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特撮ヴィラン語り ~その24 速水公平/リブラ・ゾディアーツ~

平成仮面ライダーシリーズは20作品ありますが、時々「!?」っていう変化球が入ってきます。

まぁ逆に直球のほうが少ないといえばそれまでだけど

個人的に最初から一番そうなったのは、2011年の「仮面ライダーフォーゼ」。福士蒼汰さんや吉沢亮さん、清水富美加さんといった人気者を輩出した作品でした。

だって学園モノで、宇宙飛行士ライダーですよ?
仮面ライダーは部活なんですよ?
コンセプト渋滞し過ぎだよ?

ちゃんとストーリーを説明すると、天ノ川高等学校(略して天高)という学園中で巻き起こされる怪事件を解決する仮面ライダー部の活躍を描いた物語。
事件を起こすのは、星座をモチーフとしたゾディアーツという怪人。校内で暗躍する謎の怪人たちから与えられたゾディアーツスイッチの力で変身した生徒たちです。フォーゼに変身する如月弦太朗は天高の生徒全てと友達になるのを目標に、ゾディアーツとなった生徒たちと戦いながらそのトラブルに立ち向かいます。
そのゾディアーツスイッチを配っていたのは、なんと学校の権力者たち。理事長の我望光明を中心に、黄道十二宮(占いでよくある12星座ですね)の力を持つホロスコープスという強力なゾディアーツになれる人材を探しだすのが目的でした。

そのホロスコープスの一人としてスイッチを配る怪人の一人が、リブラ・ゾディアーツ。
正体は天高のイケメン校長:速水公平です。
演じるのは天野浩成さん。雛形あきこさんの夫として、最近天然キャラで大ブレイクしてるあのお方。

なんであんなちょっと残念なブレイクの仕方したかなあ

や、だって前に「仮面ライダー剣(ブレイド)」でライダーやってたんですよ?ギャレンっていう頼れる先輩ライダーを……頼れる……頼、れる……?

あっ当時からネタキャラにされてたわそういや

まぁでも、過去にライダーをやってた方が悪役で再度オファーされるってほとんどないんですよね。その意味ではきっとスタッフ側も挑戦だったろうし、天野さんの演技も評価されてたんだろうなと。

速水校長が変身するリブラ・ゾディアーツは天秤座の怪人。ディケという錫杖の力で幻覚を見せる能力を持ちます。

はいそこゴキブリって言わないの一応カミキリムシがモチーフなんだから

物事を「重い」「軽い」とたとえるのが口癖の速水校長は、生徒のコンプレックスをわざと煽ってゾディアーツにさせるやり口を好むんですが、だからなのかホロスコープスに抜擢された仲間からはめっちゃナメられたり嫌われたりとひどい扱いを受けがち。
我望理事長もあまりそれを咎めたりしないんでまぁやられ放題で。だんだん本人も「私の扱いが軽い」と悩み始めるんですよね。

ちょっとネタキャラフラグ立ってるよほらまた

後半では作戦が失敗続きで、理事長から処罰として宇宙の彼方に飛ばされそうになり、

「嫌だ!俺は死にたくない!嫌だああああああ!」と死の恐怖で追いつめられた時に新たな能力が覚醒します。

いやキッカケ情けないよまたほらネタにされるから

その新能力、ホロスコープスになれる人間を透視できる力に目覚めたことで少し扱いはマシになるんですが、でもやっぱり新しいホロスコープスの仲間には厳しく当たられるし、我望理事長もそれ止めないし。
やがて、射手座の力を持つサジタリアス・ゾディアーツの本性を晒した理事長とフォーゼとの戦いで、リブラは理事長を庇ってフォーゼの必殺技を食らって宇宙の彼方に消えてしまいます。
その時の断末魔。

リブラ「我望様、見ていただけましたか?私の存在の重さを……」
サジタリアス「……(ノーリアクション)」

最後まで扱いが軽い

校長なんだよ?
PTAの評判もいいイケメンなんだよ?
もっと、こう、威厳ってものがあってもよかったやん?
ラスボスじゃないにしてもさ?
報われない……悪役かどうかの前に非常に報われないキャラでした。

matthew

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