見出し画像

特撮ヴィラン語り ~その292 完全生命体イフ~

最強の怪獣とは何か?

なんか急に「バキ」みたいなこと言い出しましたが、実際これって定期的にウルトラシリーズのファンの間でよく出てくる話ではあるんですよね。
そして大概決着がつかない。だって挙がってくる名前が軒並みマジで強い連中ばっかりというか、どうやって倒せばいいんだっていう能力持ちばっかりなんですよ。
中でも特に厄介なのがコレ。

どんな攻撃も吸収して無限に進化する怪獣

いやマジでどう戦えって話なんですけど、そんなのが最終回でも何でもなくふらっと1エピソードとしてやって来てしまった作品が「ウルトラマンマックス」。
登場するのは完全生命体イフ。肩書きが既に最強です。

ある日、宇宙から繭のような状態で墜落してきたイフ。生命反応は感じられないものの街の中心部にデカいものがどっしり動かず構えてるってのはさすがに邪魔なんで、防衛チームDASHはその駆除のために出動します。
焼却処分のために発射されるナパーム弾――しかしなんとイフはそのナパーム弾を取り込むと、全身からたくさんの砲塔を生やしてナパーム弾を四方八方に乱射。倍返しってレベルじゃねぇぞこりゃあ
ならばとDASHはレーザー砲での攻撃に切り替えますが、そのレーザーまでも吸収したイフは四方八方にレーザーを撃ちまくり。受けた攻撃をそのまま能力として獲得・進化する能力でDASHの攻撃をものともしません。

こうなるとさすがにウルトラマンマックスの出番。何とかしてイフを撃退しようとしますが、

押しのけようと力を入れる→同じ力で押し返される
埒が明かなくて殴る→突然手が生えて殴り返される
何だとって感じで蹴る→足が生えて蹴り返される

あれか、「真似するなよー!」って言ったら「真似するなよー!」って返されるパターンのヤツか。そりゃウルトラマンもイライラするわ

さすがにこれは必殺光線の出番です。マックスは渾身のエネルギーをチャージして必殺のマクシウムカノンを発射――が、それも吸収される。
そして光線を吸収したイフは二足歩行の怪獣型に進化すると、マクシウムカノンまで学習して撃ちまくり。しかもウルトラマンと違ってエネルギー制限がないので何発でも連射出来ます。

ええもう反則ですねこれは

ウルトラマンの必殺技まで体得してしまったイフを止める術は、もはやありません。圧倒的な能力の前にDASHもマックスも敗北し、破壊の限りを尽くすイフ。街は火の海と化してしまいます。
果たしてこんなとんでもないヤツからどうやって地球は守られたのか。そのカギとなったのも、「外部から受けたものを学習してそっくりそのまま返す」というイフ自身の能力でした。
火の海に包まれた街の中で、ただ一人笛を奏でる小さな少女。彼女は目が見えず、街がとんでもないことになっていることも知らずにその場にいたのです。
その音色を聴いたイフは音楽を「学習」し、全身から無数の楽器を生やした姿に変化。戦意を喪失すると少女とセッションをするかのように平和な音楽を奏で、その機に乗じたマックスによって宇宙に運び出されていきました。

どうにか出来たのはよかったけども、こんなのが最終回でも何でもなく1エピソードとして途中に入って来る「ウルトラマンマックス」ってまあすごい作品ですよ本当に…

matthew

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?