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特撮ヴィラン語り ~その172 閻魔獣ザイゴーグ~

さて、今回紹介する敵キャラは劇場版の「ウルトラマンX」に登場した閻魔獣ザイゴーグ。率直に言ってめちゃくちゃ大好きな映画作品の強敵です。

「閻魔」というだけあってデザインモチーフは地獄。鬼を思わせる角、針山のような背中、鬼の金棒のような右腕とこれでもかと地獄感たっぷりですが、実は裏モチーフには初代ウルトラマンと戦った怪獣たちも含まれてるそうです。
レッドキングのような節のある腕、ネロンガを思わせる顔、グリーンモンスの発光体をモチーフにした胸部分などあちこちに要素が散りばめられているんですが、唯一背中はゴジラシリーズに登場したムササビ怪獣バランがモチーフなんだとか。

そこでゴジラかよと思いましたが
てか割とバランはマイナー過ぎて分からんよなかなか

おどろおどろしさと怪獣らしさが絶妙なバランスのザイゴーグですが、ちなみに名前自体も「ZIGOKU(地獄)」のもじりだそうです。

こいつは元々、ウルトラマンティガによって碧石に封印されていた古代伝説の魔物でした。
それがある日、TV局の特番にかこつけてある冒険家が碧石を持ち出したことにより封印が解けて現代に復活。ウルトラマンXが迎撃にあたるもあらゆる必殺技を胸の口で吸収されてしまい、何にも太刀打ち出来ずにやられてしまいました。
ザイゴーグが背中のトゲを世界中のあちこちに放つと、トゲは怪獣ツルギデマーガに変化して大暴れ。
ザイゴーグ本体は持ち出された碧石を完全に破壊して自由を手に入れるため、強力な閻魔獣ゴーグアントラーとゴーグファイヤーゴルザを生み出して日本で破壊の限りを尽くします。
立ち向かうのはウルトラマンX、現代に蘇ったウルトラマンティガ、そして光の国から駆けつけた初代ウルトラマン!

なんでそこだけツルギデマーガじゃないのってのは野暮なんでシーッ(何)

あるんですよちゃんと理由は。
アントラーは初代ウルトラマンと戦った怪獣、ゴルザはティガと戦った怪獣。マッチアップを意識したんです一応ね。
ザイゴーグもなんか空気読んだんですかねもしかしたら。

でもゴーグアントラーはティガと空中戦してて、
ゴーグファイヤーゴルザは地上で初代ウルトラマンとガッツリ格闘してましたけど
ザイゴーグの粋な心遣いガン無視かよ

それはさておき、このバトルシーンがむちゃくちゃ熱いんですよ。
大体シーンってカットごとに短く区切って撮影するじゃないですか。でもここ長回しでほとんどカットがないんです。
しかもそこに防衛組織XiOのマシンや地上からの銃撃といった合成も加わって。なかなか特撮では見られない斬新な場面が出来上がり。
「ウルトラマン」ってここ最近とにかく映像技術やミニチュアに一段とこだわりが深くなってるんですが、その表れだなあと本当に感激でした。

にしてもまぁ、「古代の財宝を持ち出した結果とんでもない魔物が復活する」って昔からよくあるパターンですよね。冒険モノの映画とか。大体それ系ってお宝を持ち出したヤツがとんでもないクズ野郎で、魔物にやられちゃう哀れな結末を迎えるパターンだったりするんですよね。
今回その役回りになったのはマイケル富岡さん。ノリが軽いYoutuber的なタイプで財宝探しをやってるんですが、まぁ何だろう……似合いすぎる(ヲイ)
今で言うチャラ男、プレイボーイの先駆けみたいな方じゃないですか。どこか胡散臭いんだけど盛り上げ上手な感じ。ハマり役でしたねー。
とはいえマイケルさんは悪人ではないので、劇中でもザイゴーグ大暴れの中では居合わせた人たちの避難誘導を手伝ったり、ちゃんとした責任ある行動をしてくれておりました。ちなみに企画段階ではガッツリ悪人で悪のウルトラマンになるという案もあったそうです。

是非とも「ウルトラマンX」、まだ見たことがない皆さんはご覧ください。
ウルトラシリーズがどういうものかという王道を行きながら、平成・令和の最新映像技術バリバリの大迫力バトルが見れるのでオススメですよ。

matthew

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