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特撮ヴィラン語り ~その314 ギャングラー実験体~

2つの戦隊が信念の違いから対立しつつ、共通の敵である犯罪組織:ギャングラーと戦う姿を描いた「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」。

そのストーリーの中でカギになるアイテムが、かつて怪盗アルセーヌ・ルパンが集めて来た不思議な財宝:ルパンコレクション。ギャングラーはその大部分を強奪しており、ルパンレンジャーは自分たちの大切な人を守るためにコレクションを奪還すること、パトレンジャーはギャングラーの撲滅とコレクションの押収を主な目的としています。
同時に、そのルパンコレクションはギャングラーにとっては己の能力を強化するための重要なアイテム。体に装着された金庫の中にコレクションを収納することで、秘められていたコレクションの力を引き出すことが出来ます。
しかしその金庫、実は外科手術で取り付けられるものでして。いわばギャングラーの怪人達ってみんな肉体改造を施された生物兵器ってことなんです。
装着する金庫の数が多ければもちろんそれだけ高い能力を持っていることになりますが、同時に扱う者にかかるリスクも増えます。

その金庫を何と5個も体に装着されたのがこのギャングラー実験体
行き過ぎた改造のせいで理性を完全に失くしてしまっております、えげつねぇなギャングラー

主に改造手術を担当しているのは、ボスであるドグラニオ・ヤーブンの側近である女医:ゴーシュ・ル・メドゥ
妖艶な口ぶりが特徴ですが実はマッドサイエンティストのケが強く、医者の割にめっちゃ前線で銃乱射して高笑いするし、興味本位で部下たちにトンデモ実験を施すなどやり口があまりにも酷過ぎて、ギャングラーの仲間内からも若干引かれてるほどです。

あ、えげつねぇの主にゴーシュだけでした

そのゴーシュによって、どれだけたくさんのルパンコレクションの能力を一度に引き出せるのかという興味で生み出されたこの実験体。モチーフは実験体だけにモルモットです。うんすでに趣味が悪い
金庫を移植された体のあちこちは肥大化しており、ちぐはぐな体のバランスや眼の部分に深々と埋め込まれたネジなど、フランケンシュタインの怪物のような非常に醜い姿をしております。それなのに顔だけはモルモットの元の可愛らしさが割とそのまま残っていて、かえって奇怪さが増大している印象。
同じ日曜朝に放送されている仮面ライダーシリーズと比べて、スーパー戦隊シリーズって比較的怪人のキャラデザがコミカルというか怖さを抑えた仕上がりにされるんですが、この実験体についてはまあ例外でしょう。怖いもん絶対。久々にトラウマ級ですよこいつぁ。

最大のポイントはやはり体にある金庫の多さ。中にあるルパンコレクションを取り出して能力を弱体化させるには、同じルパンコレクションを金庫に取りつけてロックを解除しなければなりません
複数金庫が装着されている場合は、その解除を同時に行う必要があり、タイミングが少しでもズレるとアウト。この実験体の場合は5か所金庫があるので、5人で同時にロック解除を行う必要があるわけです。
しかしルパンレンジャーもパトレンジャーも3人編成のチーム、明らかに足りない。つまりお互いが協力しなければ敵を弱体化させて倒すことが出来ない。かくして双方の勢力に出入りする謎の青年:ルパンエックス/パトレンエックス/高尾ノエルがその共同戦線を成立させるために奔走するというドラマが描かれたわけですが……非常に見ごたえがあるので是非一度見てみてください。

matthew

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