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特撮ヴィラン語り ~その3 虚空怪獣グリーザ~

さて、ウルトラマンシリーズってよくよく考えたら特撮作品の前にSF作品なんですよね。宇宙人が出たり、未来の科学兵器を使って怪獣たちと戦う組織があったりと。
なので話によってはむちゃくちゃなSFの謎理論が急に出てきたりすることもあります。

今回紹介するグリーザはそんな謎理論な怪獣の一体。
2015年放映の「ウルトラマンX」に登場した、最後の敵です。

単刀直入にざっくり言うと

そこにいないのにいる怪獣

うんなんのこっちゃって感じですよね。

ちゃんと説明すると、
物体には必ずそこに存在するだけで何かしらのエネルギーがあります。
体温は熱エネルギーだし、
重さだって重力というエネルギーがもたらすもの。
だからどんなに小さな生き物でもエネルギーがゼロってことはない。

なのに、このグリーザは一切そのエネルギーがない。
つまり「そこは何もない」んです。光とか熱も全く感知できない。
身の回りのいろんなエネルギーも全て吸収してゼロにしてしまうので、そこには完全な「無」があるだけ。

そんなもん常識的にあるはずがない。
だから、「あるはずがない」モノを無理やり人間の脳が感知したらこんな姿「みたいですよ」と見せているわけです。

うんちゃんと説明してもワケわかんねえな!

まぁとにかく、そんなヤツがウルトラマンXの最後の敵なわけです。

グリーザが地球に飛来したのは、怪獣などのあらゆる生き物を吸収するため。エネルギーがあれば全部取り込んでゼロにしてしまう本能があるから。
地球上では人の形をした姿で現れますが、とにかくまぁ動きが不気味。

リングの貞子を思い浮かべてください。
棒立ちだけど時々はや回しみたいな感じでブルブルマッハで震えたりするでしょ。
あんなのが大体50~60mクラスのでかさで迫ってくるんですよ。
怖くね?

いざ戦うと言ってもね、
要は「存在しない」怪獣だから触れないんですよ。
だから殴りかかろうが何しようがすり抜ける。
でもグリーザの攻撃はちゃんと通じてる。「無」の力でエネルギーを奪われてダメージを食らう。

何この無理ゲー。

どうやって倒すんだって感じでしたが、まぁ無理ゲーには無理ゲーです。
ウルトラマンXが地球上でパワーアップしたエクシードXの必殺技を受けた結果、グリーザは実体を手に入れます。
つまり「存在しない」モノを「存在する」ようにしたわけです(まあウルトラマンXもギリギリ吸収されかけたけど)。

最大の能力を失ったグリーザですが、そのあとはいろんな怪獣を吸収してパワーアップ。
最後の強敵としてその後も戦うことになるんですが…

もう書いててこの説明難し過ぎて俺も分かんない!!
ホントなんなのこの謎理論ムカつくな!!

ちなみにデザインはむちゃくちゃカッコいいんですよ。
サグラダファミリアの天井がデザインモチーフだそうで、神々しくもグロテスクで不気味という。パワーアップした後なんか特にね。
鳴き声も笑ってるのか泣いてるのかみたいな感じで、とにかく不気味。最後の敵にはふさわしい「何コイツ」感満点です。

ただもうこんな感じでね、説明がむちゃくちゃ難しいんですよこいつ。
何なんだよ「存在しないのに存在する」って。
日本語おかしいんじゃないかってなるでしょこりゃ。

でもこういう謎理論が出てくると、
あーやっぱりSFって面白いなあってなるんでしょうねファン心理としてはね。

matthew

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