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特撮ヴィラン語り ~その367 地の拳魔マク~

カンフーを題材に2つの異なる流派の拳法が善悪に分かれて戦う姿を描いた「獣拳戦隊ゲキレンジャー」。拳法といえば修行ということで、主人公たちゲキレンジャーだけでなく、敵側である臨獣拳アクガタ側でもたびたび修行を重ねる姿が描写されてきました。

修行といえばやはり師匠がつきもの。
アクガタの下で力を求め己を鍛えるライバルキャラ:理央とその側近であるメレは、かつて善悪の拳法の戦いで封印された3人の邪悪な戦士「拳魔」を復活させ、その力と技を学ぼうと動きます。
最初に蘇ったのは空の拳魔タカ。憎しみを糧として相手を恐れさせることを信条とする冷酷な戦略家。
次に蘇ったのは海の拳魔ラゲク。嫉妬を糧として相手を貶めることを好む紅一点のヤンデレキャラ(何)。
そして最後に蘇ったのが、今回紹介する地の拳魔マク。文字通りクマがモチーフで、筋骨隆々の仁王像を彷彿とさせるパワーファイターです。
その信条は怒りを力に変えること。自分こそが絶対最強だと信じて疑わず、その最強の自分に歯向かう者全てに怒りを向ける凶暴さを振り撒き、他の仲間ですら恐れさせるほどです。

今で言えばもうパワハラ上等なキャラってことですね要するに(言い方)

まあでも実際これで強いから困るんです。
何しろマクは、その怒りの感情を文字通り力に変えた怒臨気(どりんぎ)という独自のオーラを使いこなす唯一の戦士。その力を身につけて己を乗り越えようとする理央やメレにも怒りを向け、その圧倒的な力で文字通りに叩きのめす場面も多くありました。
この筋骨隆々なボディで暴れる姿がそりゃカッコいいんですよ。怪人というよりはある種神々しさもありますしね。

ただ、どうしてもツッコみたかったところがあったんです。
それはマクが放つ必殺技の名前。

「神着火(カムチャッカ)!」
「怒臨気・雄峰突(オホーツク)!」

お前怒られるぞロシアとか北方領土付近の人たちに

いやまあ熊モチーフだからってことは分かりますよ。
そりゃ熊って北の寒い方に住む動物ですからね?実際北海道民の私にとってもそんなに縁のない動物じゃないですよ。ホントニュースとかで民家に出て来たって話はよく聞くんだから。
だからなのかもう余計に技の名前がどうしても頭に残ってしゃあなくて、ゲキレンジャーたちに向かって怒りに任せて猛然と技を放ちながらこの名前を叫ぶたびにちょっとTVの前で笑ってましたもん俺。

最終的に、どんどん強くなっていくゲキレンジャーたちに対して力をなかなか開花させられない自分への怒りに目覚めた理央が怒臨気を身につけたことで、マクは彼の前に敗れて最期を迎えました。
その最期は何とも皮肉なものでしたが、今わの際まで己の最強を疑わず北国の人たちに怒られそうな技を放ち続けるマク、何とも印象的なキャラでした。

matthew

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