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特撮ヴィラン語り ~その197 仮面ライダーアビス、パラドキサアンデッド~

平成ライダーの世界を渡り歩くという破天荒なストーリー展開からよくも悪くも話題を呼び続けた「仮面ライダーディケイド」。
劇中でも数々の名言・迷言が飛び出しましたが、その中で当時よくネットでネタにされてきた怪人ネタというのがありました。その肝となったのが鎌田というキャラクター。彼はなんと2つの姿でディケイドの前に立ちはだかった強敵でした。

……あれ?強敵だったかな?
まあいいや(よくない)

鎌田が最初に登場したのは「仮面ライダー龍騎の世界」。「ディケイド」内のこの世界では、無作為に選ばれた陪審員たちが仮面ライダーに変身。互いに有罪か無罪かで分かれてライダー同士で戦って判決を決めるという「その法律自体をまず裁判で速攻変えろや」とツッコミしかない裁判制度が確立しています。
ある日Webを中心に展開するニュースサイト「ATASHIジャーナル」の編集長である桃井令子が殺害された事件で、「ディケイド」におけるヒロインの光夏海が何故か容疑者として逮捕。副編集長であった鎌田は有罪派に立ち、サメをモチーフにした仮面ライダーアビスとなって参戦します。
「龍騎」が放送してた当時ってネットでも平成ライダーの二次創作が大流行りしてて、みんなしてオリジナルのライダーを作ったもんなんですが、まさにそんなファン心理をくすぐる新ライダーの登場にとにかくネットはざわつきました。
やがて事件の真相を追っていく中で、時空を超える「タイムベント」のカードを手に入れたディケイド一行。その力により過去に渡ったところ、何と真犯人はその鎌田だったことが判明。
鎌田は腕から放つ真空のカッターにより令子を殺害。凶器が見つからなかったことが災いし、最初に現場に駆け付けた夏海が濡れ衣を着せられてしまったということだったのです。

これが通称「鎌田カッター」としてネットでバズったネタその1でした
いや髭男爵のひぐち君かよ

事件の真相を知ると同時に令子を救い、夏海の疑いを晴らすディケイド:門矢士。するとそこにこっそり一緒にタイムスリップしていた鎌田が現れ、過去の鎌田を取り込んで一体化してしまいます。

バズったネタその2:士「過去と未来の鎌田が、一つに…?」
まあここだけは未だによく分からんよね理屈が

もうここまで来たら絶対鎌田が普通の人間なわけないんですよ。超能力バンバン発揮しまくってるし。
ディケイドと龍騎の合体必殺技を受けて変身が解けると、仮面ライダーアビス/鎌田は緑色の血を流しており、腰には見慣れない形状のベルトが。
なんと彼は「仮面ライダー剣(ブレイド)の世界」から連れて来られてきたアンデッドの1体。その真の姿は「剣」放映当時には唯一姿を見せなかった上級アンデッド:パラドキサアンデッドだったのです。カマキリの一種であるパラドキサの先祖ということで、あの鎌田カッター(やめろ)が超能力になっていたわけですね。
「剣の世界」に戻った鎌田はその世界で対アンデッド組織のBOARDトップであった仮面ライダーカリス/四条ハジメと結託し、仮面ライダーとアンデッドが拮抗した戦いを行うことで、終わらない恐怖と安心を演出して世の中への影響力を増すことを画策。後を追って駆け付けたディケイドへのリベンジにも意気込むのでした。

「龍騎」も「剣」も、カードゲームを作劇に取り入れた仮面ライダーという共通項があったことからこうしてガッツリクロスオーバー出来ちゃったというのは面白いですよね。しかも「ディケイド」も同じくカードを使う仮面ライダーだし。
カードライダーのオンパレードに華を添え、そして様々なネタをファンに提供してくれた鎌田さん。裏のMVPと言ってもいいかもしれません。

matthew

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