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特撮ヴィラン語り ~その177 冥王ジルフィーザ~

敵キャラの中で、悪になりきれない人間くささを持った幹部キャラって毎回人気になったりするんですよね。そういう人間くささ故にライバルとしてヒーローたちの前に立ちはだかり、何だかお互いに認め合える関係性を築いてしまうというか。
なんとなく対比がしやすいんでしょうね、脚本的にも。

1999年の「救急戦隊ゴーゴーファイブ」では「家族」という題材の対比が描かれました。
警察や消防士など様々な分野で活動していた巽(たつみ)家の5人兄妹が、天才科学者の父親が開発したアンチハザードスーツを装着してゴーゴーファイブに変身。封印から目覚め世界に大災害をもたらす災魔一族と戦うというストーリーで。
災魔一族もみな「家族」なんですが、その関係性がだいぶひん曲がってるんですよね。

よくこいつら一家離散しねえなってくらいに(ヲイ)

一族の長は、封印がまだ完全には解けておらず自由に動けない母:グランディーネ。その子供たちが一族をまとめる幹部として主に動きます。
ここがギスギスしてるんですよねー。優秀な長男、それに従う要領のいい長女、兄たちに劣等感を抱く次男、腹黒く自分以外を出し抜くことしか考えない末っ子。
普通もうちょい兄妹たち仲良くやりなさいよと母も怒るかと思ったら、基本的に自分の言うこと聞いてりゃいいんだよとしか言わない毒親グランディーネ。

とりあえず家出せえ子供たち!

さて、そんな長男のジルフィーザを今回はご紹介。
長男として最も能力は高く、冥王という肩書きを与えられ母の意志に忠実な行動隊長として戦線に赴きます。
ゴーゴーファイブ5人の力を合わせてもなかなか太刀打ちが出来ない強敵ですが、実は家族のことを大事に思う人格者。自分に対抗心を持つ弟にも公正に接し、末っ子が兄妹たちを犠牲にゴーゴーファイブを倒そうという作戦に出たとわかっても「家族を巻き込むとはどういうつもりだ!」とあくまでお説教するだけ。
しまいには母の独裁的な言動にも疑いを持ち、子供たちを容赦なく捨て駒扱いするグランディーネに抗議して真っ先に処罰を食らう始末。

長男ってどこでも苦労人なのかしら…(違)

そんな崩壊気味の家庭環境なので、思想の違う敵ではあるものの、兄妹のチームワークがしっかりしているゴーゴーファイブの姿に対して憧れを持つようになるんですよ。
ジルフィーザ自身も卑怯な手段は好まないタイプということから、ゴーゴーファイブのよきライバルとして認め合うようになり、最終決戦ではグランディーネの策略から洗脳・暴走状態になった姿を憐れに思われる一幕もありました。
デカいドクロのようなもうひとつの顔を持つ強面悪魔のビジュアルですが、その毅然とした姿はファンの人気を呼びました。好きですねー俺も。

ちなみにこの「ゴーゴーファイブ」。
あんまり語られてはいないんですが実は巽兄妹をサポートする幼なじみ役で、「エヴァンゲリオン」のアスカを演じた声優:宮村優子さんが顔出しレギュラー出演してるんですよ。
特別編のVシネマでは特別にジークジェンヌという戦士にまで変身しちゃって。めちゃくちゃプレミアムな作品ですので必見です。
脱線するけど「エヴァ」ではアスカが推しキャラなんですよ俺。「シンエヴァ」で実は二人が両想いになってて、でもいろんな行き違いがあってお互いに片想いがかなわなかったっていうことがわかった時はなんかこう……きゅっとしましたね心臓が。

でもマリがいいキャラしててそっちにも浮気してしまったけど
だって真綾さん好きなんだもん……!

matthew

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