なんとこいつはどんな爆竜とも自由に合体できる特殊能力持ち。アバレキラーが専用武器として使う剣:ウイングペンタクトには聴いた者を洗脳する音色を放つ力があるため、それを生かしてアバレンジャーに力を貸す他の爆竜たちを洗脳、強制的に合体して自らの戦力に変えてしまうことも出来ます。
そんなトップゲイラーの声を演じるのは、「スラムダンク」の流川楓や「新機動戦記ガンダムW」のヒイロユイでお馴染み、クールなイケボの代表格であるあの緑川光さんですよ!

厨二病トップギア入りますよ!

極めつけはこのアバレキラーの口癖ね。
常に全てに退屈してきた男が、望んでいた刺激に満ちた日々を手に入れて口にする台詞は「ときめくぜ……!」

聞いてるこっちがときめくわ!

あまりの強さにエヴォリアンの巫女のリジェが惚れまくり、その誘いを受けてエヴォリアンのトップに居座って完全に悪の極みとして手腕を振るったアバレキラー。
しかしその背景にはとんでもないドラマがあって、終盤で満を持してアバレンジャーと共に戦うことを選んだエピソードからはもう涙が止まらなくなりますよ……
是非とも異色の追加戦士アバレキラー、記憶にその生きざまを刻んでいただきたいですね。

そして「ゼンカイジャー」における悪の戦士ステイシーザーの今後の動きにも、とにかく注目です。

matthew

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