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特撮ヴィラン語り ~その417 スコルピオワーム/神代剣~

最近Xの広告でABEMAの番組CMが流れてきたりするんですけど、その中ですんごい久々に見たのが山本裕典さん。番組の企画でホストクラブに入店してナンバーワンを目指すみたいな挑戦をやってるらしいですね。

山本さん、実は「仮面ライダーカブト」では中盤から登場した仮面ライダーの1人:仮面ライダーサソードに変身する神代剣を演じてデビューされております。
超お金持ちの御曹司で俺様キャラ――かと思いきや、実は自分の財閥は既に没落していることも知らず贅沢生活を送っているだけで、真実を知って色々な仕事に奮闘するも世間知らずで天然ボケな性格故に失敗が続き、しかしそれでも持ち前のポジティブシンキングでめげずに頑張るという愛されキャラに変化していきました。
恐らく俺様キャラよりもそっちの方が本人に合ってると判断されて路線変更したのかもしれませんが、まあ本当にコメディキャラとして輝いた末路だと思います。

ところがその裏には何とも過酷な設定が潜んでおりました

「カブト」劇中に登場するのは、宇宙から飛来し人間に擬態しながら地球上の支配を目論む昆虫生命体:ワーム。実は神代剣は姉と共にそのワームによって殺害されており、劇中に登場するのはその剣に擬態したワームだったのです。
しかし姉を殺されたワームへの憎しみの念が強すぎたことから、剣の感情をコピーしたワームの人格が上書きされ、自分がワームであることを知らずに神代剣として生活を送っていたのです

落差酷過ぎてもうギャグシーンが笑えねぇよそれ

しかもそれをね、初登場して早々に視聴者に分かる形で明かされてしまいまして。剣が天然で失敗を繰り返したりして愛嬌を振り撒いても「コイツ、ワームなんだよな…」っていうノイズで笑うに笑えないという。これはなかなか厄介でした。
そしてそんな剣の本来の姿が、皮肉にもサソードと同じサソリモチーフのスコルピオワーム。この姿になると剣の自我は封じられ、獣のような咆哮をあげながら目についたもの全てに襲いかかるバーサーカー状態になります。
弁髪のような尾の先にある毒針を突き刺せば相手を意のままに操ることが出来、両腕に備わったクロ―であらゆるものを破壊する荒々しさ。劇中に登場するワームの中でも強力な個体として数々の仮面ライダーを苦しめました。

自らがワームであることを忘れたまま、「全てのワームを俺が倒す」と公言して戦う剣。皮肉なほど陰と陽の間を行ったり来たりする彼のドラマも「カブト」の中の見どころと言えるかもしれません。

matthew

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