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特撮ヴィラン語り ~その290 凶暴宇宙鮫ゲネガーグ~

熱血ノリと親しみやすい間抜けっぷりで、令和ウルトラマンの中でも随一の人気を誇る「ウルトラマンZ」。その第1話に登場した怪獣がこの凶暴宇宙鮫ゲネガーグでした。
巨大な口に生えそろった無数の牙、鼻先にそびえる鋭い角。なるほど確かに鮫っぽい見た目ですが、こいつは何とウルトラマンが暮らす光の国に単身攻め込み、開発中だった新アイテム:ウルトラゼットライザーウルトラメダルを呑み込んで脱走。それを追ってZとゼロの2人が宇宙に飛び出したのが物語の始まりでした。
ゲネガーグがたまたま飲み込んでいた四次元怪獣ブルトンの能力によってゼロが異次元空間に送られ、残されたZはゲネガーグを追って共に地球に飛来。
そこで共に瀕死の重傷を負った防衛組織ストレイジの新米隊員:ナツカワハルキと一体化したことで地球での初陣を飾ることになります。

そんなゲネガーグの能力はというと、まずはもちろんその巨大な口による噛みつき攻撃。これはそりゃそうでしょって感じなんです。うん分かる。
しかしそれ以上に多用していたのが、体中から放つ赤いレーザー光線。もうなんかすごいんですよ。ガンダムに出て来る戦艦みたいな感じであっちこっちに撃ちまくりだし、その上敵をどこまでも追尾するという高性能さ。
せっかく鼻先に鋭い角もあるし、鮫っていったらやっぱり背びれだけ出して迫って来るイメージがあるじゃないですか。映画の「ジョーズ」みたいなさ。そのヒレで斬りつけるとかまあ鮫っぽいですよね。
でも全然使わないんですよ、角。噛みつきもそれほどやらないし、もっぱらレーザーか口から吐く破壊光線ばっかりで

お前鮫か本当に?

だって最近ってサメ映画色々あるじゃないですか!
頭が2つあるとか3つあるとか、地面を潜るとか、台風の中で泳ぎ回るサメとか、ゾンビのサメとかさ!
でもそいつらだって噛みつくし、ヒレだってちゃんとアイデンティティとしてしっかり魅せてくれるんですよ!

いや全部B級映画だけどさ
そこと比較するのもちょっとおかしいかもしれんけどさ

でもね、最近のウルトラシリーズのスタッフやられてる方々って元々はB級映画の特撮を色々やってた人が多いんですよ。ホント円谷公式の潤沢な予算と本格的セット&CGの技術というバックアップを手に入れて毎回毎回好き放題にすんごい映像作ってくれてるんですよ。大人の贅沢大満喫してるんですよ羨ましいぐらいに。
てなったらやっぱり海外のB級映画だっていっぱい見てるだろうしさ、実際そういうの好きそうだしさ、やっぱそういうの期待しちゃうじゃないですか。俺は超期待したんですよ、どんなトンデモビックリサメ怪獣が出て来るんかなと。

そしたら噛みつきもヒレでジリジリ接近するのも控えて砲台のごとくビーム乱射ですよ
サメの定義とは?

いやまあトンデモだけど。
ビックリだけど。
何か思ってたやつと違うような……?
もっとこう、鮫らしいやつというか……

いや待て。よく冷静になって考えるんだ。

頭複数あるのも竜巻を泳ぐのもビーム撃つのもゾンビも全然鮫らしくないよそもそも

matthew



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