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特撮ヴィラン語り ~その273 はぐれ暴魔ヤミマル、キリカ~

ちょっと学園モノで昔から一つだけ気になることがあるんですが、皆さんふと考えたことありません?

何で転校生って超人が多いのって

やたら喧嘩が強いとか、運動も勉強も全然死角がないとか、挙句何か不思議な能力を持ってるとか、なんかムチャクチャな設定てんこ盛りだったりするじゃないですか。あれなんなんでしょうね。転校前何してたんだこいつらっていう。
特撮でもあるんですよ、そういうの。

歴代スーパー戦隊シリーズの中で初めて学園が舞台になった「高速戦隊ターボレンジャー」。ターボレンジャーに変身する5人はみんな高校生で、学業と戦士の使命の間で四苦八苦する姿がよく描かれてきました。
そんな彼らが戦うのは、妖精たちの力で封印されてきた太古の魔物:暴魔一族。自然環境の悪化によって封印が緩み現代に復活を遂げた彼らは、破壊と恐怖で世界を支配しようと再び行動を開始します。
そんな戦いの中、ある日ターボレンジャーたちが通う高校に転校生がやって来ます。彼の名前は流星光
学ランの背中やハンカチに流れ星の刺しゅうを施してキザな雰囲気で女子たちを魅了し、
勉強も運動も人並み以上に優秀で、
逆立ちでピアノを弾ける特技持ち。

最後ちょっと待て

そんな光、実は普通の人間ではありません。暴魔一族と人間の間に生まれた混血のはぐれ暴魔で、本当の名前はヤミマル。人間からも暴魔一族からも迫害を受けて来た孤独な青年だったのです。
そして彼は学園内で、自分と同じくはぐれ暴魔である少女:月影小夜子と運命的に邂逅。小夜子はその出会いをきっかけに自らの素性を知り、はぐれ暴魔キリカとなってヤミマルと行動を共にするようになりました。

超人転校生と恋に落ちる女生徒
うわーあるよねそのパターン確かにあるある

人間からも暴魔からも迫害を受けて来たヤミマルらはどちらにも属せず、はぐれ暴魔一族による地球支配のために双方の共倒れを目論んで行動します。
その計略により暴魔一族のトップだった大帝ラゴーンがターボレンジャーによって倒されると、一族を乗っ取ってターボレンジャーと本格的に対立するようになりました。

そんなヤミマル、キリカの2人はお互いの小指が赤い糸で結ばれています。ロマンチックですね、運命の赤い糸。たとえどんなに離れていても運命で結ばれた愛の証。何よりも強い絆。その絆をもってすればターボレンジャーを縛ったり結界の中に閉じ込めたりも簡単なこと。

えっ待って赤い糸って物理的なヤツ?

そうなんです、比喩でも何でもないんです。2人を結ぶ赤い糸はちゃんとした実体を持っていて、戦闘時の特殊能力としてもしっかり利用出来てしまうんです。
その上、ラゴーンが復活を遂げた最終決戦では絶体絶命の危機に瀕したヤミマルを救うためにキリカがその赤い糸の力を使い、崩壊する暴魔城から彼を救出することにも成功。いや救命ロープかよ使い方
最後には、改心したキリカの説得を受けヤミマルも人として静かに暮らすことを選択。ターボレンジャーたちと共に高校の卒業式に出席し、「俺を救ってくれたのは赤い糸だけじゃない、お前たちとの見えない糸でもあったんだな」と最後までキザな台詞を言って旅立って行きました。
まあ、いいこと言ってるとは思いますよ。うん。いいセリフだよ。でもよく考えてくれヤミマル。

そこまではっきり見えたり触れたりできる赤い糸がまず普通じゃないんだよ

matthew

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